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G-FREAK FACTORY interview
- SPECIAL -

G-FREAK FACTORY interview

日本を揺るがす史上最高の作品が出来た。
ここまで言葉と音を巧みに操る表現者が日本にいるんだという衝撃にあなたは絶えられるだろうか。
もちろん聴いて欲しい、そしてこのインタビューをスルーしないで欲しい。
でも1つだけ言うとすればこれだけしかありません。
「ライブを見ろ。そして生のG-FREAK FACTORYを感じろ」

interviewer:YUMA

―まずは、ニューアルバム「S.O.S」リリースおめでとうございます。

茂木 洋晃(Vo / 以下 茂木):ありがとうございます。ようやくって感じです。

-アルバムのリリースは、9年ぶりということですが。

茂木:まだ9年ぶりに出るっていう実感がなくて…でも本当に多くの人に届いて欲しいなって思いますね。

-”G-FREAK FACTORY”というバンドの色々な面が見れますし、本当に全てが詰まったアルバムだなぁと思いました。やはり意識はしたのですか?

茂木:もろ、意識した(笑)。90年代の自分達がどっかり心を掴まれちゃった所を引き延ばしてみたり、やっぱり現場で勝っていく為にはその頃の自分達の根底にあるものってこうだったよね?って掘り下げてみたりしましたね。例えば、チューニングを下げてみたりとか。昔はそうだったのに恥ずかしくて出来なかった事をやってみたら意外としっくりきたりして、そういうのを出したかったというか出せたって感覚はありますね。

-全然関係ないかもしれませんけど、9年前って僕まだ高校生です。インタビュー出来ている事が幸せです。

茂木:年齢の事なんて関係ないよ。でも本当にYUMAがその高校生の時よりも前の時期に俺らが聴いていた音楽をこうやって持って来た感じだよね。なんかさ、押し殺していた部分があって2ビートのリズムとかを絶対にやんねぇって、俺らは違うんだよって変なこだわりを持ってたわけよ。周りはみんな2ビートだったんだけど、俺らが2ビートやったら一番かっこいいに決まってるだろって思いたいというか、まだ思えないけどやりたいなって思うようになったんだよね。そういう押し殺していた物を素直に出そうよって思えた感じかな。

-そういう風に思えるようになったのには、きっかけがあったんですか?

茂木:去年”GUNMA ROCK FESTIVAL”をやって、ああいう場所で栄える曲と栄えない曲って当然あってさ、そこで栄えさせたいっていうのは初めての感覚なんだけど、今回ちょっとだけあの現場で使っていける曲を作りたいなって思ったのがあるかな。足りない物が分かっちゃったというか…最初は抵抗があったけど、気が付いたら素直になれた。

-アルバムの内容に関しても聴かせてください。「S.O.S」というタイトルにしたのにはどんな理由があるんですか?

茂木:これは正式には「Sons Of Sun」っていう「太陽の息子たち」、曲は太陽からきていますって意味を込めて付けたんだけど、頭文字を取ったら偶然「S.O.S」になったのでダブルミーニングとしても汲み取れるかなと。

-ジャケットもすごくカッコ良かったです。

茂木:”EVEN”の時と同じ群馬のデザイナーに頼んだんだけど、4本の木が燃えてるようにして、その火でバンド名を書いてくれって頼んで1発で思うようなジャケットが届きました。

–曲についても聞かせてください。もちろん全曲聞きたいのですが、今回はアルバムに入る新曲に焦点を当てて質問します。「BREAK ADDICTION」は、1曲目に相応しいし、カッコ良かったです。

茂木:これね、裏話をすると誰もが1曲目をコレにするって事が頭になかったの。みんなでそれぞれの曲順を思うようにあげて、本当に数時間かけてその曲順をそれぞれ全部聞いてみて話し合ったんだけど、なんか違うな?ってなった時に「BREAK ADDICTION」じゃねーか?って一声で決まったんだよね。俺らからするとこの曲は最後に出来たからアルバムの最後の方に入れようと思ってたんだけど、これを1曲目にしてからはそう思えるようになったし、そう聞こえるようになった感じかな。

-”G-FREAK FACTORY”には珍しい同機の音も入ってますよね?

茂木:俺が作って後から入れたんだけど、この曲にはめてみてシフトチェンジしてみたらしっくり来た。元々は、実験的な曲ってイメージも自分たちの中にあったから1曲目っていうのに最初は当てはまらなかったんだけどね。

-この曲は、人間とはどうあるべきなのか考えさせられる歌詞だったのですが、茂木さんはこの歌詞を作った上で人間とはどうあるべきだと思いますか?

茂木:人間は、身の丈を超えちまった操作の出来ない物を作っちゃったわけじゃんか。コレどうすんの?って思うし、もう元には戻れないくらい酷く振り切っちゃってるやけじゃん。昔なんか携帯電話とかもなかったし、インタビューもメールインタビューとかじゃなくて、1回会って顔を見てそこで人間っぽさを出さなきゃなって、本来の人間ってそういう事だと思うんだよね。森が街になって物々交換していた所にお金という物が生まれて、人間は頭がいいからどんどん便利な方向にシフトしていってるから、とんでもない失敗を起こすまで気付かないんだよね。けど3.11で原子力の有難みみたいのは植え付けられたし、忌野清志郎とか名立たるアーティストがずーーーっと言ってきた原子力の危なさにも気付けたし、ああならないと気付けないんだよね。いっぱい矛盾も葛藤もあると思う。その中で、欧州とかがシフトチェンジしようとしているスローライフ、必要な物だけで必要な電力だけで生活するって事とか、こういう事へ向かっていく為に、本当に見直されていかなきゃいけないんじゃないのかなって思う。せめて操作出来る物の範疇で最大限やることで人が人にちゃんと届けられる、感じられる。本来当たり前のコミュニケーションが今は全然なくなってると思うんだよね。危ないよ。本当に。

-難しい課題ですよね…。

茂木:難しい課題だね。でも逃げちゃいけないと思う。人間が故、失敗するし理性があるから戻そうとするんだけど、戻すパワーなんて実はもう残ってなくて。だから本当にちっちゃいことを1個1個気付いていけば、最後にはアナログの暮らしがまた出来て日本の経済と照らし合わせてみても普通な当たり前な事がやれると思うんだよね。それが良いか悪いかなんて分かんねぇし、決して豊かではないかもしれないけど、豊かになったが故に貧しくなった所があるわけじゃん。それをやりてぇし言いてぇなって思ってアブナイ曲にしたし、ドブみたいな曲にした。

-そういう想いを”G-FREAK FACTORY”は歌で伝えてくれるじゃないですか?すごく深い質問なんですけど、どうして唄うのですか?

茂木:深いね〜。シンプルに話すと、音楽っていうのは聞き手に委ねられると思うんだよ。絶対正解言ってないし、100人いたら100人解釈が違って当たり前だと思う。音楽じゃなくても絵がそうだと思う。絵を書かなかったら誰にも見てもらえない訳だし。だから俺は歌を書いて唄うんだと思う。もしかしたらそれが全否定でも良いと思うんだ。でも俺はこう思うよって、そこは自由でいたいし、そうでありたいよね。

-「Dirty Hearty Party」は、昔のGを思い出す曲というか、今のGを知る人からしたら新鮮なのかなと思いました。

茂木:この曲はすんごく早く出来た曲なんですよ。最初から英語でいこうって決めてて、和訳もいらないって思ってアルバムに入れた。1曲目から繋がるんだけどこれもニュークリア(原子力)の曲で日本人は60年前に失敗してその恐ろしさを知っていたはずなのにまた失敗してるんだよね。それを歌にしたいなって思って。この曲こそドブだよね。「Dirty Hearty Party」っていうのは、汚くて心のある団体っていう意味で、とにかく真っ直ぐな物を作りたかったっていうのはあるかな。

-「Unscramble」は、今の”G-FREAK FACTORY”を表す曲なのかなと感じました。ロックとレゲエの一番綺麗な融合と言うか…”間”(あいだ)という表現よりは100対100を合わせたら100になったという印象です。

茂木:良い事言ってくれるね〜。ありがとう。なんか、その”間”と呼べる曲をすーっと作りたかったんだよね。そういう曲は何度も作ったんだけど、ロックやパンク、レゲエが好きなそいつらがやったら、ロックをやっててもレゲエを感じられる、レゲエをやっててもロックを感じられるっていうどっちでもない間にいけると思ってたんだけど、それって音楽を熟知してて上から見れないと出来ないんだよね。だからレゲエをよりレゲエっぽく、ロックはよりロックにするっていうのを今回はやってみた。本当は今言ってくれたように”間”がやりたいんだよね。まだ水と油かもしれないけど、それが出来るようになりたいなって思ってるしやっていこうと思うよ。

-「月影」は前からライブでやっていた曲ですよね?以前ライブで見た事がありましたが、昔から考えるとアレンジが全然違ったのでビックリしました。

茂木:これはスタジオでやってみて変わったんだよね。今までのままじゃ刺さんないなって思って。その場でリアレンジして出来た曲ですね。

–ホーンも最高でした。こういう提示の仕方ってGにあるんだ!!と。

茂木:最後の足掻き見たいな感じかな(笑)。

-「隠り唄(コモリウタ)」は本当に感動しました。茂木さんがMCで言っている事の集大成というか、訴えかけている事をリスナーに向けて曲にしたのかなと。

茂木:本当にその通りだね。この曲だけは作詞も作曲も自分でやったんだけど、質感的にこういう曲がアルバムになかったから、あっていいんじゃないかって思って作りましたね。

–もちろん全曲聴いて欲しいんですけど、この曲は特に聴いて欲しいなと思いました。

茂木:嬉しいですね。是非聴いて欲しい曲です。

-「sore-nari」の2ビートには興奮しました。

茂木:これも勢い余ってって感じだね。Back to the 90’sじゃないけど、昔聴いてた初期衝動の部分にみんな照れくさくてやってなかったけど、やってみたらこれもアリだなって思えたんですよね。

-この曲は、ライブで聴いてみたいなと。

茂木:まだまだライブでやれるまでにいってないから鍛錬が必要だけど、みんなの前で披露出来る日がくれば良いなと思ってますね。

-「DUB IN FIRE」はすごく色々な面を1曲で感じれる曲ですね。なんかインタビューのくせにこんな事言うのあれですけど、聴いて感じて欲しいなと。。。

茂木:だんだん早くなる曲ってあんまりないよなーって思ってて、それを書こうと思って出来た曲です。個人的にもすごく好きな曲ですね。ピアノソロもあるんだけど、自分で弾いてレコーディングしたんだよね。これこそライブで出来ないわ(笑)。

-聴いてみたいのでピアノをライブ機材に入れてください!(笑)曲については以上にしまして、9月には”G-FREAK FACTORY”の故郷である群馬で2年連続となる”GUNMA ROCK FESTIVAL 2013″も開催されますね。

茂木:これは本当に群馬を元気にしたい、群馬の音楽が好きな奴を元気にしたいって一心で仲間とみんなでやってます。去年は100人中100人が無理だって思ってた事をもちろん至らない点は沢山あるけど、仲間の力を借りてなんとか形に出来たし、今度はそれをやり続けるっていうモチベーションと体力でやり続けたいなって思ってる。あとは俺なんかでも出来るんだよっていうのを見せれたら凄く色んな人に勇気を与えられると思うし、だから大袈裟な祭りを大袈裟に出していこうって思ってますね。はしゃぎに来てください!

-楽しみにしています!最後に2013年8月7日に日本に「S.O.S」というアルバムが投下されて、ある種の事件が起きると思っています。このインタビューを読んでくれている皆様、リスナーの皆様にメッセージをお願いします。

茂木:これはもちろんのことなんですけど相も変わらずライブに来てください。俺たちはやってやろうって気持ちで決してフレッシュではない所まで到達しているかもしれないけど、もう1回新人のつもりでやろうとしてるって部分も含めて見てもらいてぇなって思うし、誰かの勇気になればいいなって思うので…是非ライブに来てください(笑)。ライブで戦おうぜと。ライブがダメだったらTwitterでも何でもボロクソに書いてくれ。

-あはは(笑)。今日はありがとうございました!