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ircle
- SPECIAL -

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“ircle”。「今ある世界に新しい風穴をあける」という意味がこめられている。
そんな彼らの今作「さよならリリー」はその名の通り今現在の”ircle”がぎっしりと詰まっている。そんな彼らにインタビューを敢行した。

interviewer:Shoko Ishikawa

–本誌初登場と言う事で、まずは結成の経緯から教えてください!

(Vo&Gt)河内健悟(以下/河内):中1か中2で結成したのですが、ちょっとそこが曖昧です。

(Gt&cho)仲道良(以下/仲道):俺と河内は最初二人でフォークデュオをやっていて、文化祭に向けて練習していたんです。そしたら河内が「バンドでライブをやりたい。」と言いはじめて。

河内:で、良く街でケイト(荘田)を見かけていたので、とりあえず声を掛けてみました。

(Dr)荘田恵人(以下/荘田):全く仲良く無かったんですけどね(笑)。

–みんな同じ中学だったのですか?

荘田:そうですね。みんなクラスとかはバラバラだったんですが、やっぱり田舎なので、行くところがなくて(笑)。

河内:俺は駅か、明林堂(本屋)にしかいなかったですね(笑)。で、良く会っていたんで「ドラムやってくれ」って言いました。

仲道:正しくは「買ってくれ」でしたね。

–荘田さんは元々ドラムが出来たのですか?

荘田:いや全く。バンドって何?っていうレベルでした。地元の別府には、地区に一個温泉が有るんですけど、そこでほぼ毎日仲道に会って、ギターの話とかを聞いて、バンドってそんなものなんだな(笑)。と思う程度でした。

河内:メンバーの中でケイトは一番音楽に無縁でしたね。

―伊井さんはどんな感じで「ircle」に加入したんですか?

河内:当時、学年でなんとなく放課後にギターを弾くのが流行っていたのですが、その中に伊井ちゃんがいて、少しギターを弾けたので、そのままメンバーになったって感じでした。

荘田:やんわり組んだわりに、その頃からオリジナルとかも作っていたので、自然と中学卒業してもバンドしていましたね。

–結成から12年なんですよね。

仲道:人生の半分バンドをやっているということになります。

–いつぐらいから今のような曲が出来始めたんですか?

河内:それがさっぱりわかりません(笑)。でも、元々今のような音楽はしていたと思います。

荘田:2010年に発売したmini album「μ(ミュー)」の中にある〈lightning〉という曲は、高校の時に作った曲です。

(Ba&cho)伊井宏介/(以下/伊井):昔は今に比べて、ポップな曲が多かったですね。

–そしてnew mini album「さよならリリー」リリースおめでとうございます!!出来た作品を手にとってみてどう思いましたか?

河内:今作は歌詞やメロディー面で新しい要素を取り入れられて、かつシンプルなアルバムになったと思います。

伊井:前作の[夜明けのテーマ]はircleの名刺代わりになるような、作品だったので、今作は新しいものになりました。

仲道:[夜明けのテーマ]はわかりやすい俺等のロック面を出した三曲なんですが、前作を作り終わったときに、もっとバンドとして幅のある作品を作りたいと思っていていざ制作に入ったらそういう曲が自然と出来ました。

荘田:ライブを常にイメージして制作しているので、ライブでこんな曲が欲しいとか、あんなジャンルの曲が欲しいなと思ったのを自然と作った感じです。それを集めてみたら、幅の広いアルバムができました。

–一枚を通してすごく夏を意識させるような作品だなと思っています。

河内:でも意外とスルメなアルバムを作ってしまったなと(笑)。

–それはどういうことですか(笑)?

河内:夏のイメージってビーチでアゲアゲ★みたいな感じじゃないですか。このアルバムに関しては、夏の夕方ってイメージです。水着っていうより浴衣。

一同:おぉ〜(笑)。

―「after school planet」(M:1)は情景が浮かぶようなメロディーと歌詞がマッチした曲だと思うのですが、どうですか?

河内:仲道が流れを持ってきたんですが、最初はこんなに〈二人〉推しではなかったです。全体で作っていった時に、元々爽やかではあったんですが、大分夕暮れ感は出ましたね。

仲道:そのまんま放課後イメージです。

河内:こんなにキラキラな作品になると思いませんでした。

–ircleが〈二人〉とか、こういう歌詞を書くのがとても新鮮です。

河内:この「after school planet」(M:1)は仲道との合作なんですが、僕は書かないですね。〈二人〉とかは。

仲道:今までは、[これが河内のボーカルだ!]とか[これがircleだ!]という頭で作品を作っていたのを、今回は一、作曲者として自然と作ったので、こういう歌詞になったというのもあります。

–「バタフライ」(M:2)はリード曲ですね。

河内:そうですね。スピード感もあるし、わかりやすいロックな曲だと思います。

荘田:僕たちの中で今作の中からリードを決めるのがとても難しくて。今回、リードは第三者に聴いてもらって決めてもらいました。

河内:今まではそういう事をしなかったんですが、大分周りに信頼出来る人が増えたので、第三者の意見も取り入れられる様になりました。

仲道:この曲は前作の流れを持った部分だと思います。

–わかりやすいロック面が出ているということですか?

仲道:そうですね。前作を知っている人は、この曲は入りやすいのではないかと思います。

–作曲は主に誰がしているんですか?

河内:今気づいたんですが、今作に関しては前3曲が仲道で、後ろ4曲が僕ですね。

–「那由多の風」(M:3)の那由多っていうのは?

仲道:ものすごく大きい数の単位です。

荘田:この曲はこのアルバムの中では一番最初に出来た曲です。メロの音数が多くて、音に浸食されている感じもとても好きですね。サビの開放感とかもバンドらしくて。

–「桃源郷」(M:4)はアレンジも面白いですね。

仲道:バンドとして面白い事ができたと思っています。曲の途中に中国イメージなフレーズが入っているんですが、最初伊井くんがそのフレーズを持ってきてくれて、それが良いスパイスになりました。絶対はまらないだろうと思っていたんですが、聴いてみたらすごくしっくりきました。

–河内さんの歌詞は世界感が独特ですよね。「ミニブル」(M:7)ってどんな意味ですか?

河内:タイトルがキーになっているので、ヒントだけ言うとすると「ミニブル」ってライブで使用するライトの名前なんですよね。どういうライトなのかは調べてみると、歌詞も飲み込みやすくなるかと思います。

–おすすめの一曲をメンバー一人一曲教えてください。

河内:是非ライブが好きな人には「ミニブル」(M:7)を聴いて欲しいです。

伊井:僕は曲というより嘘つき少年より」(M:5)の最後から「カゲロウと夏」(M:6)のイントロまでの間が好きです。ライブでアレンジするのを考えると楽しみだし、この間はエンジニアさんから案をもらったんですが、すごく直感で良いなと思いました。

仲道:「桃源郷」(M:4)です。アレンジもすごく凝った事をしているので、是非何度も聴いて欲しいです。

荘田:「那由多の風」(M:3)ですね。風感を意識したので、風を感じて欲しいです!

–ライブでは本当に熱量があって本当に色んな人に観てほしいと思っています。

荘田:やっぱり、ライブハウスでライブをするバンドって何かしらを伝えたくて、ライブをしていると思うんです。

河内:盛り上がっている人だけが聴いているというより、静かに聴いている人にも伝えたいとは思っています。

仲道:ライブは自由な空間なので、静かに聴いている人も何かしらは伝わっていると思うので。

―曲を伝えるという大切さをしっかり持っているのですね。

河内:常にそれは考えています。

仲道:より伝えたいという思いを純粋に考えた結果、今のようなライブになったのかなと思います。

伊井:昔は暴れれば良いと思っていたり、絶対手を挙げさせたいとかあったんですが、今は引き算を意識してライブしています。曲を聴いてもらえて、かつ伝える為の良いバランスを見つける事が大事だなと思っています。

–皆さんにとってライブとはなんですか?

河内:俺は全神経を使って、唯一自分自身がキラキラできる場所ですね。

仲道:アンサンブルするのは楽しいですね。すごくシリアスな曲でもアンサンブルを感じてついニヤニヤしちゃいます。2、3年前まではそういう楽しみ方が出来なかったので。やっと周りを見れるようになったというか。呼吸を合わせるのがとても楽しいです。この楽しさもお客さんに、伝えられればいいなと思います。

荘田:ライブハウスに来ている人って、何かしら悩みを抱えていたり、疲れていたりすると思います。でも、ライブに来る事によって楽しい事を共感したり、ストレスを発散してもらえたらいいなと思います。そのお客さんの気持ちを感じ取れた時や、共感を得られた時は〈あーこれこれ!〉と思いますね。

伊井:僕は健康の為の運動です(笑)!!

–ある種のスポーツですね!

伊井:なんかすごくカロリーを消費するみたいです。

荘田:お客さんにも言えると思うんですが、騒いで、汗かいて、歌って時には泣いて。これってさっきも言ったストレス発散に繋がると思っています。

–河内さんライブ中に髪の毛むしりすぎてそのうち禿げそうで心配です。(笑)

荘田:あれは胞子です(笑)。

河内:たまに写真で見るとすごいですよね(笑)。つい癖で、手持ち無沙汰の時にしてしまうんですけど、でもあれはあまりやらない方が良いのかもしれないな(笑)。

–それはどうしてですか?

河内:歳なので(笑)。

―リリースツアーも7月からありますね!!初日は福岡でワンマンですね。

河内:福岡でワンマンをやるのは初めてなので、楽しみにしてくれている人も多いと思うので、楽しく過ごして欲しいと思います。

伊井:大学時代に4年間住んでいた町なので、感慨深いです。

–最後に読者の方に一言お願いします!

荘田:この夏はこのアルバムを聴いて、ライブハウスに足を運んでもらいたいです。そして思い出になればいいなと思います。

伊井:最後に今日は20分遅刻してすみませんでした(笑)!!

–いえいえ!ありがとうございました!!