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AIR SWELL
- SPECIAL -

AIR SWELL

生きていたら色んな事があって、色んな感情が脳内を交差する。
歌詞に嘘はつけないと話すAIR SWELLだからこその人間味のある
2枚目のアルバム「THE ART OF PSYCHO」。
当たり前の日常の中にあるムカつく事に中指を立てて何が悪い。
最高のアルバムだって事は、我々編集部が保証するから
2000円握りしめてタワレコ行け、AIR SWELLだ良く覚えとけ!

interviewer:YUMA

–「THE ART OF PSYCHO」発売おめでとうございます!

AIR SWELL:ありがとうございます。

–衝撃のデビューから約10ヶ月ぶりのリリースとなりますが完成してみてどうですか?

HAMAKEN(Vo,Gt):毎回そうなんですけど、今回意識したのは自分達にしか出せないような音っていうのを出したいっていう事で前作よりも自分達の色っていうのは出せた1枚になりましたね。ラウドでもロックでもパンクでもあるんだけど、こういう唄い回しはこのジャンルではやらないでしょ?って言われるような違うジャンルでの唄い方を組み合わせてみたり取り入れてみましたね。

–言われてみるとそれはすごく感じますね。

HAMAKEN:前作でもそういう部分は盛り込めたかなとは思ってたんですけど、わりと一般のリスナーからしたら分かりづらかったのかなとか、誰々に似てるとか言われるのが自分の中で、そう?って思う気持ちが強かったから今作はもっと分かりやすく違う事しているって言うのを更に意識しましたね。

–4曲目に入っている”once again”は唄い回しがすごく面白かったです。

HAMAKEN:実は元々、クラブシーンで唄ってた事もあったんですよ。だからその頃のR&Bライクな引き出しを出せたっていうのもありますね。曲の中でもBaのTAISUKEにパンクとかロックの中で入ってないようなフュージョンライクなスラップをあえて入れてもらったりとかして仕上げられたアルバムですね。

TAISUKE(Ba):だいぶ個性詰ってるよね。濃縮されているというか。

HAMAKEN:だけどメロディーはキャッチーっていうのを大前提に置いて個性はあるけど分かりやすい、聞きやすいっていうアルバムを作ったつもりです。

–AIR SWELL節が進化して炸裂されている曲からジャンルってなに?って思うくらい新しい面を見せてくれる曲まで幅広いアルバムになっていてとても楽しめました。毎月、曲発表してよって思うくらい良かったです。

HAMAKEN:それは大変ですね(笑)。

TAISUKE:今回のレコーディングも入る日程の2日前までプリプロやってましたからね。本当にギリギリまでやってレコーディングしましたね。

HAMAKEN:レコーディングで初めて合わせた曲とかもありますからね(笑)。

–それやばいですね。今回制作するに当たってこだわった部分などありますか?

HAMAKEN:モットーというかテーマなんですけど、等身大の事を言うって事と、いかにそれをカッコ良くのせるかいう部分ですね。ロックバンドがカッコいいのって当たり前だと思ってて、その大前提だけじゃなくて面白いというかユーモアのあるものを作りたいって思ってますね。英語っぽく聞こえるけど日本語っていう前作で言う所の”アンビヴァレンス”みたいな曲も今作で入れてます。

–ありがとうございます。そろそろ曲について聞かせてください。1曲目の”I will pay back”ですがAIR SWELL中指立ててるなーと感じました。この曲は、どんな想いで作られたのですか?

HAMAKEN:中指たててますねー(笑)。僕、詞に嘘は書かないんですけど、この曲はプライベートですげー嫌いな奴がいて…(笑)。28年間生きてきて、ここまでダサイ奴初めて会ったわってくらいの奴に出会って、そいつに届けば良いなって思ってますね。

–じゃあ名前教えてくれれば書いておきますけど…(笑)。

HAMAKEN:あははは(笑)。

–でもムカつく奴ってだいたい無視しますよね?曲にしちゃうのって面白いなと思いました。

HAMAKEN:なんて言ったらいいかな。終わり際が不完全燃焼だったんですよ。俺がムカつくって言ってる奴はわりとスッキリしていると思うんですよ。こっちだけ綺麗に収まらなかったから自分に対してのセラピーと言うかスッキリさせる為の一貫っていうのもありますよね。

–PVもとてもカッコ良かったです。レコーディングお邪魔した時に話に出ていた鉄パイプも採用されていましたね。

TAISUKE:ただのヤンキーですよね。PV見た時も思いましたわ。

HAMAKEN:最近のPVってスタイリッシュなものが多いなと思ってて、僕らのPVはちょっとグランジーな泥臭いものに出来たらなと思って撮ってもらいました。

–2曲目の”Who are you? Who is this?”ですが前作のTOUR FINALで披露もされてましたし、この曲にはマジでハマってしまいました。キャバクラの話だと思うんですが、この曲はどんな想いで作られたんですか?

HAMAKEN:結成してもう8年くらいになるんですけど昔は本当に人なんて入らなかったし自分達でかき集めてたんですよ。ちょうど1stをリリースした時に何回電話とかしてもシカトだった先輩にデビューしたのか、飲みいこうぜって誘われてキャバクラに連れていかれたんですよ。その時に俺の世話してる後輩なんだよねってキャバ嬢に話してて、キャバ嬢もアーティストって分かった瞬間にカラオケ歌ってよっていうじゃないですか。だから誰が唄うかボケって思って書いた曲です(笑)。

–途中の歌詞で出てくる『2000円握りしめてタワレコ行け、AIR SWELLだ良く覚えとけ』ってワードが印象的でした。

HAMAKEN:2コーラス目は、キャバ嬢に対して唄ってるんですよ。そいつもねぇ歌って歌ってって言ってくるからカラオケ券買わせたいだけだろって思って。だったら2000円握りしめてタワーレコード行ってこいと。

–その状況、本当にCD買って欲しいですよね。今度マンスリー内でHAMAKENさんをキャバクラに連れて行く企画コラムみたいのやりましょう(笑)!経費で。

HAMAKEN:それいいっすね(笑)!マネージャーもついてきちゃいそうですけど(笑)。

–“LAST DANCE”は仲間の背中を押している歌詞に見えました。コーラスでも仲間が参加しているみたいですし、ちゃんとリンクしてるなと思いました。

HAMAKEN:何もしないのに神頼みの人っているじゃないですか。例えば神様は信用してるけど仲間の事は信じてない奴とか。近くにいる奴ら信じないで何信じてんだよって思ったし、もっと足下固めていこうぜっていうのをカッコ良くまとめました。

–コーラスもキャッチーだし、いろんな仲間の声が入ってるのが印象的で今の話聞いてまさにリンクしていると思いました。

HAMAKEN:曲的にもパッと聴くとパンクかなって思うかもしれないけど、ハウスの要素も組み込んでいるんですよね。最近のロックってエレクトロっぽい要素が多いと思うんですけど、そういうのよりももっとキラッとしたハウスの要素を入れたかったんですよ。

–3人の曲を聴いているといろんな要素が入っているし、今まで生きてきた中でいろんなジャンルの音楽を聴いて、一人一人ルーツがありながらそれを消化して今の「AIR SWELL」というバンドになっていると思うんですけど、どうしてその表現のメインのジャンルはパンクやロックを軸に表現しているんですか?

HAMAKEN:そうやって言ってもらえて嬉しいですけど、そんなに思ってる程聞いてないんですよ。元々は「INCUBUS」とか「NOFX」とかが好きでむしろそこしか聞いてなかったです。昔、アンケートで「INCUBUS」っぽくてカッコ良かったですって書かれた時にすごく嬉しかったんですけどある時、彼等のコピーバンドか本物の「INCUBUS」だったら本物聞くよなって思って…。それから色んな音楽を聴くようになったんですけど、曲作る時の最終的な引き出しってロックしかないんですよね。ロックって自分が一番通ってきたジャンルだから、そこが一番詳しい訳で、そこを使うしかないんですよね。スリーピースだし。だから最終的にロックになっちゃうからロックを作らずに全然違う方向性のものを入れて作ろうって思って、出来たものをアレンジしていたら今の「AIR SWELL」になりましたね。

–“once again”はAIR SWELLではここまで2ビートの曲は珍しいですよね?

HAMAKEN:あー。確かにそうですね。

–ここまで素直に2ビートだけで行こうとするのかって思いました。

HAMAKEN:元々はメロコア上がりで2ビートばっかりだったんですよ。この曲は、ノリやすい曲もあっていいんじゃないかなって思ったのもあって、それも引き出しの1つだしなって思ったんですけど、一番の理由はメロディーに乗った時に2ビートがしっくりきたんですよね。2ビートの曲を作ろうって思った訳じゃないんですよ。

–歌も細かく歌詞が入っていて唄うの大変だろうなと思いました。

HAMAKEN:そこはもう、慣れですよね(笑)。2ビートだけど歌のメロディーの部分は16分音符の所でわざと切ったりしてるから、そういう所で「AIR SWELL」にしか出来ない曲にはなっているかなと思いますね。

–ラスト”イノチノトキ”はバラードですよね?これはどんな想いで作られたのですか?

HAMAKEN:バラードに聞こえますやっぱ?バラードっぽく作ろうとは思いましたね。これはすごい自分が鬱な時に書いた曲で、割と明るい人間なんですけど1人でいるとすごいくらい人間なんですよ。

–それ誰しもがそうですよ(笑)。

HAMAKEN:あはは(笑)。家帰ってまで明るい奴なんていないですよね。いろいろ考えてた時に、疲れちゃっている時期もあったりして自分の人生的な所もそうだし、不安とかもいっぱいあるしそういう部分がこの曲になりましたね。すごく死について考えるタイプで、死んだら霊になったりするって言いますけど、そういうのは信じれなくて。霊になれたら思考があると思うから良いと思ってて、霊じゃなかったらそれすらも、考える事も出来ない訳じゃないですか。死んだら感情すら持てないと思うんで、そういうものに対する恐怖だったりそうなる前に自分が満足いく生き方をしたいっていうそういう歌です。

–アルバムタイトル「THE ART OF PSYCHO」のタイトルの意味はなんですか?

HAMAKEN:これは”凶器の上に成り立つ芸術”って意味です。自分がこのアルバムの曲を並べた時に感じた印象で、キャバクラ行った事を曲にしている奴なんていないじゃないですか。なに?って思ったら鬱な曲とかムカついている曲があったり人間味のあるアルバムだなって、こういう事を全面的にわざわざ歌っている奴っていないんじゃないかなと思ってこのタイトルにしました。

–では最後に全然喋らなかったYUDAIさんにまとめて頂こうと思います。2枚目のアルバムを出して今後の更なる目標は何ですか?

YUDAI(Dr):フェスに出たいです。(すごく小さい声で…)

HAMAKEN:全然まとまってないですね(笑)。前作は聞き入る曲が多かったと思うんです。ツアーしてて感じたのは、ライブでアガりたい人も多くいるんだなって思って、今回はキラーチューンを多めに入れたつもりです。今作のツアーだけど前作の曲と混ぜ合わせたセットリストになると思うし、2枚分の曲を盛り込んだパンチのあるセットを組めると思うから今回もガッツリツアーを回って「AIR SWELL」というバンドを全国に浸透させて成長して帰ってこれたらなと思います。