-今作のタイトル「CoCoRo」ですが、馴染みのない表記ですよね。「心」、「こころ」、「ココロ」とか馴染みのあるという表記ではない理由から教えてもらえますか?
井出匠:今作は『心』というものをテーマとして完成しているアルバムなのですが、一言で『心』といっても、人それぞれの感情があって、漢字や平仮名、カタカナとかいろいろな表記があって、それぞれに特徴的な模様があると思うんです。自分にしかわからない気持ちとか。だからなにか特定の馴染みのある表記ではなくて、一つの造語を作りたかったんですよね。そしてその中で、僕らALLaNHiLLZも大文字と小文字が混ざっている表記なので、『CoCoRo』というタイトル表記にしました。
-そのテーマにいきついた理由を教えてもらえますか?すごく意外というか、ALLaNHiLLZはボーダレスに音楽をとらえる方々だから、一つのテーマに沿った制作をするイメージがあまりなかったです。
井出匠:テーマに沿って曲を書いていったというよりは曲を書いていって並べてみたら『心』について書いている曲ばかりだったんですよね。今作は30曲の候補があったんですがほとんどがそうだったんです。その時にALLaNHiLLZとして表現したい物が自分の気持ち=心と向き合った言葉なんだなということ気づいたんですよね。あとは音楽性としては今お話があったように、ボーダレスで一つのジャンルに縛られないというのはポリシーで、そこはこだわりでもあるのですが、その中でテーマもバラバラだとすごく散漫になってしまいそうだなと思う部分は元々あったんです。全部バラバラみたいな。だから今回はテーマは一つでいこうと。すごく自然な流れでしたね。なるべくしてなったという感覚です。
-今作は前作というか、今までのALLaNHiLLZというものとのイメージとは違う感覚になりました。
井出匠:僕たちのことを元々知っていれば知っているほど違うと感じると思います。今までは俺がメインボーカルで匡がギター&コーラスというのがALLaNHiLLZの形だったのですが、匡が声変りをして、声が低くなってそこで声のキャラクターが一気に分かれたんです。表現できる世界観とか、歌えるフレーズとかがガラッと変わってきて、それを活かして匡がメインボーカルのという曲が今回には収録されています。これはかなりの変化ですよ。ALLaNHiLLZとしての大きなターニングポイントの一つであったなと思います。
-ALLaNHiLLZ=匠さんの声というイメージがガラリと変わりました。聴き馴染みがないというか。
井出匠:普通だと声変りって今までのことができなくなるという意味でマイナスな部分も多いと思うんですが、僕らは逆にそれを活かすという方向にすることでプラスになりました。二人とも歌えて二人とも曲も歌詞も書ける。でもキャラクターも声も全然違うという双子アーティストとしてすごく面白い形になってきたかなと思いますね。
-なるほど。前作は初のフルアルバムということでALLaNHiLLZの聴き馴染みのある曲が多く、感覚としてはALLaNHiLLZ軌跡を辿る感じで、ライブやずっとeggmanでやってきている「HaLLELUJaH-ハレルヤ-」というイベントに寄り添ったアルバムというイメージでしたが、今作は初めて聴く曲が多いのもあって、音源としてのALLaNHiLLZの純度を突き詰めたというイメージを持ちました。そのあたりは意識した部分でしょうか?
井出匠:すごく欲張りなもので、ライブはライブでその場にいる人たちに幸せになってもらいたいし、楽しんでほしいという想いはもちろんありますし、僕たちのライブを見たことある方はすごくハッピーなアーティストの映ると思うんです。それはそれで全然間違いではないし、ライブはそうであったほしい、そういうアーティストでありたいという気持ちがある反面、それとは別軸で自分たちの表現したいことをアーティストとして突き詰めるということもやりたいという気持ちも強くあって、僕らも常にハッピーなわけではなく、落ち込むことや悩むことがもちろんあって、そういう部分も表現したいなという部分はありました。キャッチーかキャッチーでないかと言われたらキャッチーででない曲もあって、良い意味でライブ向きではないなと思う曲たちも今作には多数収録されています。そういった意味ではライブ感は感じられないかもしれないですが、完成してからすぐにレコーディングした曲が多くて、すごく新鮮なパッケージにはなっているんです。あとは5曲目の「Grief」は、即興でレコーディングをやった曲で、その場の空気感を収録しています。だからそういう側面から見たら今作はライブ感がある。すごく面白い1枚なんですよね。とにかくやりたいことをやりました。音楽を始めたときの初期衝動に近いかもしれませんね。音楽を始めたときってやりたいことやって、コピーとか自由にやるじゃないですか。でもそれを続けていって仕事にしていろいろ考え始めると、やりたいことだけやっているわけにはいかないこともたくさんあって。巡り巡って原点回帰的な感覚ですかね。しっかり自分たちのやりたいことを表現する。それが音楽の楽しみ方かなと思うようになりました。今のALLaNHiLLZだからこそできたCDだと自信を持って言えますね。というか音楽を始めたばかりの時の自分に聴かせてやりたい。こんなCD作れるようになるよって(笑)。多分聴いたとしても当時の俺は信じないだろうけど(笑)。
-こういった心というものを取り扱う作品で、自分の心の中を絞り出すという制作は非常に大変な作業だったかとは思いますが、どうでしたか?
井出匠:6曲目の「裏のウラはオモテか否か」は内臓をえぐり出す、でもその上で曲として構成するという難しい作業でした。内臓をえぐり出すだけでは、ちょっとグロいから、キレイに掃除しなきゃいけない。でも掃除しすぎてキレイになりすぎたら真意は伝わらない。これは難しかったですね。逆に3曲目の「LIVING ROOM」という曲は歌詞も含めて85%がジャムセッションで出来上がっていて、内臓をえぐりだしてほとんど掃除をせずに歌っているのでその対比とかも面白いかもしれないです。
-今作をリリースしたあと8/10には赤坂BLITZでのワンマンライブが控えていますね。どんな日にしたいですか?
井出匠:今までで最高のライブにしたいというのはもちろんですね。常にそう思ってライブやっていますが、それを越えたい。この日は本当に特別な日になるはずです。このワンマンをやってみて見える景色とかわかることってたくさんあると思うんですよね。それをみんなで共有してとにかく楽しんで先に繋げたい。自分たちにとっては大きい挑戦で節目のライブにはなると思いますが、この先の展望も考えていて、これで全然終わりじゃない。次作のことや次なるライブのこととか。この日に集まってくれるみなさんにそれを直接言葉で伝えられたらいいなと思っています。しかもBLITZはステージも大きいから今までやりたくてもできなかったこととかもやってみたいなと思っていて、今ちょうどセトリをいろいろ考えていて、全部やったら時間オーバーで、絞り込む作業をしています。今から本当にワクワクしますね。
-これからも応援しています!HaLLELUJaH-ハレルヤ-も引き続きよろしくお願いします!
井出匠:こちらこそです!よろしくお願いします!!
ーライブ情報ー
2016/6/4(土)
吉祥寺チェインギャング
【ALLaNHiLLZ Fan Meeting】
2016/6/11(土)
吉祥寺STAR PINE’S CAFE
美馬雅世presents【〜SOUL LOVERS vol.6 〜】
2016/6/14(火)
タワーレコード 渋谷店
【CoCoRoリリースパーティin タワレコ】
2016/6/17(金)
渋谷 eggman
ALLaNHiLLZ×shibuya eggman Presents【HaLLELUJaH-ハレルヤ-vol.39】
2016/6/26(日)
神田 THE SHOJIMARU
ササキオサム×ALLaNHiLLZ【Link → of ← Ring】
2016/6/30(木)
柏PALOOZA
【柏 ヒキガタリのモノガタリ 水無月編】
2016/7/2(土)
渋谷UNDER DEER Lounge
RIKU 30th ANNIVERSARY【bridge -raw beats raw move-】
2016/7/7(木)
下北沢モザイク
MOSAiC PRESENTS【何かしらが爆発する夜vol.6】
2016/7/15(金)
赤坂Graffiti
ALLaNHiLLZ×木下直子 Presents【Road to BLITZ -special 2man-】
-pick up live-
2016/8/10(水)
赤坂BLITZ
ALLaNHiLLZ ONEMAN SHOW【Rolling Party 2016 IN BLITZ】
開場 18:15 開演19:15
チケット:前売¥3,800(D別)/当日¥4,300(D別)
member:大塚雄士(Dr.)/ 井嶋啓介(Ba.)/ 芳賀義彦(Gt.)/ アサヒ(Key.)
special guest:族音二重奏(林 久悦 / 林 由恭)/ オバタコウジ from MarineBottle
6月15日 発売
2nd full album「CoCoRo」
¥2,700(税込)/ MSPL-0006
01.ココロココカラ
02.TSUBASA
03.LIVING ROOM
04.心も抱きしめられたなら
05.Grief
06.裏のウラはオモテか否か
07.DOOR
08.Happy Go Lucky
09.E-OH E.E.E.OH
10.優しさ優れて