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Amelie interview
- SPECIAL -

Amelie interview

Amelieから新作『ドラマチック』が届いた。
バンドとしての確かな成長と充実感。それを如実に体感できる今作は間違いなくAmelieを更なる高みに前進させる大きな武器となる。
作詞作曲を担当しているmick(vocal,Guiter,Piano)と直人(Guiter,Chorus)の二人に話を聞いた。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

-『グッバイ&ハロー』で全国デビューしてから約1年ですよ。早いですね。

mick(写真中央右 Vo,Gt 以下…m):とんでもない早さでしたし、なんだかはるか昔のことみたい。今こうやって改めてリリースしたときのポスターを見るとすごくそう感じますね。eggmanでワンマンやったのとかまだ半年前ですもんね。相当濃密な時間を過ごしました。

直人(写真中央左 Gt,Cho 以下…直):濃すぎるくらい濃かったですね。

-自分自身で変化など感じますか?

m:ライブの時を含めて周りのみなさんの反応は変わったなと感じます。アウェー感でどうしようもないみたいな会場がなくなりました。今までももちろんライブは楽しかったですが、最近さらにライブの楽しさを知ることができている感覚はあります。

直:いろいろなイベントに呼んでもらうこともすごく増えましたしね。

m:先日SKULLSHIT主催の“骸骨祭り”という幕張メッセで開催したイベントに呼んでいただいたのですが、1年前では全く想像もしていなかった世界でした。1年でこんなにもいろいろなことが変わるんだなぁって。

-レーベルメイトのsumikaに先日インタビューしたときに、片岡くんも同じようなことを言っていました。

m:1年という期間に夢がありますよね。2017年が終わるときはもっともっと良い状況になっているように頑張りたいです。

-その足掛けとなるべくリリースされるのが今作の『ドラマチック』ですよね。

m:まさにAmelieの2017年を占う1枚です。今までAmelieは陰と陽、2面性というものを重視してきた部分が結構強かったのですが、今作はもっと幅広くて。

直:今mickが言ったように2面性にこだわってきた部分があったんですが、もっといろいろなことやれるなって思えてきて。

-僕もそれを感じました。アルバム、両A面シングルという2枚で表現されてきた2面性れを研ぎ澄ましたというよりは、別の角度に一歩踏み出した印象で。Amelieにとっても勝負作品ですよね。

m:喜怒哀楽とかいろんな感情・表情があることってすごく劇的だなと感じたんですよね。きっと2、3年前とかのAmelieではたどり着けなかった感覚で、『グッバイ&ハロー』をリリースして、いろいろな活動をしていく中で、たくさんの場所に行き、たくさんの人に出会い、たくさんの感情の揺れ動きがあって。そんな中で少しずつバンドに自信を持てるようになったのかなと思います。この作品が完成して、今までとは変化した感覚があったんです。以前は光を求めて這ってでも闇から抜け出すみたいな感覚だったんですが、今は少し光が見えてきていて、バンドとして前進できている実感があるからこその今作なのかなと。

直:それは僕も感じますね。その感覚を経て今までのAmelieになかった多面性というものは表現できたかなと思います。完成した時にみんなで虹みたいだねという話も出たくらい。

m:しかも7曲だからちょうど7色だよね。

-確かにそうですね。

直:今までって少し気持ちの部分で縛られていた部分があったかなとも思うんです。2面性で勝負しなきゃいけないみたいな。

m:こうじゃなきゃいけないと思っていたところからこれでもいいんだって思えるようになりました。良い意味でなんでもいいんだって。Amelieというバンドが発信すればそれはAmelieの物ですしね。

-その感覚にたどり着けたのはバンドとして非常に大きな一歩ですね。しかもこれだけのボリュームで1280円は安すぎですよね。驚きました。

m:本当ですよね(笑)。でもこの値段にすることによって手に取りやすくはなっていると思うので、より多くの方に届いてほしいなと願っています。

-収録曲ついても聞かせてください。まず1曲目はシングル曲として発売された「君が為に鐘はなる」。今回はAlbum verとしてORESKABANDとのコラボレーションでホーンセクションが入っていますね。

m:ホーンセクションめちゃくちゃ良いですよね。

直:ここまで変わるとはね。想像以上の物になりました。今までこうやってバンドに違うエッセンスを入れたことがなかったので、すごく新鮮でした。

m:ホーンの音ってすごく陽のパワーがあるなと思っていて、この曲が持っている魅力をグンっと引き上げてくれていますね。

直:今後こういうコラボレーションだったりとか新しいエッセンスを入れることはやってみたいという気持ちが強くなりました。

-やってみたいコラボはありますか?

m:アコーディオン入れてみたいですね。昔からやってみたくて。Amelieにすごく合いそうだなーと。

直:ストリングスを入れての壮大なバラードとかもやってみたいよね。

m:確かに。あれやってみたいこれやってみたいって、どんどん欲がでてきちゃう。このホーンセクションを入れてライブやりたい。ツアーファイナルとか、どこかのタイミングでやれたらいいなとは思っています

-それは期待しちゃいますね。そんな今作のスタートに続くのは「ゼロじゃない」。すごく良い言葉ですね。Amelieそのものを表現した言葉かなと感じました。

直:まさにそれです。この気持ちを元に集まったメンバーだし、歌詞も含めて今までの活動を経て、今のAmelieはこれですと自信を持って言えるような曲になったかなと。

m:直人さんが作る曲って語呂が良いし、これぞ直人さんの歌詞って感じですよね。

直:最後の方に“巡る世界の向こう側へ”という歌詞があるのですが、僕らの現時点での代表曲と言える「メグリメグル」を越えたAmelieの新たな代表曲にしたいという気持ちを込めています。

-直人さん的にもこの曲は挑戦なんですね。

直:どうしてもこのワードは入れたくて。この曲で次の一歩を踏み出したいです。

m:現時点でまだライブではやっていないんですが、早くライブでやりたいです。この歌詞をライブの感情で歌った時を想像するとワクワクしてしまいます。この曲はきっとどんどん成長していくんだろうなと今から確信しています。

-その曲に続くのは今作のタイトルでもある「ドラマチック」。

m:冒頭でも少しお話しさせてもらいましたが、喜怒哀楽とかいろんな感情があってそれってすごく劇的だなと思って。私って感情の起伏が激しいじゃないですか(笑)。

-そうですね(笑)。ジェットコースターみたい。

m:それが良くないことだとずっと感じていて、おとなしくしなきゃとか普通にならなきゃとか思っていたんですよ。でもそれが良いところなんだよって言ってくれる人が増えてきて、そこでようやく自分のことを受け入れて肯定できるようになったんですよね。

直:ジェットコースターみたいな感情の起伏がなければそれこそmickじゃないですからね。

m:いろいろな方にそう言ってもらえるようになって、すごく楽になりましたね。ライブとかも今までより楽しくなったし、見える世界が少し変わりました。そんな今だからこそこの曲が出来たんだと思います。

-4曲目「やだよ。」はそんなmickのそのものだなと思ったのですが、作詞作曲者を見たらまさかの直人さんでした。

m:それめちゃくちゃ言われます(笑)。

-mickを知っている人ならみんなそう思うんじゃないですか?(笑)。

m:気付いたら“やだ”ってよく言ってますね(笑)。

直:今までは自分自身の考えとか歌詞をmickというボーカルに発信してもらっていたんですが、初めて女の子目線で書いてみた曲です。

-歌っていても一番ハマったんじゃないですか?

m:実はこの曲がレコーディングで一番苦労したんですよ。逆に今までこういったタイプの曲を歌ってこなかったから大変でした。モコモコの可愛いパジャマを着ている女の子のイメージで歌ってって言われて、そんなのわかんないよ!ってなってました(笑)。

直:音色とかも今までとは違った形で作ったので面白い出来になりましたね。

-そして次の「タイムライン」はピアノがあるAmelieだからこその曲ですね。個人的には一番好きな曲です。

m:メンバーもみんなこの曲好きですね。グッと感情が入ります。この前のワンマンで初披露したんですが、感情移入しすぎて泣いちゃいそうになりました。

直:映画を見たきっかけで書いた曲なんですが、正直今までのバンド人生は順風満帆ではなかったし、辛いこととかもたくさんあったけど、そういうのも全部ひっくるめて今があるんだなと思えたんですよね。過去があるから今があるわけで、この曲ができたことで過去を肯定して自分自身を受け入れることができたかなと思います。

-きっかけや曲は違えどmickさんと同じ答えに辿り着いていますよね。

m:面白いですよね。きっと同じバンドメンバーとして一緒に歩んでいるからこそ、この答えになったんでしょうね。

直:さっきmickが言っていたように光が見えてきたからでしょうね。今が前進できている実感があるから過去を肯定することができた。

-バンドとしてすごく良い状況ということですね。良い状況でなければ二人ともがこの答えにはならないですもんね。そして6曲目は「さよならバイバイ」。ライブで演奏しているのを見て、すごく映える曲ですよね。

m:そうですね。ライブでの反応はすごく良いです。この曲ができてからセットリストの幅が広がったし、すごく大きい意味を持っていますね。

直:初披露の時からライブでの評判がすごく良かったですしね。

m:ライブにおけるAmelieの象徴的な曲です。これからも一緒に成長していきたいですね。

-そして今作のラストを飾るのは「君といま生きている」。バラードというのは珍しいなと感じました。

m:実は私はバラードが大好きで、今リリースしている曲たちも原型はバラードだったりする曲も多いんですよ。収録曲が大体固まってきたタイミングであともう1曲くらい入れたいねという話になって、曲作りに悩んでいたんですが、mickの作りたいように作ってみてと言われて、今まで書いてきた歌詞を読み返したりとか曲を聴き直したりして、自分の気持ちと改めて向き合って、作った曲です。今こうやって4人でバンドをやれて、いろいろな人の前でライブがやれて、たくさんの人に支えられてCDをリリースできて、すごく幸せだし、大切だし、かけがえのない物だなと感じていて、それがずっと続いたらいいなと思って書きました。この曲に限らずですが今が充実しているから“今”という言葉を使えたと思いますし、ただそれに満足することなくもっともっと進んでいきたいという気持ちの表れですね。全体的にそうなんですが、この曲は特に今だから出来た曲だと思います。曲の始まりは私のピアノと歌のみで、そこに3人の音が重なっていくんですが、それって昔に私が弾き語りでライブをやっていて、そこに今の3人が集まって今のAmelieになっていったというバンドの成り立ちも表現していて、そうやって始まったこの4人でも物語ずっとずっと続けていきたいなという願いを込めました。

-すごく良いお話しですね。今作をひっさげてのツアーもありますが、地元越谷でスタートというところにもAmelieとしてのストーリーを感じました。

直:今ツアーのスタートは越谷でやりたかったんですよ。やはり僕らにとって越谷は大事な場所で。
m:しかもこの日がAmelieが初ライブをやった日なんですよ。さらに私の誕生日でもあって。

-お祝いだらけですね。

m:地元越谷でそんな節目の1日でツアーをスタートして、ツアーファイナルはワンマンでは過去最大規模となる渋谷CLUB QUATTRO。今から楽しみでしょうがないです。今まで数々のアーティストがライブをやって、その先に羽ばたいていったあの場所でついにAmelieでライブができるということが嬉しくてしょうがない。2016年は非常に良い1年を過ごすことができたので2017年はもっともっと良い1年にしたいと思っています。そのためには今作と今ツアーがすごく重要なので、絶対良いツアーを周って、絶対良いツアーファイナルにします。みなさん楽しみにしていてください。