ー eggmanマンスリーマガジン久しぶりの登場ということで、改めてよろしくお願いします!先日8/26のeggmanでの企画ライブはいかがでしたか?
■鬼頭大晴(Vo.&Gt) :今回配信限定のシングルをリリースして、今までリリース記念のライブって、アルバムの曲で固めることが多かったんですが、一曲に向けて、その一曲が主人公になるようなライブを組みたいなと思って。新旧問わずのセットリストで、最後の曲で「灯火」をやったんですが、そこに向けていい感じに上がっていったライブじゃないかなと思っています。
― この日はデジタルシングル「灯火」のリリースパーティーということでしたが、この曲が「シャドウバース」のオープニングテーマとなっているということですが、こちら周りの反応はいかがですか?
■鬼頭:地上波のアニメということでみんな喜んでくれていますね。
― 甥っ子さんと一緒に見ていると伺いました。
■鬼頭 :実家に姉夫婦が住んでいるので、たまに実家に帰ったタイミングで見たりしていましたね。
― 歌詞やアレンジのこだわりのポイントなどお聞かせください。
■鬼頭:情熱っていう言葉が出てきたり、割と熱い歌詞というか。アレンジの面でも熱量を最初から最後まで絶やさないような。メロディー的には僕らにしてみたらゆったりしたメロディーではあるんですよ。その中でも、疾走感みたいなものを失わないようなアレンジにしたいなと思って、最初はそこから始めましたね。
■小鹿雄一朗(Gt):ギター的には、シンプルなギターロックみたいなものを結構意識して、あくまで歌がメインで映えるような。その中でギターを見せられるところは見せていく、というイメージで作りました。
― 改めて聴いてみて、この曲に限らずの印象ですが、Half time Oldの楽曲はそれぞれロックバンドらしいアグレッシヴな演奏をしているのに、しっかりPOPSに落とし込めているという印象です。そのあたりは意識してアレンジしているんでしょうか?
■阪西暢(Dr):そうですね。バンドっぽさももちろん残しつつ、根本にあるのは歌ありきというか、、、インストバンドじゃないので。歌ありきでいかに周り3人が背中を押せるかじゃないですけど、一番耳に届くのは歌であって欲しいなと。
― ベースも結構攻めてる印象ですが、良いバランスで主張していますよね。
■内田匡俊(Ba):押し引きは結構大事にしつつ、やっぱり歌を主軸に考えて、それぞれのエッセンスで楽曲を華やかに彩れたらなと。派手だけど、それぞれが無駄にならないようスポットが当たる形になっていると思います。
ー そんな「灯火」も収録されるアルバムのリリースが決まったとのことですが、「ALPHA」というタイトルに込めた想いは?
■鬼頭:まずこのアルバムのテーマが、生まれた時から今までの半生みたいなところを書こうと思って。「Hello」というインディーズ時代に出していた作品が、その時は初めてのアルバムだから「Hello」みたいな感じだったんです。何か他に始まりを意味するような言葉ってないかなと思って、、今回はまた別の始まりを意味する言葉として「ALPHA」としました。もちろん今後、この続きを書いていきたいなっていうビションもあります。
― レコーディングも終え、今作品の手応えはいかがですか?
■鬼頭:前作が歌を押し出すことを一番に考えていたんですが、今回はもうちょっと原点に立ち戻った感じのアルバムかなと僕は思っていますね。みんながしたいことをしたいようにしてるような。
ー「灯火」以外の他の収録曲は最近作られた新曲ばかりなんでしょうか?
■鬼頭:そうですね。一曲だけ一年以上前に作っていてどこでいれようかなと迷っていた曲ではあって、その曲以外は最近作った曲ですね。
ー 作曲や制作過程において、いつもと違うアプローチなどありましたか?
■鬼頭:コロナ禍に入ってデータのやりとり中心の制作が多かったんですが、今回はスタジオでちゃんと合わせて、ここはこうしたい、というのをみんなでやりつつ作ったというのが、前作ではあまりやらなかったことかなと思っています。
ー 長いキャリアの中で、コロナ禍を乗り越えたバンドの一つだと感じてますが、今改めてライブに対して変わったものなどありますか?
■鬼頭:お客さん自体もだいぶ慣れてきたとは思うんですけど、まだちょっとコロナの名残が残っている感じはしていて。でもその反動で、もうそこを抜けた人たちはコロナ前以上の反応を見せてくれているというか。僕らも僕らでそれにつられるじゃないですけど、引っ張って行けるようにテンションもあがっているような気がしますね、最近のライブは。コロナ禍で「冷静にライブをする」ということを習得したので、その良きところを出来てるかなと。
― コロナ禍の経験は経験で。プラスになったものは多かったと。
■阪西:そうですね。eggmanでも一回配信ライブで使わせていただいたり、他の箱でも色々やらせていただいたりしたんですが、それも最初は難しかったりしたんですけど、そういう経験も今に生きているのかなと思います。
― そして東名阪ツアーが12月に開催されます。ツアータイトルは“うまれてこのかた” どんなツアーにしたいですか?
■鬼頭:今までにないようなライブをしたいなっていうのがあって。毎回毎回新しい試みをしてきたつもりなんですけど、そこにまた普段のライブとは違うような要素を、セトリだけではなく、何かで入れて行けたらなと、、、まだ今自分の中でも考えている段階なんですけど。
僕らからしても、お客さんからしても、“生まれてこのかた”味わったことのないようなライブをしていけたらなと思っています。
ー 最後に、みなさんのこれから目標や夢を教えてください!
■阪西:コロナ前やコロナ中にもあったんですけど、フェスが決まっていてもイベント自体が無くなってしまったり、ステージの数が減って大御所しか出れなくなったり、色々な制約があったじゃないですか。最近割と戻りつつあるというか。自分達のツアーや呼んでいただく対バンイベントはもちろん、より全国の色々な人に見てもらえるような場所に沢山出ていきたいなと思います。
■小鹿:今回のアルバムで、原点に戻るロックアルバムというところを出来たので、その続きというか、次の自作に向けて、よりギターを頑張っていきたいなと思っています。
■内田:さっきのコロナ禍のライブにも関連するんですが、コロナ禍の時って割と主導権を常に演者側が握って、手拍子とか促したりする形が多かったんですけど、やっぱ緩和されていって、オーディエンスの反応が良くなって逆にオーディエンス側に主導権握られてるんじゃないかってくらい盛り上がってくれるタイミングとかがあって。そういうのをこれから相乗効果で、こっちもしっかりその盛り上げてくれるのを引っ張っていけるようなライブパフォーマンスをして行けたら、より時代にさらにフィットして盛り上がるライブが出来るんじゃないかなと思います。ライブに対してのモチベーションが今すごく高いので、来年以降より頑張っていきたいと思います。音楽が全人類に聴かれるところが最終目標で。多分ミュージシャンって誰一人それを成せた人はいないし、ほぼ不可能なことではあると思うんですけど。でも目指したい先はそこで。この人は自分たちのこと嫌いだから、別にこの人たちには聴かれなくていいや、っていうスタンスでやっているバンドももちろん沢山いると思うんですけど、僕は割とそういう人たちにも、分かってもらいたいというか。寄せるつもりではないんですけど、いろんな人に、どんな人にでも愛されるような音楽を作っていきたいなと思っています。そこが目標ですかね。