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GLAY interview
- SPECIAL -

GLAY interview

来年に控える20周年アニバーサリー目前でリリースされるGLAYの最新作「DAIMOND SKIN」は、再びプロデューサーに迎えた佐久間正英とのシンクロ率の高さが伺えるタイトル曲や、バンド結成時に初めて書いた曲など、彼等がこれまでのキャリアの中で展開していった様々なアプローチのサウンドが多面的に詰まった全3曲を収録。 経験に裏付けされ組まれる音のレイヤー、メロディーライン、初期衝動の様な突進力、どれも彼等が長年に渡り培って来た独自のかたちで注ぎ込まれ、シングルリリースながらフルボリュームでバンドを体感できる重厚な作品に仕上がった。

―「DIAMOND SKIN」は、以前から温めていた曲だそうですね。

TAKURO「そうなんです。プロデューサーの佐久間正英さんとオリジナルアルバム『GUILTY』の曲を作っている時のセッションの最終段階で生まれた曲です。メンバーやスタッフのみんなも、”このタイミングしかないというタイミングにリリースしよう”という気持ちになったので、2年くらい温めていました」

TERU「メロディが艶っぽくて色っぽいですよね。”久々にこういうものが来たな”というのが、最初に受けた印象でした。デビューして間もない頃にこういうテイストの楽曲をよく演奏していたので、あの頃のような艶っぽさを表現できればいいなと思っていました」

JIRO「すごくGLAYらしいサウンドです。こういうサウンドをやるロックバンドって、僕らが10代の頃とかは、もっとたくさんあったんです。僕らの先輩たちが持っていた艶っぽい雰囲気をこの曲は引き継いでいるのかなと思っています」

HISASHI「レコーディングした時は、何がどのアルバムに入るのかとか、どれがシングルになるかとか、ほぼ決めずに録っていたんです。その段階での僕らと佐久間さんのスキルアップの発表会みたいな確認も含めて作業をしていたんですよね。今思うと、当時のGLAYと佐久間さんの音楽の作り方が、この1曲に集約されている印象がします」

TERU「レコーディングした頃、佐久間さんとボーカルのサウンドについていろいろ話し合うことが多かったんですけど、佐久間さんとお知り合いの方が開発中の遮音マットを試してみることになりまして。使うとタイトな歌声が録れるんですよね。その効果もあってボーカルは温かさの中にソリッドさもあるものになりました」

TAKURO「3年くらい前に佐久間さんは、”これからのプロデューサーはエンジニアも兼ねるべきだ”っておっしゃっていたんです。「DIAMOND SKIN」は、そういう部分も出ていると思います。佐久間さんがやろうとしていることと、GLAYがこれから目指す道の集大成が、この曲なのかもしれないですね。2013年のGLAYと佐久間さんのサウンドの最高傑作ができたかなと思います」

-2曲目の「虹のポケット」も、とても気持ちいいサウンドですね。聴きながら夏の北海道をイメージしたんですけど。

TAKURO「”夏”じゃなくて”夏の北海道”なんですね(笑)。自分たちがなんで20年やってこられたのか、たまに考えるんですけど、やっぱりそういう部分もあるからなのかなと思ったことがあります。冬だったら「Winter, again」に代表されるような感じだし、夏の曲も夕方になると風が心地よいような雰囲気があるんでしょうね。今年の夏に函館でライブをやった時もそれは感じて、”自分たちのルーツを大切にして、それを歌にしていこう”と改めて思いました。そういった想いもあってこの曲は書きました」

HISASHI「GLAYの曲が持っている四季とか、空気感とか、気温を感じるようなサウンドに「虹のポケット」はなっていると思います。すごく自然なアプローチをしている曲ですね。20周年を目前にして、自分たちの身辺整理をしているような感じにもなっているのかも(笑)。今回の3曲は、そんなことも感じたりしています」

TERU「タイトルも爽やかですよね。僕らの年代のバンドの楽曲にこういうタイトルをつけてくるというのは意外だったんですけど、すごく合っていると思います。仮歌の段階で既にタイトルは「虹のポケット」でした。制作が終わってからTAKUROが英語のタイトルをつけて、”これでいいかな?”って訊いてきたんですけど、しっくりはこなかったんですよ。だから”これは「虹のポケット」でいいんじゃない?”って言いました」

JIRO「TAKUROはこういう方向性の曲を定期的に作るんですけど、僕はそれってGLAYのポップな部分の確認作業なんだろうなと思っています。その一方ですごく変わったアプローチの曲を持ってくることもあるんですけど、それもそういうのを作らなきゃいけないという気持ちになるスイッチが入った時なんでしょうね」

-そして「CRAZY DANCE」ですが、これは理屈抜きで楽しむのが正解の曲ですね(笑)。

TAKURO「この曲は昔の悪い友だちから電話がかかってきたような感じ(笑)。作ったのは高校生だった16、17歳の頃です。ギターを鳴らしてとにかく楽しくワイワイやっていたいという当時の衝動的なものが入っている曲だと思います。例えば後の「BELOVED」とか「HOWEVER」は”個”の音楽。でも「CRAZY DANCE」に”個”はない。これは集団の音楽ですね。高校生が最初に書く曲にふさわしいんじゃないですかね(笑)」

-今年の夏の函館のライブでやりましたよね?

TAKURO「やりました。こういう曲を40歳を過ぎたバンドがやれるというのが嬉しいです。20年以上経っても情熱が衰えていないことの証明というか。これはテンションが高くないと演奏できないですし、バンドのメンバー同士の仲が悪かったら誰かしらが”やらない!”って言うと思う(笑)。ましてやリリースなんてしないですよ」

TERU「函館のライブの時に冗談で、”次のシングルはこれだ!”って言って「CRAZY DANCE」を紹介したんです。TAKUROがリーダーとして僕が発したメッセージに応えてくれたのかなと(笑)。高校時代に初めてステージでやった曲の内の1つです。簡単な言葉、簡単なコードで、みんなで一緒に歌えるナンバーを目指していた頃なんですよね」

HISASHI「この曲は僕がGLAYに入る前からあったんですけど、当時ってバンドブーム。ビートパンクが流行っていたんですよね。そういうものをこの曲には感じます。すごく純粋ですよ。なぜこういう音で歌詞なのか。そこには理由なんてない。初期衝動的なものがこの曲には詰まっているんですよね」

JIRO「今のところ3回ライブで演奏したんですけど、そこで感じたのは”ここに意味なんてない。祭囃子みたいなテンションがある曲”っていうことです。ほんとなんでもない曲ですよ(笑)。でも、ライブで演奏している数分間はみんなでバカになれる。そういうライブにおける一番大事な部分を今後も作っていける曲だと思っています」

-3曲各々にすごく魅力がありますね。このシングルのリリースを経て、GLAYは来年デビュー20周年を迎えますけど、どういう心境ですか?

HISASHI「好きなように楽しく音楽をやれたこととか、見守ってくれたみなさんへの感謝が20年分あるんです。その感謝はライブと作品で余すことなくお返ししたいです」

TERU「しっかりと20周年をみんなで祝うことによって、30周年をちゃんと見据えた活動をその先にしていけたらいいなと思っています」

JIRO「東北でのEXPOは、GLAYの歴史の中でも印象的なものになると思います。今までにやってきたライブとは違った形でみんなの思い出に残るものにしたいです」

TAKURO「2012年の長居スタジアムで発表した7大サプライズを実行するまでGLAYは休めない(笑)。でも、発表してから3年くらい続く楽しみがあるというのは、いいことですよ。”今日を生きる励みになります”というようなメッセージを頂きますので。それもGLAYしかできないことなのかなと。”不安定だからこそ面白い”っていう今までのロックバンドとは真逆なんですけど、GLAYは真逆であろうと思います。解散したりするのって、すごく寂しいことだから。こういうのがGLAYらしいんじゃないですかね」

-ドームツアーもありますが、10周年ライブの時にした「白いジャケットの約束」を果たさないといけないですね。

TERU「あのジャケットを押し入れから引き出したら、めちゃくちゃボロボロだったんですけど(笑)。あれをそのまま着るのか、飾るのかは考えておきます。多分ファンのみんなも僕らと同じで20周年のドームっていうところへ気持ちを向けてくれていると思うんです。来られない方もいると思うんですけど、そういう人たちの気持ちも感じながら”僕たちのGLAY”ではなく”みんなのGLAY”として祝えるような空間を作りたい。日本中のファンのみんなが一緒に喜べるようなものにしたいです」