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A11yourDays interview
- SPECIAL -

A11yourDays interview

活動開始間もない頃からネット上にアップされた楽曲が話題を呼び、ノンキャリアにも関わらず、過去にはap bank fesやイナズマゲート等にも出場を果たした5人編成エレクトロ・ポップバンドA11yourDays。 パワーポップ的な香りをさせるフレーズが溶け込むサウンドは、ライブ活動を共にする周囲のギターロックバンド等とはまた違う、独特なポップセンスからくるものだ。 都度業界関係者からも注目があった事から、右も左もわからずひたむきに活動する彼等は、純粋な音楽制作やライブ以外でも、取り巻く環境との付き合い方などで揺れた時期も経験し、それでも自分たちの音楽から目を背けず、浮足立たずにしっかり地に足をつけて活動続ける事を望み、一歩ずつバンドを進めていく事を選んでいった。 メンバーチェンジと、昨秋に初のプロダクション所属を経て体制新たに彼等の望み通り、飛び級なし、一段ずつ自分たちで確かめながら前進していく準備は整った。 2nd mini Albumとなる本作『I』を以ってバンドの第2期を迎える彼等の中から、コンポーザーのSOGYON(Vo), UK(Key)の2人に話を訊いた。

Interview & Text : 鞘師 至

—— 遂に2nd mini Albumリリースという事ですが、前作を出したのが去年の3月でちょうど1年振り程。 今回のリリースまでに色々ありましたね(笑)。

■UK( Key 以下”U” ): 色々ありすぎて…それを乗り越えてやっとリリースできてホッとしてます (笑)。

—— A11yourDaysがまだライブをやり始めたばかりの時からeggmanには出てもらっていたからこれまでの経過を都度聞いてきてたけど、今の事務所に入ってこのチーム編成に至るまでが本当に激動だったかと。 メンバーチェンジもあったし。

■SOGYON( Vo 以下”S” ): 最初このバンドを結成した時はドラマーが別にいて、その半年後くらいに加入したのが今のKohey(Dr)なんですけど、やっぱりバンドマンとしての人間関係を1から作り直すのがとても大変でしたね。 Koheyはバンドを組む事自体が初めてで、僕も同じく初めて組むバンドがこのバンドで。 お互い一緒に成長していかなきゃなって思ってました。

—— レコーディングを乗り越えるとチームワーク良くなったりするもの?

■S: そうですね、メンバー間の仲はもちろんなんですけど、どちらかというと技術面に関しての結束が高まった感じかな。 まだまだ演奏は未完成だと思ってるけど、今回の制作期間を経て乗り越えようとしていっている段階ですね。 それはライブに関しても同じで、どうやって良くしていこうかって、試行錯誤しながらやってます。 前作ではミックスやマスタリングに立合わずお任せにしていたんですけど、今作で初めて立ち会わせてもらって。 事務所の社長でもあるYUTAROさん(※)と一緒に、何度も音を確認して意見を出し合って作ったので、すごく時間がかかったけど、第三者の意見を取り入れてやっていくと今までになかった音楽的な「A11yourDaysの枠」みたいなものが自分たちで見えてきた感じがするんですよ。
■U: 元々みんなが好きな音楽や聴いてるジャンルがバラバラなんですけど、YUTAROさんがそれをまとめてくれて、“この道が「A11yourDays」なんじゃないか?”って提示してもらえたような気がします。ここに向かっていけば大丈夫だ、って思える説得力があって。

—— 当初他にも色々な会社から契約のオファーがあったと思うんですが、今の事務所に決めたきっかけは?

■S: 他の会社からもいろんな条件でオファーを頂いて、今の事務所よりもいい条件を出して下さったところもあったんですけど、音楽を一緒に作っていくパートナーとして考えた時に、会社とバンドっていう関係じゃなくて、人と人としてまず心を開いてくれたのがYUTAROさんだったんですよ。 A11yourDaysと一緒に事務所も成長していきたいって言ってもらえた事が本当にグッときましたし。 たまに酔っ払った勢いで電話するんですよ。「俺はYUTAROさんの事めっちゃ好きなんです、一緒にでかくなりたいっす!」って。 「そうだね、うん、そうだね」ってあしらわれますけど(笑)。

—— メンバー以外にも良い出会いがあったって事ですね。 今作収録曲は、ライブで既にやっている曲もありつつ、最近の曲も入ってる感じ?

■U: ライブで既に演奏してる曲が3曲、今回新しく作ったものが4曲です。

—— リード曲「POOL」(M1)はUKさんが作詞・作曲担当。 歌詞はどんなことに焦点をあてて書いたもの?

■U: この曲は、サビにもあるんですけど「道しるべなんてなくても大丈夫でしょ!」って気持ちを書いた曲です。

— 少し前の自分たちに言い聞かせてるような感じすね…(笑)。

■U: そうかもしれないですね…(笑)。 
■S: 曲調はポップですけど、歌詞はけっこうパンクかな(笑)。

—— UKさんは曲を書く時は鍵盤の弾き語りから作っていく感じ?

■U: 基本的にはまず歌詞のイメージを作って、そこから曲を膨らませていく感じですね。 言葉の世界観が先なんですよ。 

—— なるほど。 また、もうひとつのリード曲「FEEL THE FREE」(M2)はSOGYONさん作詞・作曲ですが、SOGYONさんはUKさんとまた違う作曲方法だったりするんですか?

■S: 僕はギターでメロディーを出して、ざっくりとしたデモができたら頭の中でその音から景色を浮かべる感じ、って言えばいいのかな。 そのイメージを音で具体化できるようなギターやドラムのフレーズを肉付けしていくんですよ。 プラモデルを作るみたいな感じですよね。 最初に設計図となる風景を思い浮かべて、そこから足をつけたり手をつけたりって組み立てる作業が各楽器のフレーズを乗っける作業、みたいな。 そしたら出来上がったオケに対してまず先に曲名をつけて、そのイメージでまたそこに歌詞をつけていくんです。 
■U: この曲に関しては当初のイメージからはだいぶ変わったよね、元々SOGYONがデモを持ってきた時は結構ロックな感じだったんですよ。
■S: ビート感がしっかりある曲にしたくて、その中でエレキギターの音を差し引いたりしていったら、今のすっきりした感じにまとまりました。

—— 作詞作曲を担当するメンバーが複数なのもあってなのか、今作は他の曲も含めて、曲ごとのカラーが本当に豊富ですね。 ちなみにアルバム制作全体で手応えを感じたところはどこですか?

■U: YUTAROさんが入ってくれたことでアレンジが大きく変わったのが一番大きいですかね。 前作よりもさらにサウンドがまとまった感じがします。

—— 前作『you,』はバンド名に込めた意味と同じように、聴いてくれる人たちをイメージしたものだったって話がありましたが、今回『I』という対局のタイトルにしたのはどんな経緯から?

■S: 『you,』をリリースしてからの1年間でお客さんから気付かされたものがあって、そんな“あなた”がいてくれるから自分たちの存在がある、っていう意味合いを込めました。 『you,』からできた『I』、これは作品的にもそうですね。

—— バンドの経験値としても前作『you,』を経てこそできた今回のミニアルバムって事ですね。 今回の作品を経て、これから先のA11yourDaysはどういう存在でいたいと思っていますか?

■S: やっぱり唯一無二でいたいって事ですね。 ゆくゆくは誰かに“初めて聴いた日本のバンドは「A11yourDays」です”って言ってもらえるようなワールドワイドなバンドになりたいかな。 あとは超具体的に言えば、5年以内にROCK IN JAPAN FESTIVALのGRASS STAGEに立ちたいですね。 こういうのって言わないと始まらないから、ここで宣言しておきます(笑)。

※「YUTARO」… A11yourDaysが所属するART LOVE MUSICの代表取締役社長兼、ベーシスト。 現在はsadsのメンバー、シシド・カフカのサポートとして活動。