――エッグマンのライブハウスの方には何度か出演されてますが、誌面では初登場ということでいろいろ聞かせていただけたらと思います。
ではまず、変わったバンド名ですが、その由来とかってあるんですか?
丸茂:バンド名を考えている時に、ジェフ•ベック・グループとか、なんとかグループってカッコ良くね?ってなりまして、それで…何だっけ?オトトイってどこから来たんだっけ?
岩崎:小説の中に出てくる動物の名前です。「ミカ!」っていう小説。
――5人の出会いの経緯とか結成の経緯っていうのはどういったものなんでしょうか?
丸茂:元々ベースの諸井くんと、岩崎と僕が3人在籍したバンドがあって、そのバンドが解散して、じゃあ次に何やろっかなーってときに、もう1回バンドやろっかなーって思って岩崎にまず声かけたんです。そしたら諸井くんもくっ付いてきたんです。
一同:(笑)
丸茂:元々岩崎は以前のバンドでは鍵盤をやってたんですよ。
――じゃあ岩崎さんに声をかけたのは、ボーカルをやってほしくて声をかけたっていうわけではないんですか?
丸茂:じゃないです。元々ドアーズみたいな鍵盤のバンドをやりたくて、鍵盤を弾けるから岩崎に声かけたんです。そしたら、誰が歌うよ?みたいになって、なんとなく岩崎がメインボーカルになったんです。そしたらボーカルやるならギターをやりたいって言い出して、ギターを弾きだし(笑)。とりあえずは、その3人で始まりました。現メンバーのパーティー(Gt)は元々ベーシストなんですけど、「お前鍵盤やってよ」ってオファーしたら、「やるやる」って簡単に快諾したんです。そしたら今度はパーティーがギターに目覚めたから、もう鍵盤やりたくないって言い出しちゃって。じゃあ鍵盤を入れなきゃいけないなって事になり、そしたらなぜかギタリストの片岡くん(Key、Gt)に「鍵盤やって」って声をかけたんです。で、彼が現在、鍵盤を弾いたりギターを弾いたりしてます(笑)。
――じゃあもう誰が何やるって決まってるわけではないんですね。臨機応変な感じで(笑)。
丸茂:そうですね、諸井くんと僕だけずっと同じ楽器やってます。
――今回4月25日に初の全国流通盤のアルバムが発売されますが、そのCD制作に至った経緯っていうのはありますか?
丸茂:元々レコーディングをよくやっていて、自主盤で初ライブをやる前にまず3曲入りのCDを作ってたんです。そのあともライブはあんまりやってなかったから、月に1曲収録したCDを無料配布で配ったらいいじゃない?みたいな発想で、ついでにイベントもやろうみたいなことになったんです。じゃあそれをまとめてCDにしちゃえってことになって、それを自主盤で去年の1月に9曲入りCDを作ったんです。それをdisk unionと残響ショップだけでコツコツ売ってたわけです。そこそこ評判は良かったです。
――それがあっていま4月にCDを発売するってことですね。
丸茂:そうですね。その自主盤から8曲入ります。
――その中からリマスタリングという形ですか。
丸茂:そうです。リマスタリングした8曲と、新しく録った分を2曲入れて全部で10曲入りのものになってます。だから感覚的には新しい2曲に前のものも付いてきまーす!みたいな。ツー•イン•ワンCDってあるじゃないですか、洋楽のそういう感じで。シングルに近い。音質もバラバラなんで、なんかこう歴史がわかるんじゃないかと。録った時期が違うんで。だから新しくなっていく毎に音もちょっとずつ良くなっていくっていう(笑)。
――聴いてて独特な世界観があるなって思ったんですが、曲を作る上で皆さんが大切にしていることって何かありますか?
諸井:歌をちゃんと聴かせられる、歌を中心としたアレンジを心がけてます。
――お二人のボーカルの歌をってことですね。
諸井:いや、僕の歌はどうでもいいんで(笑)。
一同:(笑)。
諸井:岩崎の歌が1番出るように、音作りとかもギターが上に出過ぎてると、「ここだと歌がかぶっちゃうから削ろう」とか、そういう感じでやってます。歌メロや詞が決まってないときは、まずアレンジが先行してそこに歌が付随してくる感じです。
岩崎:うん。
諸井:その2パターンですかね。それでもやっぱり結局は歌を聴かせるためのアレンジです。
――じゃあバンド全体で特に大切にしてるのは歌っていうことですね?
丸茂:そうですね。歌が1番。
――すごく漠然とした質問になってしまうんですが、音楽をする上で聴いてる人に伝えたいことっていうのは何ですか?
丸茂:僕はまったくないですね。音楽って聴いた人のものだと思うんですね。聴いた人が捉えたこと、それが全てだと僕は思ってるんで。例えばこっちが「悲しい歌なんだよ」って作って、それを聴いた人が超アガる!みたいになったら、その人にとっては超アガる曲じゃないですか。それでいいじゃないって感じがあります。だから押し付けられるのも嫌なんです。
――あー、自分が聴く側だったとしても。確かに。
丸茂:だから自由だと思います。
――皆さんにとってライブとは何ですか?レコーディングとの違いとか、そういうのでもいいですよ。
丸茂:ライブ…まあ、単純に楽しいですよね。レコーディングって何回でもやり直しができるけど、ライブって一瞬じゃないですか。例えば自分で考えたフレーズだけどなかなか弾けないフレーズとかが決まった!っていう一瞬で、お客さんがウォーッ!てアガッてる感じとか見るとウォーッ!てなる。それが1番ライブで楽しいとこかな。
岩崎:私は何だろう…割とライブしてないときに思うんですけど、最近接触してないな、みたいな。人との接触。音楽に関して言えば、ライブがコミュニケーションです。
諸井:僕はライブのことはちょっと考えたことが無いので、わからないです。
一同:(笑)。
――ではライブをする上で皆さんが大切にしていることってありますか?意気込みとか、ライブに向ける気持ちとかの面で。
丸茂:前に音を飛ばすっていうのはありますね。あるじゃないですか、なんか内に籠ってるなーって感じのバンドとか。そういうのではなくて、前に音を飛ばす。ちゃんと聴いてる人に届けるような音を出すっていうのは意識してると思います。
――何か発信したいってことですかね?届けたいって。
丸茂:そうですね。自分がそういうバンドってカッコいいなっていうのがあるんで。まあ、僕だけかもしんないですけどね。
一同:(笑)。
丸茂:でも優しい歌を歌ってても前に音は飛んでってるし、すごいカッコいいなって。そうですね、そういうことです。
――音源を聴いていて、けっこう歌声と歌詞のギャップがあるなーと思ったんですが、そこって何か意識してたりするんですか?
岩崎:…ありますか?
――そうですね。私の一個人の感想としては。歌詞を見た感じだと、けっこう男前なイメージがあるんで(笑)。でも声はすごく柔らかくて可愛らしい声だなと。
岩崎:…(笑)。
――すごく男的な口調な歌詞があるので、そのギャップを出すためなのかなって思ってたんですが、そういうわけではないんですね。
岩崎:はい!
――2007年に結成して5年近く経って、まだまだ進化の途中だと思うんですが、将来こうなりたいとか、こういうバンドになっていきたいっていう目標はありますか?
丸茂:目標ですか。フジロックのメインステージを飾るくらいのバンドになる。
一同:おー!
丸茂:まあ、その前にフジロック行ったこと無いですから(笑)。フェスに自分でお金払って行ったこと無いんで。僕が行くときは出るときだ!って絶対決めてるんです。そこが目標です。フェスで多くの人をユラユラさせること。
――岩崎さんは?
岩崎:んー…特に。目標は無いですね。
――今を頑張っていくっていう感じですか?積み重ねていくっていう。
岩崎:んーと…えーと…出来る限りやる。余力は残したくないです。
――あ、男前ですね(笑)。ほんとに歌詞に滲み出てる。尊敬に値します。
岩崎:(笑)。
――諸井さんは何か目標はありますか?
諸井:いろんなことを変わり続けてやっていきたい。以上です。
――最後になってしまうんですが、難しい質問かなーと思いますが、OTOTOI GROUPとはどんなバンドだと思いますか?
丸茂:居そうで居ないバンドだと思います。周りを見ても、あんまりこういうジャンルで女性ボーカルっていうバンドは居ないと思うんで。じゃなきゃ、やる意味は無いかなって。それが1つの続ける理由でもあるし。
諸井:僕は大きなバンドの芯というか、心の部分は完全に岩崎任せなので。岩崎任せっていうか、岩崎から出てくるものを支えられるようにっていう意識でやっています。なんていうか、仲間感っていうのはたまに感じたりします。やっぱり大学から一緒にバンドをやってきて、でもみんな技術があるタイプじゃないんです。本当に音楽好きな連中が、ガチャガチャ家で集まって何かやってるみたいなイメージはあります。リリースする意気込みはもちろんすごいあります。今年1年はもう吐く気でがんばろうっていう。
――初の全国リリースですものね。
諸井:いや、ほんと心臓が痛い。言われてビックリしました。
岩崎:私はさっきの「最善を尽くしたい」になっちゃうかな?でもなんか、嘘つかない感じはしますね、バンドが。ライブとか。すごい身の丈に合ってるし、すごい素直だと思います。
――最後に何か言いたいことは?
丸茂:3回聴かないと良い味出てこない。1回で引っかかって、2回で「ん?」ってなって、3回聴くと「超好き!」ってなる!
岩崎:私は良いと思います。ので、聴いてください。
諸井:私も良いと思います。
岩崎:そういう感じです。
――では、今日はありがとうございました!