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黒猫チェルシー interview
- SPECIAL -

黒猫チェルシー interview

神戸の高校生4人が卒業後すぐに上京。
その年、2枚のミニアルバムを立て続けにリリースし、メジャーデビュー。
そんな若き才能が、ここ数年間リリースを沈黙させ、楽曲制作に尽力。
その期間で重ねた想いは、苦しみに近いものではなく、自分たちと真剣に向き合う時間として、前向きに費やされた。
そして2016年2月、4年ぶりとなる渾身のシングルをリリース!
こだわりと希望を、他のどのバンドよりも「ロッカバラード」にかけ、ただ暑苦しいロックンロールではなく、想いよりもその楽曲そのものを「作品」として伝えることに執着した最高の一枚。
その想いを語るメンバーの目はとても真っ直ぐで、この曲への覚悟や自信をビシビシと投げかけてくれました。

——–まずはリリースおめでとうございます!

全員:ありがとうございます。

——–4年ぶりのシングルリリース、オリジナルアルバムリリースは約3年前ということで、アーティストとしてこれだけの期間作品が残せないという事で色んなことを感じたと思うのですが、今のお気持ちを聞かせて下さい。

渡辺:やっとシングルを出せるって言うので気合いを入れたって言うのはそうなんですけど、その期間も変に焦ったりはしてなくて。
前のレコード会社との契約が切れてからも、曲はずっと作っていて。
それを今まで通り作っていくんじゃなくて、自分たちが元々持ってる「人間の面白み」みたいなものが一番輝ける状態で出せる様に、「〜っぽく」とかそういう変な小細工はなしにして、よりシンプルでストレートなものにしようとしてました。ここからどういうもので勝負していくかっていうのを曲を作りながら話し合いをしながら。
だから出すことには焦らず、「これで俺らは勝負するんだ」って腹をくくれる様になってから、今回のリリースに至りました。

——–一番これが俺らっぽいっていうテーマみたいなのはバンドとして挙ったものはあるんですか?

澤:2012年の「HARENTIC ZOO」というアルバムを作った時に、ゲストミュージシャン呼んだりもして今までで一番ポップで広がりのあるアルバムに仕上がったんですが、自分達の武器をもっと明確にしないとって思った時に、ライブでみんなが感覚的に感じてるのは、「リフがあって骨太でっていう、自分たちが今まで影響を受けてきたハードロックの要素が自分達の強みだ」っていうところで。で、それによってベストアルバムの新曲として挙がった「サニー」という曲が出来上がって、それまでは「前はこうしたから次はこうしよう」みたいに自分達の立ち位置を変えていたんですが、ようやくどっしりと地に足をつけられたかなと思っています。

——–今作は、このリリースの為に書き下ろした作品なんですか?

渡辺:「グッバイ」という曲が出来て、「これで勝負しよう!」ってなったからそれに向けてリリースを決めた形です。
澤:元々バラードをやろうっていうのが共通認識としてあって、何曲もある中でこの曲になったって感じですね。

——–この「グッバイ」なんですが、この曲単体として出来上がるきっかけってあったんですか?

澤:第一弾でCDを出すならバラードにしようって話があったのが一つのきっかけですね。その前からバラードやりたいってのは言っていたし、自分達の今までの楽曲にもそれっぽいのはあったんですけど、それを今回で突き詰めたって感じですね。
80〜90年代のロックバンドがそうだったように、ドストレートでド直球にバラードを1曲はもって、ライブの終盤でみんなで歌うっていうような、そういうのがあったらいいなって思って作りましたね。

——–歌詞はどういうイメージから作ったんですか?この歌詞にある「強がり」がすごく共感出来たんですが。

渡辺:まず、澤が曲を持ってきた時に、これだって思ったんですよね。
ちゃんとロックの切ない部分と優しい部分があって、でもどこか前向きになれる明るさがあったので。
歌詞に関しても、そういうものがしっくり来るかなっていうのがあって。
元々ラブソングを作りたいって思っていて、今なら作れる!って思えたのもあったんです。
歌い手のパーソナルな感じを乗せた方があうだろうなって思って、自分でも恥ずかしくなるくらい自分に近いものを。だけど、ちゃんとファンタジーである!っていう意識はありました。自分の日常を書くような日記ではなくて、ちゃんと曲にしたいって気持ちはありました。
時間はかけたけど、すっと書けた様に聴けるものにしたいなって。
耳からはすっと入って、聴いてくうちに心に強いものが残る様にって。

——–フィクションでもなくノンフィクションでもなくって事ですか?

渡辺:大事なのはこの曲でぐっと来ること。この曲が伝わること。
ドキュメンタリーって編集で分かりやすくしてるじゃないですか。そういう意味で整理してキャッチーに色を付けるってことはしました。この曲に合う言葉だけを選んで歌詞にしたって感じです。
生々しさというよりは作り物っていう感覚では書いてますね。バンドがリアルな人間っていうより、少し嘘みたいであっていいんじゃないかなって。
歌詞も自分に近いものであってほしいけど、僕の感情の吐露よりはこのバンドがかっこ良く見えるものであって、曲が良くなる為だったら良い嘘は入れたいなって思ってます。

——–「Teenage Hero」はどういうきっかけで作った曲なんですか?

渡辺:デモ曲を沢山作っていく中で出来た曲です。パワーがあるんだけど切ない曲をつくりたくて。
その中で、この「グッバイ」という作品の2曲目として一番しっくり来たってので決めました。「グッバイ」の次はこれだなって。

———-「Hero」って言葉はこの歌詞のどこに値するんだろうってとても気になっていたんです。

渡辺:これは応援歌に聞こえる唄を書こうと思ったんです。誰を?っていうと自分自身へ。
過去の自分にケツを叩かれるっていうか、過去の自分が今の自分に言ってるってイメージなんです。

——–そして「アンラッキーガール」。これ女性の方は本当に勇気づけられるんじゃないかなって思ったんですけども。

渡辺:最近どんだけシンプルに出来るかっていうところにあるんですが、シンプルにして削りすぎて結果的になんて事ない言葉になりすぎるのもつまらないので。
どこで遊んで、どこに余裕を作るかみたいなのは全体的に意識はしましたね。
で、ちゃんとこうやってなんて事ない言葉でも演奏しちゃえば自分達の音になるって自信もついてきたので。

——–不特定多数の人に向けていながらも、聴いてる側には1対1で向き合ってくれてる感じがするんですが。

渡辺:良い嘘はついてるとは思うんですが、ただ、”なんとなく良い曲”を作ろうとは思ってないんです。結構割りとこの人に届けば良いやっていう人はいます。イメージしてる登場人物や絵はしっかり決めてあって、何となくみんなに届けーっていうつもりではやってないんです。
ライブでやる時はそこにいるみんなに刺さってほしいなとは思ってますけどね。

——–男性にも伝わる歌だなって思いました。

渡辺:ブルースであってほしいってのはあるんですよね。どんだけポップでも。
明るい歌を作る気満々なんですけど。相反するものがあってほしいというか。
生きてれば裏側にはやっぱりあると思うんですよ。強さと弱さって表裏一体だと思うし。
どんな人でもそういうところってあると思うから、曲もそうであってほしいなって。

——–メンバーの皆さんが役者・サポートミュージシャン・アレンジャーといった「バンドマン」という表現者の枠を超えて活躍されている訳なんですが、その2者においての理想の自分のあり方や、意識して分けている部分や共通点等あったら教えて下さい。

渡辺:色んなことを経てですけど、「自分で制限しない」というところです。「なんでもやる」とは違うんですけど。「やりたいと思ったらもうやってる」っていう状態でありたいなって思ってます。
日頃からそう思ってることがバンドに活かせたらなって思ってます。
澤:(PUFFYなどの)サポートは色んなベテランの方に囲まれているので、最初の方は「俺で良いのかな」って凄く思ってたんですけど、とにかくビビらないって事と、黒猫チェルシーでやってるギターを下回るようなことは絶対にしないって思ってます。このバンドが自分の持ってるものを一番に出せる場所なので。
宮田:自分はただ熱心であることですね。音楽的な研究というか。
今これが出来たら、自分の武器になるなって思ったものをやっていくってことですね。
今例えば、こういう楽器の音色入れられたら楽しいなって思えたら、それを練習してくるっていう。究極の自己満足みたいなところなんですけど。
岡本:それは「全部同じでいる」ということですね。映画だから自分はこう、とかそういうのは無くそうって。どこに居ても自分は同じってつもりでいます。

——–皆さんの音楽のルーツってなんですか?

渡辺:これは皆共通してると思うんですけど、ビートルズはちっちゃい頃から聴いてました。バンドをやりたいって思ったのは「憂歌団」を聴いてからですね。憂歌団のライブ映像がテレビでかなり流れてる時があって、電撃が走ったんですよね。その前にも姉の影響で聴いてたバンドがいたんですが、その時初めて電撃が走りました。その時ちょうどギターを弾き始めてた頃だったので、一人じゃなくてバンドをやりたいなって思いましたね。

——–忌野清志郎さんのインスパイアも凄く感じました。

渡辺:大好きです!拭えないです。忌野清志郎さんとかブルーハーツとか。
自分の作るものは好きなものから離そうとしたりもしたんですが、それが嘘っぽいなって。好きなものは出ちゃっていいかなって今は思ってます。それをどう出すかっていうのが大事かなって。
澤:僕は両親が音楽が好きで、昔から自然にビートルズとかボブディラン聴いていたんですが、バンド組みたいって思ったきっかけはQUEENですね。QUEENのライブ映像を見た時です。サッカーもよく競技場まで見にいってたんですが、ロックバンドのライブ映像ってのを初めて見て、それ以上の大観衆がそのバンドだけを見にきてるってのが他のどこの世界を探してもないなって衝撃を受けて。そこから80〜90年代のロックバンドを聴くようになって。中学の時はハードロックばっかり聴いてました。
だから曲作る時のリフの根底にはどこかにその年代のロックへのリスペクトが多いですね。自然に根付いていて。
宮田:僕はこの質問には毎回言うんですが「カーペンターズ」なんですよ。
最近もそうなんですが、2〜3年前に再び「あーやっぱカーペンターズやなー」って再確認しました。何年かおきにあるんですよね。
初めて音楽を意識したCDがカーペンターズのベストなんです。
岡本:僕はちっちゃい時から音楽を好きで色々聴いてたんですが、バンドを始めてから周りから教えてもらったって感じですね。
ビートルズのコピーバンドをやったり。そのくらいから、母にボンジョビやエアロスミスのドームやホールのライブに連れて行ってもらうようになって。
ライブハウスを体験する前にスタジアムを体験したので、スタジアムへの憧れが強いですね。

——–このCDを引っさげて「グッバイ」リリースツアーがありますが、来てくれる方、聴いてくれる方、そしてeggmanフリーマガジンをご覧の方々に意気込みを聞かせて下さい。

渡辺:バカっぽいですけど、、、ロックがこんなにかっこ良くておもしろくてドキドキ出来るもんなんだっていうのを自分たちも見たいし提示したいし。
最近ロックバンドって呼ばれてるバンドは沢山いるけど、イチ音楽ファンとしてもロックの良い部分を100%出せる様に精進するし、見せていくんで、いつでもライブ見にきてほしいです。
澤:今までで一番カッコいい演奏をするツアーにします。ダントツで。
岡本:じゃあ僕もそうします。
全員:爆笑
渡辺:思いっきりやるし、楽しいことが好きな人は絶対来た方が良いと思います。未だにロックバンドって怖いんじゃないかって思ってる人、最近もであったんですけど、絶対楽しい場を作るんで来て下さい。

——–最後に今回のCDを強いて漢字一文字で表すならなんですか?

渡辺:おー、、、なんか正月っぽいなー(笑)
なんでしょうねー。
「哀」ですかね。
前向きな悲しさというか。
澤:そうですねー、、、「転」ですね。
宮田:あ、俺も思ったやつや!
岡本:えー、じゃあぼくもそれにしよ!
全員:爆笑
澤:演奏自体も転がる感じの演奏でもあるし、これがひとつの転機になるっていうのと、ロックンロールの転がるも、転ぶも入りますね。
渡辺:僕も言ってからそれ思ったんで、、、それで!
全員:爆笑
岡本:じゃあそれで。僕が今何か言っても…。
渡辺:いやいやいや、言ったらそれになるかもしれんから言ってみて。
岡本:えー…。んー…。なにしよっかな。なんもない。
全員:じゃあこれで!


『グッバイ』
2016年2月3日(水)発売
【初回生産限定盤】 CD+DVD ¥1,800+税 SRCL-8969~70
特典DVD:「グッバイ」ミュージックビデオ
「little voice presents 黒猫といく類まれなツアー」(9月25日@渋谷STAR LOUNGE)ダイジェスト映像
封入特典:「little voice presents 黒猫といく類まれなツアー」(9月25日@渋谷STAR LOUNGE)ライブフォトブックレット
:佐内正史 撮り下ろしフォトカード×4枚
【通常盤】 CDのみ ¥1,200+税 SRCL-8971

▼収録曲
M-1 グッバイ
M-2 Teenage Hero
M-3 アンラッキーガール

『黒猫チェルシー 2016全国7都市 「グッバイ」リリースツアー』
【対バン公演】
2016.02.26 FRI
神戸 太陽と虎
w/ザ50回転ズ

2016.02.28 SUN
福岡DRUM SON
w/IRIKO

2016.03.05 SAT
仙台PARK SQUARE
w/GLIM SPANKY

2016.03.13 SUN
札幌COLONY
w/SUPER BEAVER
【ワンマン公演】
2016.03.20 SUN
心斎橋Pangea

2016.03.21 MON
名古屋CLUB UPSET

2016.03.27 SUN
新代田FEVER