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そこに鳴る interview
- SPECIAL -

そこに鳴る interview

“メタル””アニソン””歌謡曲”と混ざり得なかった音楽達が
“そこに鳴る”の手によって1つの音楽の中に閉じ込められた
“複雑かつシンプル”で”新しいのに懐かしい”
テクニカルポップワールドに僕達は覚醒させられる

―今作の『I’m NOT a pirorian』はタイトルにはどういった意味があるのでしょうか。

鈴木重厚(Gu./Vo 以下、重厚):『I’m NOT a pirorian』は”ピロピロ”しているねとか”テクニカルだね”と言われる事が多いところからつくった造語です。

―その名の通り”ピロリアン”なタッピングのユニゾンから始まる今作はもう壮絶な幕開けですね。

重厚:実は、あのフレーズの半分くらいは開放弦で、実際のところそこまでテクニカルな事をしていなくて、そこに対する皮肉っぽい意味合いも込めて、あえてこのタイトルを付けています。
また、そのセクションは「pirorhythm stabilizer 〜only your world〜」のMV制作の中で、唯一要望したところで、フロントマン2人が背中を合わせてタッピングのユニゾンをするシーンがあるんですが、そこを強調しています。

―”タッピング”という、メタルなどでも良く用いられている手法を取り入れながらも、和メロを取り入れたりどこかキャッチーにも感じられるよう制作されている印象があります。
サウンド面でも、楽曲の中に隙間なく音が敷き詰められている様に感じますが、どのように楽曲制作しているのでしょうか。

重厚: 聴く人が飽きてしまわないように意識してはいます。
僕自身、J-POPの音楽もとても好きで良く聴くのですが、J-POPの様にAメロ、Bメロ、サビの変化の無い同じものの繰り返しに飽きてしまう自分もいて、変化する部分や聴く人をハッとさせる瞬間を意識してつくるようにしています。

―なるほど。
バンドサウンドも鋭角で激しく、一見ポップな部分とは正反対に位置しているイメージがありましたが、そこに乗っているボーカルは歌謡曲のようにすごくシンプルな要素もあり、楽曲の完成系をみるとすごくポップにも聴こえて、そこが個人的には一番ハッとさせられました。

重厚:特にメロディーについてなんですが、個人の主観に基づいて大部分が作られてしまうと危険だな、と感じることが多いんですね。天才的なセンスや才能がない限り特に。また、自分自身がつくるものに絶対的な自信は無いですし、絶対に良いという何の根拠もないですし、正直自分自身の主観ほどアテにならないものはないなと感じています。
ですので、メロディを作る場合は何かしら客観的な基準を設けたいと思っていて、その基準として使っているのが”アニソン”だったりしています。
“アニソン”を基準として設ける理由としては、やはり今の日本のバンドのシーンのメインの客層とアニメ市場の客層ってけっこう被っているように見えますし、初音ミクの台頭もあって、アニメとバンドの市場の繋がりは浅くはないものになっていると感じるからですかね。

―シンプルかつ大胆な発想ですね。

重厚:イントロは”スラッシュメタル”で、Aメロは”KEYTALK”であったりと本当に節操がない感じで制作しています。
そのあたりに関してのプライドやこだわりは特にないので、既存のものを取り入れる事に関しては全く抵抗がないです。最終段階でいいものになればいいと思うので。
ただ、自分自身では節操なくごちゃまぜにしててもやっぱり凛として時雨のコピーバンドだったころの影はみえるようで。(笑)
そういう時に一層自分の主観的感覚がアテにならないことを痛感します。

―既存のものを取り入れているという事を堂々と言えるという事は、逆に言うと今、”そこに鳴る”がつくりだす音楽にすごく自信を持っているのかなと感じました。すでに多くの人が評価しているものを取り入れながらも、更に様々なオリジナリティある要素を取り入れて、”そこに鳴る”というアーティストの音楽ができているのかなと感じます。
今作の冒頭の”ピロリアン”フレーズもそうですが、全曲イントロにも相当拘っているなという印象がありますが、意識している点はありますでしょうか。

重厚:アルバムを聴いていて、イントロの冒頭だけをちらっと聴いてどんどん先送りして聴いていく事ってあると思うのですが、イントロのフレーズが他の曲と被っているように思われてしまうものをつくりたくなかったんです。イントロはわかりやすく派手にするように意識しています。

―M4「真実の花」の極厚のベースから入るイントロは女性ベースとは感じられないですね。ワンピースを着られていて、ガーリーな印象が強いですが。

重厚:それは完全に我らの術中にハマっています。(笑)

―(笑)
M5「さらば浮世写し絵の如く」では懐かしさを感じる和メロを取り入れて、”新しいのに懐かしい”という印象を感じます。

重厚:”懐メロ”というのは、まさしく日本人が感じる普遍的なものだと思っていて、楽器の音で混み合っている分、メロディーはわかりやすくしようと意識しています。
僕のつくる音楽は大抵足し算しかできないので、良いと思うものを節操なく加えて混ぜてできたものが”そこに鳴る”の音楽だと思っています。


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