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THEラブ人間
- SPECIAL -

THEラブ人間

待望のファーストアルバム「恋に似ている」を
5/16リリースするTHEラブ人間。
メンバーを代表して歌手の金田康平、バイオリンの谷崎航大に
アルバムに込められた想い、ライブに対する姿勢などたっぷりと語っていただきました。
今注目の彼らから目が離せない!!

(interviewer:窪田、難波)

窪田:今回の「恋に似ている」というアルバムのタイトルに込められた意味を聞かせてください。

金田:タイトルは全部録り終わって、曲順も決めてその後にみんなで考えました。何個も何個も思いついたことを言いまくって、自分のボキャブラリーから出し終わって、どれも違うってなっていた中で、最終的に「恋に似ている…」って。あの時はおー!ってなりましたね。

谷崎:これだ!みたいな。

金田:ピッタリでしたね。ずっと思ってたことでもあったんで。今回のアルバムの内容的には、これが確かなものだ!と思って自分のポケットの中に入れたものがやっぱり違うものだったっていうのをテーマにした曲がいっぱい詰まってるんですね。もうちょっと単純に言うと、この人が最後の女だ!と思ったのに、恋人になったら「あ、違うんだ」ってなって別れてしまったり、その人の生活に触れたり、その人と生活を共にしたり、いろんなことを分かち合って、その後に辿り着くものとして「恋に似ている」という言葉がピッタリだなーと思って。

窪田:今の受け答えもそうですが金田さんの言葉は情報量が多いというか、密度が高いですよね。歌詞を見ていても物語のようで、すごく面白いです。

金田:実体験のみで歌詞を書いているからですかね。生きてるとすごい情報の中で生活しているから必然的に情報量が多くなるっていうのもあるかなと思います。

窪田:その歌詞なんですが、リアルすぎて逆に非日常な印象を受けました。

金田:僕は共感というものにあまり興味が無いんです。最大公約数には、そりゃ誰でも共感できますからね。わかるわかる、みたいな。それはTHEラブ人間ではやらなくていいと思ってて、THEラブ人間の音楽はTHEラブ人間だけで完結しないんですよ。厳密に言うとTHEラブ人間だけで完結はしてるんだけど、この物語を聴いて、その人がどう受け止めて、他人のストーリーを自分に照らし合わせたときのもので、完成のもう1個上の完成になるんだと思うんです。

窪田:歌詞を書くのはどんなタイミングですか?

金田:大体いつも書いてます。頭の中でいつも何か考えてるので、それをそのまま言葉にしてます。曲を作るとか、歌詞を書くとか、歌うとか、そういうものを特別視していなくて、生活に溶け込むものとして扱いたいんです。歩いたりするのと同じような感じでできたらいいなーとは思ってますね。

窪田:率直にどんなアルバムに仕上がったと思いますか?

谷崎:僕らは結成して3年なんですけど、アルバムというものを出したことが無かったんですね。なので3年間のTHEラブ人間です!っていう作品ですかね。

金田:僕は作ってる段階でそうなるのがわかってたんですよ。多分みんなわかってたかな。初期衝動に似たものは出来るだろうけど、純粋な初期衝動っていうのはこの「恋に似ている」というアルバムに焼き付けて3年を詰め込まないと、セカンドアルバムにいけないっていうのがあったんです。今回アルバムのために書き下ろした「悪党になれたなら」と「わかってくれない」は本当に僕の最後の最後の初期衝動の残りカスのみで歌詞を書いたんです。ここでもう焦げ跡も残らないほどちゃんと燃え尽きれて良かったなと思います。

谷崎:何で録ってなかったんだろう?っていう曲を3年越しで仕上げていったりしてて、とりあえず本当にこれは節目だなと。

窪田:3年間アルバムを出さないっていう活動もなかなか珍しいですよね。

金田:自分たちのやりたいことを誰にも何も譲らずやってたらこうなっただけですよ。ちゃんと自分たちの歩幅で歩いて来た感があるんです。周りには左右されず歩調は崩さず。何度も止まりそうになったことはありましたが、それでも歩みは止まらなかったので。

谷崎:割とマイペースにやってきましたね。いま考えると、自分たちのこうありたい!っていうところに近付くための3年間でもあったような気がします。だから遅かったっていうよりは、やっとアルバム録っても大丈夫かなってくらいになれたなと。

窪田:曲順は話し合って決めたりしますか?

金田:今回のアルバムは僕が考えたものです。ライブのセットリストも僕が決めてて、特にストーリー性とかは付けないようにしてます。曲順とかは毎回1番僕が興奮するものっていうのを考えてて。ここでこれが来たらグッとくる、ここでこの曲来たらたまんねー!っていう。なるべく自分がファン目線で見ていたいというのがあってセットリスト作るんですよ。今回もその通りで作りましたね。特に「おとなになんかならなくていいのに」が1曲目っていうのは2年前に作ったときから決めてました。俺は13年間バンドやってるんですけど、13年間で1度も自分以外の人に決めさせたときが無いです。なんかもう馴染んじゃってるんですね。任せるのが怖いんですよ。だからいつかそれを解禁したらめっちゃ面白いのが出来るんじゃないかなとは思います。

窪田:セットリストも曲順もそうですが、金田さんはバンドを客観視している部分があるということですかね?

金田:そうですね。客観視できればいいなって思ってはいます。やっぱり自分のことだから出来てないだろうけど、出来る限りっていうのはありますね。

窪田:THEラブ人間の音楽は昭和な感じがしつつも、古くさくはないという印象があります。絶妙なアンバランスさというか、バランスのとれてるアンバランスさを感じますね。

金田:それは1番嬉しい言葉ですね。最初にメンバーを集めたときに、21世紀型のフォークソングをやりたいっていうのがあったんですよ。現代のフォークソングはフォークソングじゃないから、本当の意味での。昔の音が丸いとしたら、突き刺さるような音でフォークソングをやりたいなーと。すごい漠然とした中で、最初はほとんど何も考えずに全員で音を出したら思ってた通りだったんです。それが面白い。

谷崎:メンバー個人の個性もかなり反映されてるのにバランスが良いのが面白いし不思議ですね。

金田:ここまでアンバランスなのにバランスがとれてるっていうのは本当に絶妙としか言い様が無いと思います。

窪田:このアルバムをこんな人に聴いてもらいたい、こういう風に聴いてもらいたい、こういう場面で聴いてもらいたいっていうのはありますか?

谷崎:もちろん多くの人に聴いてもらいたいですけどね。

金田:でも本質は勝手にしやがれって感じです。CDはもうリリースした時点で僕たちの手を離れるものなので。あとはその人たちの生活の歌になっていくというか、その人たち1人1人のものになるんだから、誰かに聴いてほしいとか、こういう人に聴いてほしいっていうのはちょっとおこがましいかな。最終的にはみんな聴けばいいですよ(笑)あえて言うとしたら、バンドを今からやろうとしてるやつとかに聴いてほしいですけどね。童貞の男の子とか。とりあえず聴いたら速攻コピーしたくなると思う。出来るよね?バイオリン探せば(笑)

窪田:ライブも拝見しましたが、他には左右されない強さがあるからバンドとしてすごく表現力のあるライブをしますよね。

金田:取材していただいてこういうこと言うのもあれなんですが、こういう場だと言いたいことも言えないんですよ、結局は。音楽やってるやつはステージの上で自分の楽器を持ったときに本当に持ってるものを全部喋れると思うので。ここで喋ってることなんか、明日になったら変わることはたくさんありますけど、ステージの上で歌っていることに関しては揺るぎないとは思ってます。まともにこうやって喋ってることは不確かなことが多いと思いますけど、ステージの上では嘘付かないからオールオッケーかなと(笑)

窪田:THEラブ人間にとってライブというのはどういうものでしょう?

金田:とにかくライブが好きです。結成して3年で300本近くやってますから。

谷崎:そうですね。ライブが好きというのはみんな一致しているし、俺はそこがTHEラブ人間の良いところで、誇りだと思いますね。個々が際立って楽しそうなんですよ。ライブ中もメンバーと目が合いますし、それで何となく相手の状態も把握できますし、ライブやっててすごく楽しいですね。

金田:元々社会不適合者だから、ステージで自分たちの気持ちを音にするっていうことを共感できる5人が居るっていう喜びがあるのが1番好きなところだと思います。しかもそれを他人のオーディエンスが共感しようとしたり、分かち合おうとしたり、触れ合おうとしてるっていうので見るとやっぱり感極まります。

窪田:ライブのゲン担ぎ的なものとかありますか?

金田:ゲン担ぎは円陣ですね。やらなかったときが無いです。あとハイタッチですね。1人ずつ出て行くんですけど、全員をハイタッチで送っていくっていう。あれやんないと気持ちよくないです。

谷崎:やらないと落ち着かないですね。

窪田:ライブに対する意気込みも聞かせてもらいたいです。

谷崎:ライブ始まる前までは割と緊張するときもありますけど、なんていうかステージ上がって客席見たときにスイッチが入るというか。

金田:どれだけ嘘をつかずにちゃんと本当に自分の胸の内を開放できるかを考えます。絶対自分が開放して他人と向き合えばその人も必ず開いてくれる、というのは信じてますね。結局、頭真っ白になったときは本当に心開いてる瞬間なんですよ。取り繕ってないし。結果的に何も覚えてないですもん。あのMC良かったですって言われても、何喋ったか大体覚えてない。それはこっちも曝け出して、向こうも曝け出して、お互いに生活とか暮らしとか、思ってることとかがグチャグチャに混ぜこぜになってる感覚だと思うんですね。それがたまんない。

窪田:今後の目標を聞かせてください。

金田:目標っていうか、僕たちは有名になりたいんですけど…でもいつまでも有名になりたいがために音楽をやってるわけじゃないって思い続けたいですね。音楽をやりたいから音楽をやる。で、その上で自分たちが有名になる。僕たちはずっとガツガツしてるので、隣の仲良いバンドよりも誰よりも集客増やしたい、CD売れたい、良いライブしたい、良い曲作りたいっていうのは持ってるけど、音楽は手段じゃなくて目的なんで。売れるための手段としての音楽じゃなくて、音楽っていう目的があって音楽をやるっていう風に夢見てたいですよね。そこだけはずっと青くいたい。

谷崎:そうですね。僕たちって売れるということにかなりシビアに考えてて。それはみんなで音楽をやっていたいからそこを突き詰めた結果。心ゆくまで音楽をやりたい。

金田:しかも自分たちが何も曲げずに。売れるための曲を書くとか、魂売るようなことは一切しないで。売れるために歌いたくもないし、そういう自分たちの芯だけを残すっていうのがたぶん今の目標でもあるし、ずっとこれから先の目標でもありますね。

谷崎:なかなか難しいとは思うんですけどね。

窪田:それをちゃんと言葉で言えるってことは素晴らしいしカッコいいですね。では、最後に読者の皆さんにひと言お願いします!

金田:eggman5月号をお読みの皆さん。たぶんライブで会わないとまだわからないことがたくさんあると思います。目と目を見て話しに来てください。そのためにあなたを手繰り寄せるためのCDは作りましたので、よろしくお願いします。エッグ!

谷崎:マーン!