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小島麻由美 interview
- SPECIAL -

小島麻由美 interview

ユルいのに明確で、絶妙でぴったりハマる。 歌謡とスウィングで作られた独創性がひらりとひるがえして魅せる上質な8ビートの側面。 新しい遊び道具を手にしたみたいに自由に描かれた音楽が詰め込まれたフルレングスアルバム『路上』がリリースとなる我らがアッパー姐さん小島麻由美の歌ににじむ自由な空気感は、彼女の感覚そのもの。 人生観、音楽観ひっくるめて気負わずに、その感覚に忠実に作られた最新作は、のっけからご機嫌に耳をくすぐるチルアウトナンバーが続く極上作品だ。

Interview & Text : 鞘師 至

―ここ数年ではお子さんのご出産もありましたが、今作収録曲の全10曲、最近作られた曲ですか?

小島麻由美 (以下 “K” ): 比較的新しい曲が多いですね。 前作のアルバム『BLUE RONDO』のリリースツアーが終わってからすぐに出すつもりだったんですけどね、気がついたらズルズルここまできてしまって(笑)。 子育てしながら合間に曲作って、溜めていっていたら結構時間がかかってしまいました。

-お子さんからしたら自分のお母さんがミュージシャンって凄いですよね。

K: どうなんだろう(笑)。 でも逆に女性のミュージシャンの方達は子供生まれても音楽続けてる方が多いし、私にとっては普通の事ですけどね。

-最近リリースされたミニアルバム『渚にて』もそうですが、今作『路上』も今までの小島さんの作品と比べてメロディーラインやビート感に自由度が増した気がします。

K: そうですね、昔からスウィングが好きで、ジャズのメロウな感じも好きで、フレンチポップも好きだし、そういう幾つかのずっと変わらずに好きなテイストもあるんですけど、ちょっと新しい事やりたくなったんですよね。 今はね、シャッフルするビートにゾクゾクする!っていうよりは、60’sっぽいガレージ感とか、8ビートが逆に新鮮で気持ちいいと感じるようになってきたんですよ。 だから自分の大好きな手癖とか、歌でも自分の十八番的な要素を一旦禁じ手にして、まずは自分がフレッシュに感じられるものを持って来ようと思って作ったのが今回のアルバムです。 そういう意味でやっぱり基軸にあるのは8ビート。 あとね、カジくん(加地秀基 / 今作Ba担当)のベースがまたいいんですよ。 絶妙なんです、耳に残るフレーズをあくまでたま〜に入れてくる感じ。 グイグイ目立ってくるんではないセンスがすごくいい。 ベース自体もギブソンのセミアコで視覚的にもまたThe Beatlesっぽくていいんですよね。

-小島さんの音楽、歌謡っぽさもあるんですが、何か全体を通してはそれこそアメリカン60’sっぽさとか、テキサス辺りのコーストサイドとかを連想させるような、日本然としたものとまた別の情景描写にも感じます。 デジタルな現代POPSとは別世界にあるPOPSの側面というか。

K: なんでこうなったんですかね(笑)。 ずっとオールディーズが好きで聴いてきたからかな。 でも最近はちょっと今っぽさがあるものが好き。 今っぽさっていうのも全くもって真新しい異種のものではなくて、古いものが今のものに化けてもっとおもしろくなったもの。 そういうものがいよいよ入れたくなって作ったのが今回アルバムの曲たちですね。 そういう古いと新しいの体現っていう意味で今回は、エンジニアさんもすごくいいんですよ。 レコーディングは最高でしたね。 やっぱりミュージシャンとか技術の人達を変えて編成してみるのっていいですね。 新しい発見がある。 今回のアルバム、私自身にとっては結構新しい今までと違うことをやった気でいるんですよ。

-自分も昔からのいちリスナーとして今回とっても新鮮でした。

K: そうでしょ!? あーよかった。 自分ではけっこうチャレンジしたんですけど、歌ってる声は急には変わらない訳だし、この違いってどのくらい伝わるのかな、って多少不安でした(笑)。

-聴く人にちゃんと伝わる気がします。 ちなみにやはりMVになっている「泡になった恋 (M8)」がこのアルバムの顔的な捉え方ですか?

K: 自分的には今回特に曲に優劣付け難いかな。 どれも本当に気に入ってるし、曲調も違うから、聴く人に表題曲を決めて欲しいかな。

-ここ最近の小島さんの音楽、お子さんが生まれてからの音楽感への影響などはありました?

K: それはあまり無いですね(笑)。 変わった事で言えば、子育てし始めてからは目に見えて時間がなくなりましたね。 音楽感は変わらずで、例えばいきなり「なんかガレージって好きじゃないわ」みたいな気にはならないんですけど、時間に追われる生活で逆に余計にガレージ聴きたい!みたいなストレス発散的な衝動は増えてるかもしれませんね。 子供が生まれて育ててみて初めて分かる母親の生活の忙しさ、これやってみないと分からないものですね。 でもね、作品は早く出したいって常に思ってはいるんですよ(笑)。 今回は4年くらいかかってしまったけど。

-ちなみに小島さんって俗世間の音楽関係なし!みたいな独創性ありますが、最近お気に入りのアーティストっていますか?

K: 全然今の音楽も聴きますよ! 最近だとThe Strange Boysとか、管楽器がヘタ過ぎて「えっ!これいいの!?」みたいな衝撃を受けるんですけど、それでもかっこいい。 あとはAlabama Shakesとかね。 今は面白いバンドいっぱいいますね。 2010年以降結構お気に入りのアーティストが増えました。

-ライブ活動としては今年はSUMMER SONIC 2014にも出演されましたね。

K: そう、サマソニ楽しかったですよ! 野外ライブ自体あんまりやらないからとても新鮮でした。 他のアーティストのライブも見れたし、もう最高でした。

-今後のライブ予定としては今作『路上』のレコ発が12月に開催決定ですね。

K: そうなんです、12月18日。 恵比寿GARDEN HALLなんて素敵なところで、しかも贅沢に2部制でやらせて頂くんです。 前半が以前のバンドメンバーでスウィング系のノリの楽曲を、後半は今のバンド編成で8ビート系のノリの楽曲を、それぞれグルーヴの違うセットでやります。 もう今からとっても楽しみなんですよ。

-来年は遂に活動20周年。 レコ発ライブ以降にも何か考えてますか?

K: リリースもね、気持ちとしては半年ごとくらいにどんどん出していきたいんですけどね(笑)。 その時のペースでやりながら、今回のレコ発以降来年もまた、できるだけ早くに皆さんに会えたり聴いてもらえたりするタイミングを作っていきたいなと思ってます。 やっぱり聴いてもらって感想もらえるのは嬉しいですしね。 これからもばっちりやりますよ。