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Czecho No Republic × Team Me スペシャル対談企画
- SPECIAL -

Czecho No Republic × Team Me スペシャル対談企画

ノルウェー出身の男女混合6人組バンドTeam Meが、デビュー・アルバム『To The Treetops!』を引っ提げて初来日。Arcade Fire、Los Campesinos!、同じ北欧のMumといった大所帯バンドとも比較される、美しい音のレイヤーが折り重ねられたドリーム・ポップは、ここ日本でも絶賛を持って迎えられた。そんなTeam Meの大ファンであるCzecho No Republicからのラブ・コールによって、なんとライブの翌日に両バンドの対談が実現!最初は緊張気味のチェコでしたが、同じアメリカのインディ・シーンにシンパシーを感じる者同士、最後にはすっかり打ち解けたようです。

―まずは、昨日のTeam Meのライブの感想から聞かせてください。

山崎正太郎(以下、山崎):すごいかっこよかった。思ってた通り、最高でした。

武井優心(以下、武井):フワーッと包み込むような、天国に持って行かれるような…オーガズムに達しました。

全員:(笑)。

―八木くんは?

八木類(以下、八木):見てて笑顔が止まらなくなって、入りたくなりました。

マリウス・ドログサス・ハーゲン(以下、マリウス):次はぜひ一緒にやってください。

八木:お願いします(笑)。

吉田アディム(以下、アディム):ステージが可愛くて、旗とか紙飛行機とか、それがすごい親近感湧いてよかったです。

―Team Meのみなさんは、初めての日本のライブはいかがでしたか?

マリウス:ホントに素晴らしかった。来る前は何を想像していいのかもわからなくて、チケットが売れてるっていう話は聞いてたんだけど、まさか最終的にソールド・アウトになるなんて思ってなかったし、オーディエンスのみんながあんなに自分たちの楽曲に反応してくれるとも思ってなかったので、感激しました。

―ノルウェーの知り合いのミュージシャンから日本の情報を聞いてたりとかはなかったんですか?

ウーノ・モレル・クリスチャンセン(以下、ウーノ):120 Daysってバンドのボーカルのオドネとは友達なんだけど、彼らも日本に来たとき何を想像していいかわからなかったらしくて、ライブのときにオーディエンスが何か叫んでたんだけど、僕らにとっては日本人の発音ってちょっと変わってるから、最初何を叫んでるかわからなかったんだって。でも、後で自分の名前を叫んでくれてたんだって知って、日本ってそういうことをしてくれる国だよってことは聞いてました。

―ちょっと前に同じくノルウェーからCasiokidsが来てたんですけど、彼らとは知り合いだったりします?

マウリス:キーボードのフレドリックが別でシューゲイズのバンドをやってて、そのバンドと対バンをしたことがあるよ。彼とは音楽の趣味が似てて、Tame Impalaっていうバンドを教えてもらったんだけど、すごくよかった。プロダクションの好みも近くて、僕も彼もThe Flaming LipsやMGMTを手掛けてるデイヴ・フリッドマンの大ファンなんだ。

武井:MGMTは僕らもメンバーみんな大好きですね。

―それぞれ日本とノルウェーのバンドでありながら、アメリカのインディ・シーンにシンパシーを感じてるっていうのは共通点だと思うんですね。なので、チェコの自己紹介も兼ねて、どういうバンドが好きかとかって話をしてもらえますか?

武井:元々(山崎と)2人で別のバンドをやってたんですけど、そのバンドが急に解散しまして。自分はベースで歌も歌ったことなかったんですけど、ライブのスケジュールが決まってたから、急遽作ったバンドだったんです。The StrokesとかVampire Weekendとかが好きで始めたら、人気になっちゃって、「あ、才能あったんだ」と思って、今に至ります(笑)。

―Team Meも最初はマリウスのソロで、コンテストに出演するために急遽メンバーを集めたことから始まってるんですよね?

マリウス:実は僕も元々ベース・プレイヤーだったんだ。自分で曲を書いて、ライブをやらなくちゃいけなくなったときに、自分一人でライブをやるガッツがなくて、それでみんなを集めたってわけ。

武井:じゃあ、ライブ前とかって今も緊張しますか?

ウーノ:昨日はすごく緊張したな…なんでかわかんないけど、ときどき緊張しちゃう…

マリウス:僕の場合は、友人とか家族がオーディエンスの中にいるとすごく緊張する。

武井:んー、わかる!

―Team Meはアメリカのインディ・バンドだと特に誰の影響が大きいですか?

マリウス:音楽だけじゃなくて、本だったり、映画だったり、自分たちのインスピレーションは色んなところから来てるんだ。ノルウェーのブラック・メタルも好きだし、ビヤーンの一番好きバンドはレイジだし、みんないろんなジャンルの音楽が好きで、それが混ざってるんだよね。アメリカのインディ・バンドをあえて一つ挙げるとすれば、The Postal Serviceの『Give Up』は大好きだよ。

―チェコもメンバー個々で趣味は色々なの?

武井:彼(八木)はThe Beatlesに取り憑かれてます。The Beatlesの話しかしないんです。

ウーノ:どのメンバーが好きですか?

八木:ジョン・レノンです。

マリウス:僕はポール・マッカートニーの大ファンなんだ。

―他のメンバーはどう?どんなバンドが好き?

山崎:僕はホントにTeam Meが好きで、今回も対談が決まる前に、普通にチケットを買って、Tシャツも買ったし、ただ純粋にファンなんです。緊張してもう話せないんですよ(笑)。

マリウス:緊張しないで、こっちも緊張しちゃうから(笑)。

―じゃあ、改めて聞くと、Team Meの魅力はどんなところ?

山崎:音がいっぱいあるのがまずどストライクで、ステージングの色使いとか、メンバーそれぞれのキャラがすごい立ってることとかも好きですね。

武井:イントロが鳴った瞬間に世界観が広がるし、あと音の抜き差しの加減がすごい気持ちよくて。

―実際、Team Meとしては曲を作るときにどんな部分を一番大事にしてますか?

マリウス:アルバムに関して言うと、いろんな楽器を使って、音をミックスさせてることかな。例えば、声でヴァースを作った曲に、ピアノやグロッケンを乗せたり、ドラムを作って、そこにベースやウッドウィンドを足して、ボーカルを乗せてっていう風に、いろんなレイヤーを組み立ててるんだ。

ウーノ:僕たちはただいろんなことに挑戦してた。みんなでスタジオに入って、何をやってるのか自分たちでもよくわかないまま、とにかく音を鳴らして、弾いたことがない楽器でも、「このアコーディオン弾いてみれば?」「わかった、やってみる」って感じでさ。でも、気づいたら試した音を何も抜かずに全部使ってるんだよね。
マリウス:メロディさえちゃんとあれば、あとはそこに楽しみながらレイヤーを重ねていけるんだ。さっきThe Beatlesの話が出たけど、例えば”Blackbird”はアコギで弾いても、ピアノで弾いても、レイヤーを重ねても、絶対にいい曲なわけで、メロディが立ってればどんな形にしてもいいんだよね。Radioheadもライブで曲を披露して、それをスタジオでまったく違った3つのバージョンにしたりしてるけど、やっぱり曲自体がいいから、どうやってもいい曲になる。テクノにしても、アメリカのインディ風にしても、いい曲はいい曲だよね。

武井:僕らも同じ考えで、アコースティック・ギターと歌で成り立ってる曲は、装飾したらもっとよくなったりもするけど、やっぱり曲がいいと…うん、同じ意見です(笑)。そのアレンジがTeam Meは絶妙にかっこいいなって。

―チェコも新作の『DINOSAUR』ではコーラスやシンセのバリエーションがかなり広がったと思うんだけど、どんなところをポイントにして作ったんですか?

武井:前作は音を詰め込み過ぎたんで、今回は抜こうと思ったんですけど、やっぱり楽しくなっていっぱい入れちゃって(笑)。でも、楽器じゃない音も入れてみたり、足音とか、灰皿が地面を転がる音とか、ちょっとだけ遊び心が増えたかなって。
ウーノ:その気持ちはすごい似てて、僕らもスタジオに入ったときは自分たちで楽しみながらやってて、どんどん音が増えて行っちゃうんだよね。

武井:でも6人もいるとスタジオに音がいっぱいあり過ぎて、まとめていくのが大変だと思うんですけど、ケンカしたりとか、「シーッ!」って感じにならないですか?

マリウス:結構小っちゃいスタジオだったから、一度に入るメンバーは3人ずつで、「その3人が作った音」「あの3人が作った音」っていう感じだったかな。

―八木くんは音のレイヤーとか曲の大事さっていうことに関しては、どんな考えがありますか?

八木:僕もさっき言ってた話とほとんど一緒なんですよね。

武井:曲がよければね。

―曲そのものの大事さは当然万国共通だと。じゃあ、それぞれ一番好きなソングライターを挙げてもらうことってできます?

マリウス:いっぱいいるからな…数人言ってもいい?

―オッケー。

マリウス:ええと、The Smashing Pumpkinsのビリー、パトリック・ウルフ、ニック・ドレイクかな。

ウーノ:僕はライアン・アダムス。すごくシンプルだけど、素晴らしい曲を作るね。

マリウス:ブライアン・アダムス好きなの?

ウーノ:ノー!ライアン!

―(笑)。武井くんはどう?

武井:うーん…後ろにいる人はみんなすごいですよね(取材が行われたHostess Entertainmentの会議室の壁には、雑誌の表紙を飾った所属アーティストの写真がずらり)。トム・ヨークとか…今年フジロックにRadioheadが来るんです。Team Meはフェスには来る?

マリウス:いや、ぜひ出たいんだけどね。

武井:ぜひ、出てください!

―昨日のライブを見て何か楽器のことが気になったそうだけど?

アディム:たくさん楽器を使ってるのがすごい素敵で、その中で彼女(エリダ)が小っちゃい見たことない楽器を使ってたんですけど、あれは何だったんですか?

マリウス:あれはオムニコードで、日本の楽器なんだよ。80年代のエレクトロニック・ハープで、実は自分たちの持ってたオムニコードがイギリスのライブで壊れちゃって、昨日は日本で借りたんだ。

アディム:日本の楽器なんだ…僕たちが知らないのに(笑)。

マリウス:見つけるのが難しい楽器だから、安く売ってたら必ず教えてください(笑)。

―次のチェコのアルバムに入ってるかもね。

マリウス:うん、使った方がいいよ!

―では、そろそろお時間みたいです。チェコのCDは渡したんだよね?

武井:よかったら帰りの飛行機で聴いてください。

マリウス:オッケー、絶対聴くよ。iTunesに取り込んで、パソコンで聴く。

武井:ダメだったら、フリスビーにして投げていいんで。

―いやいや(笑)。で、次に来日したときは共演するっていうね。

マリウス:ぜひ、やりたいですね。

山崎:マジで!超嬉しい!

―まだ何も決まってないから、落ち着いて(笑)。