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GOODWARP interview
- SPECIAL -

GOODWARP interview

不特定多数の情報から些細な一つを『FOCUS』し、
空虚感を大きな期待感に変換し、
カラフルな音でアウトプットしてゆく
彼らの本物の”ポジティビティ”

interviewer:森村俊夫

L→R

萩原”チャー”尚史(Ba/Cho) /有安祐二(Dr/Cho) /吉崎拓也(Vo/Gt)/藤田朋生 (Gt/Cho)

吉崎:今作が初の全国流通という事で、やるからにはたくさんの人に聴いてもらいたいです。まだ僕達を知らない人達にも届けられるソングライティングって何なんだろうって考えてゆく中で “普遍的な曲という言葉があるけど、その普遍性って実はみんな共感するような事ではなくて、むしろ逆なんじゃないか”という気持ちがすごくあって。僕自身にしかわからない事とか、メンバーの間でしか通用しないようなちょっとした冗談だとか、パーソナルな部分をぶつけた方が届くんじゃないかということを信じているんです。そういう意味で、不特定多数の情報の中の1つに照準を絞って、そこに気持ちを乗せたようなアルバムにしたくて『FOCUS』というタイトルを付けました。

–「僕とどうぞ」の歌詞は、踊ることが苦手だったり、照れがある人のことを歌いながらも、実際は無意識にリズムを刻みたくなるような楽曲で、”踊る事を強いる訳ではなく、聴く人が自発的に踊りたくなってしまうような音楽を表現してゆく”というメッセージを皮肉っぽく込めているのかなと感じました。

吉崎:そういう気持ちも込めたんですが、この曲はいろいろな要素が集まって出来上がったところがあります。ダンサブルなビートにしたいなと元々思っていたんですけど、僕が一番最初に作ったラフのデモの段階では、どちらかと言えば歌詞を聴かせる感じの楽曲だったんですよ。そこから今回”チャー(Ba/Cho)”が初めて5弦ベース弾いてくれて、だんだんビートにノリが出てきて。歌詞の”ダンスの好きな君なら”っていう部分に関しても二転三転したんですが、最終的には一番初めに書いた詞に戻って来ました。実はこの曲の”ダンス”という言葉は、ちょっとした肉食の象徴をイメージして書いたところもあって、あえてダンスが苦手な素朴な女の子を主人公の想い人にしようっていうテーマがありました。僕が最近観た映画で、結婚式のガーデンパーティー中に急に土砂降りの雨が降って来るというシーンがあって、みんなずぶ濡れになっているんですけど、幸せそうに大笑いしていて。めちゃくちゃロマンティックだと思ったんですよね。そんな曲を書いてみたいと思ったのが最初のキッカケです。

–この楽曲は、女性との距離感がテーマになっているように感じました。

吉崎:映画がキッカケの楽曲だっただけに、シーンを切り取ったような歌にしたいという思いもあったんですよ。(スクリーンの中に)女性がいて、その相手役は僕なんですが、それを観客席で観ている僕もいる、みたいな。スクリーン中の2人はきっとラブラブなんだけど、それをリアルな世界にいる僕がちょっと横から俯瞰で観ているっていう距離感の歌にしたかったんです。

–表題曲にもなっている「FOCUS」は、大人と子供のちょうど間にいる人のこれからの未来に対して、文字通り「FOCUS」するような楽曲に感じました。

吉崎:そうですね。いつもスタジオで練習した帰り道の深夜1時〜2時に渋谷とか二子玉川の夜景を見ながらキレイだなと思うんです。でも、ズームインしていったら、1個1個の夜景は “もう帰りたい”と思いながらも夜中まで働いている社会人が灯す光に過ぎないんだろうなぁって。そういったまさしく「FOCUS」した曲を、めちゃくちゃアッパーにしたら面白いんだろうなって思ってつくりました。

–空虚感のような物足りない感じを大きな期待感に変換して、すごくカラフルに見せる楽曲ですよね。

吉崎:僕自身ポジティブなタイプなんですが、バンドとしてもなるべくその”ポジティビティ”を大切にしていこうって、アルバムの制作が始まる前にみんなで話していて、それが楽曲に表れたと思います。

–最後に収録されている「大人になれば ~lights & music~」は、以前からライブでも披露されている楽曲ですね。

吉崎:はい、アルバムの中で唯一昔からあった曲で、ライブでずっと演奏していく中でアレンジが色々変わっていったりもして。最後着地した形をそのままレコーディングしたので、一番ライブ感を出せた曲になりました。

チャー:ライブと一緒に育って来た曲ですね。

藤田:サビを皆で歌って欲しいという気持ちもあるので、レコーディングではメンバー4人で何回も声を重ねました。

–2/23からリリースツアーも始まって、ツアーファイナルが3/20(日) 渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブですね。3/16の『FOCUS』の発売前から、先にツアーで楽曲を披露して行く訳ですが、プレッシャーはありますか?

吉崎:めちゃくちゃあります。鬼のように練習してます(笑)。観てくれた人に、音源にも興味を持ってもらえるようなライブをしたいですね。

有安:ツアータイトルが「まちびと仕合よし!」、ツアーファイナルのタイトルが「きみはまちびと」で、今回”まちびと”を結構強調しているわけですよ。

吉崎:ワンマンの「きみはまちびと」っていうタイトルは、「FOCUS」のタイトルと同じコンセプトで付けた名前で。誰しもが街で暮らす不特定多数の”街人A”みたいな一面を持っていると思うんですが、その”街人”は誰かからしたら、絶対に代わりのきかないおみくじで言うところの”待人”なんですよね。この日ライブハウスに集まる”きみ” は僕らにとって間違いなく”待人”なんだという事を噛み締められるような一日にしたいなと思っています。

 


GOODWARP 2nd One-man Live
『きみはまちびと』
2016年3月20日(日) @渋谷CLUB QUATTRO
OPEN/START:17:00/18:00

Mini Album「FOCUS」
2016.3.16 (Wed) Release!!
¥1,500+tax / by studio YOASOBI

【収録曲】
1. 僕とどうぞ
2. FOCUS
3. All the freaks around me!
4. アノラック
5. OK Sir
6. 大人になれば ~lights & music~
※ 初回プレス限定FOCUSジャケットステッカー封入