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Ivy to Fraudulent Game interview
- SPECIAL -

Ivy to Fraudulent Game interview

murffin discsへ移籍して2年。コロナ禍、そしてメンバーの脱退と激動の日々を乗り越え1年4ヶ月ぶりのリリースとなるフルアルバム“RE:BIRTH”は、初期衝動さえ感じてしまう青臭さと、バンドが持つ音楽的深さが見事に混じり合った名盤だ。ここ数年の歩みと今作にかける思い、そしてツアーに向けてメンバーに語ってもらった。

Interview&Text:渡邊直人

ー 2021年9月にmurffin discsへ移籍して2年となりますが、この2年間どんな2年間でしたか? 

■寺口 宣明 (Gt&Vo):コロナのタイミングで事務所がなくなるという話になってしまって、自分たちの中で「これからどうする」といった話をしていた時に声をかけてもらって救われたというか、、、もっと路頭に迷うんだろうなって、正直覚悟を決めていたタイミングだったのでそこはもう感謝しかないです。

ー 何かそれまでと比べて変化はありました?

■寺口:ある種の体育会系というか。自由だけど、自由だからこそ自分たちでしっかり頑張って結果を出していかなきゃいけない場所だと感じているので、アイデアはもらいつつだけど、自分たちでより考える機会が増えました。

ー 動き方も自分たちで決めてるんですか?Ivyってこんなにライブやるっけ?ってぐらい、ここ数年はめちゃくちゃライブやってるイメージです。

■寺口:一ヶ月ライブがないだけで、永遠のように感じますからね、、、

■カワイリョウタロウ (Ba):1週間空くだけでそわそわしますね(笑)ライブ本数は増やしていくスタンスでやっていこうかって話はして動いてきました。

ー ライブの印象もここ数年で変わったように感じます。みんな笑うようになったなぁって。

■寺口:それはよく言われますね。久々に見た人からも印象変わったって話はよく出てきて、自然体でいられるようになったと自分でも変化を感じています。

ー メンバーの脱退もありましたが、その期間も前に進み続けているように感じました。

■寺口:最初はやっぱり戸惑ったし、基本的にはなんとかしなきゃ!みたいなエネルギーで進んでるんですけど、ふと冷静になって一気に落ち込む、みたいな精神状態でしばらくやっていて。でも、そこでバンドを止めようとかって話には全然ならなかったんですよね。多分メンバーもそうだったと思うんですけど、なんとしてでも自分の愛するものを諦めたくはないという気持ちが強くあって。形が変わってしまうのは残念だし、ファンのみんなからしても4人の姿が好きだったっていう、当たり前にそういう意見があって。でもそんな中でも、なんとか音楽を止めず形成・再生し続けるっていう姿は、たとえ綺麗じゃなくても美しくはあったのかなって。

ー 大変なタイミングだからこそ、この3人が結束して強くなれたようにも見えました。

■寺口:この状況になって、正式メンバーでやってきたことの凄さというか安心感というか、、、今になってそういうところにも気付くことができたので、ここからはもうちょっと地に足をつけたい、地盤を固めたいという気持ちが実際あるので、今、そんな方向に向けて模索中です。

ー そしていよいよリリースとなる5TH ALBUM「RE:BIRTH」ですが、制作するにあたり、何かコンセプトなどはありましたか?

■寺口:今の自分たち、、、例えば、変わったと言われることとかって、自分たちで意識していた部分でもあって、そこをちゃんと投影された作品にしたくて。3人それぞれの曲でそれができたなと感じてます。これまでの経験を踏まえ今の自分たちにあるものを軸に、挑戦や新しさといった今やりたいことを詰め込みました。

―「RE:BIRTH」というタイトルは誰が?

■カワイ:これはノブ(寺口)がもってきてくれたんだよね。

■寺口:このアルバムの最後の曲「BIRTHDAY」を聴いた時にそういうタイトルになるだろうなって。

■カワイ:言われた瞬間に納得というか、ストンと落ちた感覚でした。

■福島 由也 (Dr):今の自分たちの状況を一言で表す言葉で、良いタイトルだなって。

― 今作は今まで以上に、日常に寄り添ったような世界観に感じました。

■寺口:自分の中ではこのアルバム、10代っぽさ、子供から大人に変わっていくような色彩が見えてくるものだと思ってます。いい意味でまだ定まり切っていないような感触で、もしかしたらおれたちって今バンドメンタル的にはそういう段階なのかもしれないって、このアルバムから感じていて。まだ大人になりきれてないけど自分らしさもなんとなくわかってきて、その上でどうする、みたいな10代後半の人物像というか。

―ここへ来て初期衝動的なものを感じるアルバムですよね。楽曲的な振り幅も広い今作、メンバーそれぞれ作曲してると思いますが、それぞれのお気に入りの1曲を教えてもらっていいですか?

■寺口:M4「花火が鳴って」ですかね。最近の個人的な音楽の好みが、ロックバンドというよりかは、ギターも入っているけど音数少ない、みたいなものを好んで聴いていて。ただIvyの中で意外とそういう曲がなくて。これまで静かな曲か激しい曲、みたいに両極端だったので、ど真ん中な曲を作りたかったんです。あとシチュエーションを設けた曲ってあまりなかったので、「花火が鳴って」というタイトルの通り、夏の男女の青春っぽい部分を描いているんですけど、シチュエーションの中でストーリーを描いてっていうところに挑戦した曲です。

■カワイ:僕は、M1「追いかけて」なんですけど、普段はメロディを思いついてそれからオケを作っていくって感じなんですけど、これはオケから作ってメロディをはめていって。自分が好きなものを詰め込んだ形にしたくて、それを福ちゃん(福島)にアレンジしてブラッシュアップしてもらいました。歌詞も、前半は自分に向けて歌っている感覚なんですかど、後半は複数形になって自分にも聴いている人にもバンドにも歌っていて、いろんなところに刺さればいいなと思って書いた曲です。作詞にはノブ(寺口)も入ってもらってるんですけど、レコーディングで実はこれが一番難航しました(笑)けっこう頭抱えてたんですけど、めちゃくちゃいいものが出来たんで嬉しかったです。

― この曲もある意味、ここ最近の新しいIvyの一面だと思っていて、こういった空気感の曲をIvyらしく形にできているのはかなり強いですよね。

■カワイ:サビのメロディが最初違ったんですけど、そこをノブに変えてもらったりして、それでかなり印象がよくなったんじゃないかなと。

■寺口:レコーディングも同じところを8時間ぐらいやってましたね(笑)メロディ変えながら歌詞変えながら。リョウタロウとおれの間を歌詞とメロが行ったり来たりして、、、

■福島:そもそもそこに至るまでも3回ぐらい書き直してたもんね。(笑)

■カワイ:このアルバム作って、制作過程全てが勉強になりました。

― 福島さんはどうですか? 

■福島:M12「BIRTHDAY」ですかね。他の曲は元々テーマが決まっていたりして、M2「春の中へと」はイベントタイトルだったりしてそこから作り始めるみたいな流れだったんですけど。「BIRTHDAY」に関してはみんな「好きに書いていいよ」みたいなスタートで(笑)
「いつでも自分の意志で生まれ変わっていけるし、その日が新しいバースデーになるよ」っていうメッセージは、今Ivyとして出すメッセージとして、間違いないものだなと思って。
たまたまリリース日が自分の誕生日なところもあってこの曲を書きました。

■寺口:この曲出てきた時嬉しかったですね。

■カワイ:泣いたね。

■福島:バンドがポップに変わっていって、もちろん自分たちの中で意識的に変化してきた部分もあるんですけど、そうでなくて自然に変わってきた部分もあって。自然体でこういう曲を書けるようになったことが自分の中で大きかったです。

■寺口:音像とかは前もこういうことをやってたけど、以前より生活の中で違和感なく入ってくるものになっているから、変化が自然に出ているように思えたし、そんなバランスをもってこういう曲がリリースできるようになったのは、シンプルに嬉しいですね。

― また別ベクトルでのポップさが詰まったM6「WONDER LAND」も印象的でした。Enfants松本大さんも編曲となっていますがこの経緯は?

■カワイ:この曲何回も繰り返し聴いちゃうんだよな。

■寺口:松本大と元々コラボする予定ではなかったんですけど、レコーディングにフラッと遊びにきてくれて、「フェイク入れて」的な話から「コーラス入れたい」みたいな話になって、気付いたらガッツリコラボしておもしろいことになってました。

■カワイ:主軸を持っていかれたよね(笑)

■寺口:元々弾き語りで作ってた曲で、2年前ぐらいからあったんですよ。その時も形にしたくてアレンジ進めたりしてたんですけど、いまいち出せずにいて。そういうのIvyの曲ではめずらしいかもですね。結果、松本大が絡んで完成するという。

■福島:寝かせたかいがあったね。

― 松本大さん待ちだったのかもしれないですね (笑)

■寺口:こんなことになるとはこの曲も思ってなかったと思います(笑)

―  そしてツアーが始まります。ツアー初日は10/2(月)eggman、よろしくお願いします!この日はコンセプトワンマンということですが、どんな日になりそうですか?

■寺口:アルバム収録曲限定でやらせていただきます!といいつつ、以前もeggmanで収録曲限定でライブやったんですが、アンコールでは普通に1時間ぐらい今までの曲やってましたね(笑)

■カワイ:2部制みたいになってたね(笑)

― ツアー前半は対バン、後半はワンマンとなってます。今回は細かく周りますね。

■寺口:対バンで起こる化学反応的なものに期待する部分もあるし、でもやっぱりワンマンでも周りたいよね、っていうところでこの形になりました。

■カワイ:ワンマンツアーはかなり久しぶりですね。

■寺口:各地で待ってくれているお客さんもいるし、出来る限り細かく周りたいというところもあって、両方ガッツリやるので、楽しんでもらえたらなと思って組みました。

― 地方含め、Ivyのワンマンを待っている人は多いと思います。

■寺口:ここ最近の変化した部分も含めて、しっかり伝えられるのはワンマンだと感じていて。どうしても短い時間だと表現し切れない部分はあるので、そこを余すところなくしっかり伝えられるワンマンは、やっぱり楽しみですね。

― 最後に、ツアータイトル「揺れる」ここに込めた想いは?

■寺口:自分たちがやってきた自主企画のタイトルでもあるんですけど、今回初めてツアータイトルにしました。そうしたからには、今までの歴史も踏まえたツアーにしたいですね。今までの「揺れる」で築き上げてきたものと今の新しい自分たち、両面見せられるツアーにしたいと思います。


Ivy to Fraudulent Game Presents “揺れる“tour 

【Concept Oneman】
10/02(月) shibuya eggman

【対バンツアー】
10/14(土) 周南LIVE rise
10/15(日) MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
10/21(土) 前橋DYVER
10/22(日) HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
10/28(土) 京都MUSE
10/29(日) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
11/03(金) 水戸LIGHT HOUSE
11/04(土) 千葉LOOK

【ワンマンツアー】
11/23(木) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
11/25(土) 札幌Bessie Hall
12/02(土) 金沢vanvanV4
12/03(日) 新潟 CLUB RIVERST
12/09(土) 高松DIME
01/06(土) 広島SIX ONE Live STAR
01/07(日) 福岡INSA
01/13(土) 名古屋ell.FITSALL
01/21(日) 心斎橋BIGCAT
01/28(日) Zepp Shinjuku (TOKYO)