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G-FREAK FACTORY interview
- SPECIAL -

G-FREAK FACTORY interview

マイナスとマイナスは足し算するのではなく、かけ算すれば計り知れないプラスになる。
群馬という土地に眠り続けたライオンが前作で遂に眠りを覚まし、
「fact」という名の真実を詰め込んだ今作で吠え上がる。
現代より我に告ぐ
“生きろ”
知らないから聴かない。知らないから読まない。というその感覚を捨てて
このバンドを、音を、言葉を、意地を、感じて下さい。
そこに僕たち編集部がG-FREAK FACTORYを表紙にした理由があります。

interviewer:YUMA

―まずは、NEW MINI ALBUM「fact」発売おめでとうございます。

茂木(Vo):ありがとうございます。

-早速ですが、今作を聴いた上での感想を言わせて下さい。「ありがとうございます!」です。

茂木:ははは(笑)。それはどういう意味で?

-こんな素晴らしい作品を作ってくれてありがとうございます。と、もう出すんだっていう2つです。

茂木:リリースタイミングも、前作は9年間も出さなかったのに、今度は11ヶ月になったからね。なんか、週末ツアーしてレコーディングしてって、このペースでやってるとほとんどが自分達の事しか考えられてないから1回考え直さなきゃなって思うよね。友達のツアーに誘ってもらっても、そこ俺たちもツアーなんだよって返事しか出来ないからなーと思って。

-土日中心の活動ですもんね。前作「S.O.S」が9年ぶりの作品という事で、遂にG-FREAK FACTORY(以下:G-FREAK)が動き出したわけですが、何か環境など変わったりしましたか?

茂木:自分の暮らしに関しては、むちゃくちゃ変わったね。工夫しないと、とてもやりきれない自分がいる(笑)。でも暮らしの組み立てに関しては、頭使ってるかな。ライブに関しても変わった。やりがいみたいのも変わってきたと思う。

-やりがいとは、例えばなんですか?

茂木:やれどやれどというよりは、やったからこうなったんだよ。っていう事かな。それはやりがいだと思うんだよね。ほんのちょっとだけどね。なんかこれを繰り返していけば頑張れるなっていうやりがいみたいなものは感じてます。だからこのペースで仕上げられれば、スケジュールが理由で動けない若い奴等に全部言い訳させない事が出来るかなって。いや、G-FREAKはやれてるよって。それをやれる最後のチャンスかなって思うし、それもやりがいだよね。そこが一番のモチベーションになる。何をやるかっていうよりも、やってることをどんだけやりきれるか、見せつけられるかって思ってる。そしたらみんなもっと頑張れるんじゃないかなって思うんだよね。決していい環境に産まれたわけじゃない俺等でもこれだけやれてんだぞって。

-ツアーが5月に終わって、休む間もなく今作「fact」のリリースという事ですがリリースを控えた今、どんなお気持ちですか?

茂木:今は、ちゃんとこの曲達を演奏出来るのかっていう不安と、単純に出来て嬉しいっていう気持ちと本当に出していいのかなっていう不安がありますかね。

-不安?それは、何でですか?

茂木:出したいって気持ちはもちろんあるんだけど、出してしまうと結果が見えてしまうからかな。いろんな想いが混在してるけど。

-作品の内容に関してもお聴きしていきたいのですが、すごいアルバムですね。ジャンルとかいうものを超越して、音楽であり、G-FREAKだなと。

茂木:売りにくいよね。このアルバム(笑)。

-良い意味の表現として”とっちらかってる”なと思いました。

茂木:テーマみたいなのは自分の中にあって、和洋折衷とか、古いものと新しいもの、夏と冬とか、太陽と月とか。両極端なものをしっかりと混在させる作品にしたいなと思って。両方とも本当であり真実。2面性というか、そういうものをずっと考えてた。「S.O.S」以降は、振り切った方がいいんだなって思うようになって、聴き易さとかは一切考えてないです。聴きづらい方が良いんじゃないかなって思ってるくらい。

-すごい考え方ですね。なんか普通だったらこういう風にまとめようとか、この曲はこのアルバムには合わないから次回作まで取って置こうとか考えると思うんですけど、良い曲が出来たから全部入れました!ってイメージを持ちました。

茂木:話し合いとかないもん。あるとしたら、「S.O.S」でとっちらかってた部分をもっと成長させたい、進化させたいって思ったかな。曲を並べてみた時にこれが足りないから作ろうっていうのはあったけど、結局俺にはこういうやり方しか出来ないんだなって思うよ。

-そうなんですね。歌詞を書く時に考えた事ってありますか?

茂木:今回は、日本語に拘りたいって思ったかな。前回は何曲か英語に逃げてしまったから、基本的に全部日本語で書きたいなって思った。

-英語で書く事は、茂木さん的に逃げなんですか?

茂木:まぁそうだね。逃げだね。俺的には、書き易いしね、英語で書く事は。人それぞれ英語で書く方が難しいって人もいると思うけど、俺は出来るだけ日本語で書きたいなって思ってる。

-普段のインタビューなら全曲解説みたいに聴いていくのですが、そうではなくて1つ1つの言葉に関して聴いていこうかなと思います。まず、タイトルになっている「fact」。この言葉にはどんな想いが込められてるんですか?

茂木:実は、タイトル全然決まらなくて。いろんな候補がある中で、「S.O.S」に対しての真実というか、真実って言ってもこれだけの振幅があるんだけどね。
あとは、G-FREAK FACTORYの中にfactという単語があるので、そのダブルミーニングで決まりました。日本語に振ったので、~和歌集とかでも面白いかなって思ったんだけど、マニュファクチュア的な意味合いも込めて。

-それにしても、CDをコンポに入れて1曲目「FOUNDATION」聴いた時に本当にすごいの出来たなって思いました。

茂木:これ最後に出来たんだよ。どうしようかなって何度も考えたし、最初インストでもいいかなって思った事もあった。全然ギター弾けないんだけど、頑張って携帯のボイスメモに向かってデモを撮ってみんなが形にしてくれた曲です。今ボイスメモ聴くとめちゃくちゃ遅いし全然弾けてないんだけどね(笑)。

-あははは(笑)。

茂木:アルバムに島生民って曲を入れるって話が出た時に、島生民を超える曲を作るので入れたくないですってはっきりと言ったんだよね。だからこれをそういう風に仕上げたいって思ってたし、島生民に変わるものになって欲しいと思ってる。そうやって進化していかないと俺たちはいけないと思ったんだよね。

-そういう節は感じました。冒頭の”現代より我に問う”という言葉が、変な言い方ですけど、重たいなって思ってすごく考えさせられました。何か深い意味があるんじゃないかなと。

茂木:「FOUNDATION」って礎(いしずえ)って意味なんだけど、元々どうなんだよっていうイメージで1行目を書いて、このアルバムの最初の言葉はこれにしたいって思ってた。”現代より我に問う”の我っていうのは、俺にとっては自分だけどみんなが聴いたらその聴いた人の事になるからね。

-そうですよね。

茂木:いやぁ、本当に狂ってるよ(笑)。途中からわかんなくなっちゃって、分かんないくらいが良いかなって思った事もある。もちろん直したけどね。

-でも、この曲はすごいなーって思いましたね。

茂木:ライブでちゃんと表現出来るかだよね。

-いやいや、楽しみにしています!ライブの時は、G-FREAKの茂木という人間を思い切り表現していると思うのですが、今回茂木という人間にもっと迫ってみたいと思いました。例えば、普段って何考えて生きてるんですか?とか。

茂木:何考えてるかな。仲間の事ばかり考えてるかな。あいつ何してるんだろうって気になって電話しちゃったり。あんまり難しい事は考えてないよ。

-そうなんですね。こういう歌詞を書ける人間なわけじゃないですか。前にライブで茂木さんが「選挙に行け」って言ってた事があってその言葉を聴いた時に、ただ行けって言われてるんじゃないなって思えたんですよ。そうやってステージから発信してくれて、色んな事に色んな想いを持って生活してるのかなって思ってしまって。

茂木:あははは(笑)。前の選挙の話なんだけどさ、今回俺は白票を投じたの。俺の住んでいる土地は極めて投票率が低くて、そのちょっとの人間達で決めた市長とかが市長ぶってたりするのに虫酸が走るんだよ。これって義務だと思ってて、文句言うなら選挙に行けって思うわけ。気に入らなきゃ書けと。本当かどうか知らないけど、白票って投票率になるって聴いたのね。白票ってのは意思じゃん?そこに行ってそれを投じるのは、1つの意思なんだなって思って。それをやった上で文句言おうって。普通に生きるのって簡単じゃないじゃん?こういう時代だし。そこの中でどれだけの幸せを見いだせるかっていうゲームだと思ってるんだよね。もう試合は開始してるしさ、休めば簡単に負けるしね。面白いと思うし、それこそやりがいだよね。そういう暮らしをしてるかな。後は、本当にどーでもいい事考えてるよ。

-こんな質問したら失礼かもしれませんが、何故ステージに立とうと思うのですか?

茂木:それはね、CDを作ったからという2割くらいの責任感と、どんな人がどんな顔すんだろうっていうのを見たいっていうのと、自分がどんだけ裸になれんのかっていう事かな。ライブってストリップみたいなもんだからさ。未だにおっかねーよ。本当におっかない。上手くやらなきゃいけない現場とか本当にそう思うよ。上手くなんてやれねーしなって思う。良く言われるのが、素で立ってますよねって、素で立ちすぎですよって。

-素で立ってるからかっこいいんだと思いますけどね。それがG-FREAKというバンドなんだと思いますけど。

茂木:まぁね。嘘つきに行く所じゃないからな。ただ、葛藤はあるけどね。その葛藤すらも出しちまえばいいんじゃないかって思ってる。

-素ですね!(笑)

茂木:ライブって面白いよ。また最近面白いなって思うようになった。

-それは、なんでですか?

茂木:リハ終わるとね、家に帰りたくなるんだよ。やべぇ今日ライブだって逃げ出したくなるんだよね。今日起こりうる何かに準備が出来ていないというか、怖くなるんだよね。それで、本番迎えて割り切っていっちゃうみたいな感じかな。あとは、最近やっとお客さんの顔がちゃんと見れるようになってきてすごく面白い。いろんな表情の奴がいるし、豊かなんだなーって思うようになった。

-やっぱりリリースするっていうのは大きいって事ですか?

茂木:もちろんデカイね。今の時代は、音源が出てないとライブを見てもくれない。もしも音源出してなくてカッコいいバンドいたらどうするの?って思うよね。事故に近いよね。見るつもりなかったのに見たらとんでもなく食らっちゃったっていう。

-そうですよね。僕の中でのG-FREAKに関しては完全にそれでしたけど(笑)。

茂木:あははは(笑)。それをさ、繰り返していきたいんだよね。ライブハウスの遊び方って音源ないバンドこそ見たいというかさ、音源出してないバンドがどれだけのライブをしてくれるんだろうって、見てみてそいつらを気に入ったりしてたからさ。今の時代は逆だからね。ある程度自分の中で予定調和を描いて、数人の仲間とじゃなきゃライブに行かない。それも1つのエンターテインメントに対する正解だと思うんだけど、そこにバンドが合わせにいっちゃったらさ、なんかそういうものしか出来ないと思うんだよね。確かにそういうものが一番手っ取り早いと思うんだけどさ、年齢も産まれ育った土地も活動拠点も、全部がやり易いとは言えない状況の中でマイナスなものを全部プラスにしてやろうって思うようになってきた。だからライブが面白い。

-そういう時代ですよね。

茂木:まぁね。でも今の時代、リリースした方がいいんだと思うよ。持ってるなら、絶対。だって予備知識がないとライブを見てもくれない時代なんだと思う。だからこそ、CD出したいって思う。出し続けたいよ。あんま言いたくないけど苦しいよ(笑)。誰もが楽じゃないと思うし、そんな事言う人もいないと思う。当たり前だよってカッコ付けても言うべきなんだと思うし。

-稀に見る難産バンドですからね、G-FREAKは(笑)。

茂木:はい。でも早くなった方ですよ〜ゆうまさん!(笑)。昔っからSTOMPIN’BIRDとG-FREAKは、とにかく曲作るのが遅いって言われてたからね(笑)。

-そうですよね(笑)。ツアー終わってすぐに新曲が聴けるなんて思ってなかったです。だから最初に「ありがとうございます」って言ったんです。今までのG-FREAKのペースを知っているだけに。

茂木:あああ。なるほど(笑)。

-今回は、初めて触れる曲しか入ってないので嬉しいです!話変わりますが、今年もGUNMA ROCK FES(以下:GRF)の時期が迫ってきましたね!

茂木:始まりますね〜!是非とも遊びに来て欲しいですね。

-G-FREAKにとっての群馬って何ですか?

茂木:意地だね。あんまり言いたくないけど、意地という言葉しか出ない。あそこでやり続けてきたって事に対するものかな。一時は解散の危機とかもあったけど、解散しちゃったら一切足跡が残らないなって思った。あそこでやり続けていた足跡を付け続けるって事かなって。それしかないかな。もし、バンドで飯を食っていきたいって思う奴がいるなら、東京行けって言っちゃうもん。東京に行けば、モチベーションが保てるし余分な物がいらない。ある意味、東京なら見切りも早くつけられると思うんだよ。俺、不向きだなって。毎日毎日、どこかに行けば、色んなバンドが音を鳴らしてるし、色んなものが集中してる。ましてや、情報の根源でもあるっていう。東京(ここ)で実らなかったら実らないんだよ。もっと言えば、東京(ここ)で転けたら帰れる場所がある。俺たちは、群馬で転けたら帰る場所がないんだよね。だから意地でしかないし、俺たちは地元にいながら狼煙を上げて、群馬(ここ)にいてもこれだけ出来るんだぞって見せつけたいかなって思う。見せつける事で頑張れる奴が出てきてくれたら嬉しいかな。

-どっちの意味でも若手バンドにこれを聴いて欲しいなー。そしてお客さんもそういう気持ちを知った上でGRFに行って欲しいです。行った方がいい!

茂木:それ太字で書いておいてよ(笑)。

-でもGRFがあるから群馬に行けますからね。ぶっちゃけそれまで、行った事なかったです。

茂木:俺も、群馬県民じゃなかったら行かないよ(笑)。でも、マイナスのイメージの場所にさ、とんでもないプラスのものがドーンってあったらさすごい事になると思うんだよね。最近思うのは、マイナスとマイナスを足し算するとマイナスが増えるけど、マイナスとマイナスをかけ算するとプラスになるんだよね。奇数と奇数を足すと必ず偶数になるし、奇数と偶数を足すと必ず奇数になる。これって、割り切れる事を偶数として、割り切れない事を奇数とすると、割り切れない事と割り切れない事をたしたらといきなり割り切れる事になったりするんだよ。なんかすごいなって思って。マイナスにはマイナスをかけてやれば良い。足すんじゃなくて。そうしたらとんでもないプラスになる。俺等が今置かれている状況がどれだけマイナスか分からない。でもそのマイナスを足すんじゃなくてかけることによってとてつもない化学反応を起こすんだよね。

-もう先生になってください(笑)。群馬という土地で開催されるGRFとオールドルーキーと呼ばれるG-FREAKの化学反応、今年も楽しみにしています。最後に、このインタビューを読んでくれている方や、「fact」を手に取ってくれる皆様に一言頂けますか?

茂木:毎度、そうなんだけど本音をぶち込んでるんで何回も聴いて欲しい。見た目は怪しいけど、1回じゃなくて何回も聴いてもらったらあれ?あれ?って所が何個も出てくると思う。手に取ってくれたならいっぱい聴いて欲しいな。

-早くライブでどんな反応するのか見てみたいですね。

茂木:そうだね。見たいけど、怖いね。

-ファン目線として、「fact」も含めたセットリスト楽しみにしています!