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ココニカカル interveiw
- SPECIAL -

ココニカカル interveiw

「心に架かる音楽」をテーマに積極的にリリースを続けて来たココニカカル。 結成1年のタイミングで1st mini album「心心にイマス。」(読み:ここにいます)をリリース! 作詞を担当するVo.森壯太と作曲・編曲を担当するGt.TATSUKIによる楽曲の制作秘話。メンバーからのコメント。 一つの言葉も漏れないように、インタビューではなく、セルフライターノーツでの掲載!

【 Vo. 森壯太 】

■M2 : 遠ざかる
これはもうほんと。極個人的な話で。
僕ココニカカル始めたときに、人生を変えてくれた、大好きな大好きな女性に振られてるんですね。バンド活動は激しくなるんですけど、情緒不安定が続いてて。全財産をギャンブルに注ぎ込んでゼロになればしぬ。みたいなダッサイ頭で見事ゼロになって。その足で家帰って、彼女のために買っといたビール(酒嫌い)と引き出しにある薬全部飲んでみたんです。勿論そんなんじゃしねないんですけど笑。一日嘔吐が止まらなくてベランダで吐いてました。そんときに見た空が、やや曇り空だったんですけど、ほんとに綺麗で。幻想的なんだけど、まぎれもない現実に、「ああ終わったんだな」って思わされてしまって。
そのとき丁度上がってきてたデモに、そのまま、腹筋が攣っても止まない嗚咽を言葉にして、吐き出したものです。 後半に、その頃の心境とはまるで裏腹な内容の”生きてる(2nd single)”という曲を、日々ステージで歌わざるを得なかったその迷いや反骨的節も書いています。情けない歌ですよ。

■M3 : 心日
これを書いた頃、ライブハウスで出会う人々のことを思うことが続いていて。僕らみたいなのがいるから不幸にしてしまう人がいるとか、そんなこと。手を伸ばせば触れられるし、助け合えるような距離。それでもなんだかタブーというか、マナーというか、一定の距離を保つような当然が、あって。それを歯痒く感じていて。でも、その理由というか、ルーツというかを手繰れば、ナルホドなこともある。だから飽くまで歌い手、バンドマンとしての距離を保ちつつ、無限、且つ平等に渡せるものは何かって考えたらやっぱり言葉で。僕がいつか消えても、代わりに誰かを守ってくれるような、外側からじゃなく、聴き手の中から温められるようなものを目指しました。
思えば書き始めた当初からCD音源になるのを見越した歌詞を書いていたように思います。特に1サビ後の節なんかは、子守唄になればいいなとイメージしています。

■M4 : ヒカリノアオ
これはTATSUKIさんに語ってもらいたいと思います。

■M5 : no one helps
このアルバムでひときわ異色なこの曲に、どんな歌詞を載せるべきか。一番推敲しました。個人的に英詞を入れることには躊躇いがあるんですけど(ニュアンスが明確でないから)、国際的楽曲な意味合いもあるし、この際、拘ることでもないなーと。音に寄り添ったエッジの効いた歌にしたいとも思ったのでラップセクションも提案してみたり。ある意味、意欲作ですね。
MVを撮る話も有ったので、今までのMV作品とは一線を画した性格も狙いました。内容としては始動1年経って、それこそM1の遠ざかるでも歌っているような挫折も含み、なかなか上手くいかない活動や関係、生活なんか引っ括めて。力づくで全てを結果オーライにしてやるって気概を書きました。誰も助けちゃくれませんよ。

■M6 : 【あなたを傷つけず、勇気づけるだけの言葉を、いつも探している。】
この歌は、M3の「心日」とは同じテーマです。言うなれば第二章なのかも。
僕の書く歌詞って結論が屁理屈なものばっかで、具体的な提案はせずに、漠然とさせて、その人その人の形に、隙間が埋まるような粘土を目指すことが多いんです。でもこの歌は一つ一つを順序立てて紐解くように、話し掛けるように言葉を並べてみました。優しいだけじゃなく、耳に痛いだけじゃない、ちゃんと手を取って(逃がさない意味も込め笑)、目を見て伝えたいような言葉。ある意味、無責任なのかも知れない。みんなに同じことは出来ないし。でも飾らず、その無力感というかも歌ってます。人対人。これは最近ようやく書けるようになった、意中の人以外へのラブソングですね。人間愛って奴ですか。
本当に、こちらも救われています。いつも有難う。

【 Gt. TATSUKI 】

■M1 : 空JIRA-Inst-
これはライブの入場SEでも使っている楽曲です。
僕の作曲のテーマというか芯にあるのが、明るいけどどこかせつなくて、少しだけギュッと胸がしまる曲。そんな矛盾も表現したくて「空を飛ぶクジラ」をイメージした曲です。

■M2 : 遠ざかる
ココニカカルが結成してからこのバンドで敢えてやっていなかった真っすぐな曲を書きました。空を見上げたくなるような。
これもM1と同じように、ただ明るい曲にはしたくなくて、切なさみたいなものも併せ持つものにしたかった。
壯太君が書いた歌詞にはぞくっとしました。そこには、「俺が今まで見上げた事のない空」が表現されていて、なにより、ここに彼が本音を吐き出せた事がなによりも大事。
原因は歌詞とは違っても、心がやられる時は俺も今だってあるし、そんな時にライブで全力でこの曲をやると、目頭が熱くなるんですよね。

■M3 : 心日
ココニカカルを結成する前にかいた曲です。
歌詞も自分で完成させていたんですが、いまいち伝わってる感じもなかったし、なにより披露する機会もなかったんです。
今回のアルバムの制作が始まった段階で歌詞無しのデモを送って歌詞を入れてもらいました。そもそも結成した時に、コーラス感とかも含めて彼の歌声に合うんじゃないかなと思っていたので。
アレンジも大胆に変えた部分もあって、結果的にココニカカルらしい楽曲になったと思います。

■M4 : ヒカリノアオ
久しぶりに歌詞まで書いてみました。壯太君の言葉も借りながら。
夜中まで頑張ってみてもなかなか曲もかけなくて、気づいたら朝になってて。一人になる勇気なんかないくせに、人を拒んだり。そうでもしないと自分が保てなかったりしてて。そんな時に作り始めました。
そんな中、バンド仲間に久々に会ってみたんです。そいつもすごい絶望を味わって、それでもやっと前を向けるようになったって時期で。話してたら救われたんですよね。
その日の帰り道の空が歌詞をくれました。曇り空の真ん中にほんの少し青空が見えてて、そしたらそこからみるみる光が差して青空が広がったんです。嘘みたいな話ですけど、ホントに連動して心が救われて。絶望の曲になると思ってたのに、希望を添えることができた。
まぎれもなくそばにいてくれる人たちのお陰なんだなと。この曲を聴いた人が少しでも温かくなれたら。

■M5 : no one helps
韓国人ドラマー「MYEONG-JUN(ミョンジュン)」とのコラボのツインドラム楽曲です。
「誰もやっていないことをやろう」って話と、彼とのコラボをやろう、って話が相まって作り始めました。
ツインドラムの曲なんて教科書もないし、やったこともなかったけど、そういう話になったその場でイントロのイメージは完璧に浮かびました。自由度があるけど、キメのある楽曲。というイメージで。
ただ、それ以降はかなり苦労しました(笑)
ツインドラムに負けない印象的なメロディーで、併せてギターもベースもかっこ良くないといけない。ってのがあって。
壯太君がラップやオブリを提案してくれたのもあって、今の形にぐっと近づきました。
ミックスも最終的なところに落とし込むのが凄く大変でしたね。
PVも公開してるんですが、後半の回転部分と音がリンクしてるのもチェックしてほしいです。

■M6 : 【あなたを傷つけず、勇気づけるだけの言葉を、いつも探している。】
どうしてもピアノバラードをやりたかったので作りました。
なるべく音符を詰めず、柔らかいメロディーで、でも力強く表現出来るものを目指して。
1曲に「哀愁」も「温かさ」も共存させたかったんです。
これを表現するには言葉の力が凄く重要。なんですが、デモを渡す時に壯太君に「こうゆうイメージで」って絶対言わないようにしてるんです。彼の言葉の世界に俺の言葉を介入させない、ってのが俺の中での「ココニカカルらしいいい曲」のツボだと思ってるから。あくまでも印象として伝えなきゃいけない。だからこそそうイメージしてもらえるように自分の最大限を出しました。
前のバンドでは歌詞まで書いていたので、言い方悪いですけど、自分の伝えたい事は曲で表現出来なくても言葉でいくらでもフォローできたんです。でも今はそうじゃないから曲に込めるって事を覚えられた。そんな楽曲です。
完成には自分等以外の人の力も借りました。
キーボディストの地元からの先輩にピアノ弾いてもらったり、大好きなボーカルにゲストコーラスやってもらったり。
この楽曲に限ってじゃないけど、本当に沢山の人に力もらいました。
シングル作るよりも作業量も遥かに多くて、僕自身、時間との闘いだったし。
1年やれた事、やらせてもらえた事を、こういう一つの形としてお返ししたかったし、本当に楽しみにしててほしいです。

【 Dr. ナカツカルイ 】

ココニカカルが始動して9月で1年を迎えることができました。
沢山の人に支えられました。心からありがとうございます。
森の価値観や観点、TATSUKIの綺麗な曲や誠実かつ素直さ、りょっけの真面目さ。
現実、自分の弱さ、皮肉、未だ手の届かないもの。まだそこにある希望。
挫折や苦しみ、悲観。それでも変わらない、最大の喜び。
そんな感情の起伏やメンバーを表現した、2015年に生きてた僕たちの”今”と、”使命”が詰まった、胸が苦しくて、でもいつも傍にいるような、暖かいアルバムになったと思います。
ライブと同じように、誰かの不幸せをぶっ飛ばすようなドラムを録音できました。
ココニカカル、よろしくお願いします。

【 Ba. りょっけ 】

今回のアルバムには今まで以上にココニカカルに対して、応援してくれる皆さんに対して気持ちを込めて向き合いました。
前作のレコーディングが終わってから、ドラムのルイさんとの個人練習を増やしたり、TATSUKIさんの作った曲、壯太君の歌詞を理解する事を考えました。
それでも正直、レコーディングではメンバーとエンジニアさんには本当に苦労をかけました。
でも、そこで見えてくる事がとても多くて、音楽に向き合う事の苦しみも喜びも同時に味わいました。
ライブが出来る事も、応援してくれる方がいる事も当たり前ではありません。
だから僕自身も「頑張って また明日 会えますように」ベースを弾いていきたいと思います。