窪田:eggmanには何度も出演はしていますが、本誌には初登場なので、まずはバンド結成の経緯を教えてもらえますか?
星花:もともとベースの川合とは中学校の同級生なんですよ。卒業してから再会した時が、私が当時やっていたバンドが解散した頃だったんです。そうしたらちょうど川合が作曲活動をしていたので一度歌わせてほしいという話をしたのがきっかけですね。そこから知り合いの人にギターの小野とドラムの工藤を紹介して頂いて、この4人が揃ったっていう感じです。
川合:実はその前に星花にバンド誘われた時、1度断ってるんですけどね。
窪田:そうなんですか!?
川合:ひたすら作曲活動していただけでバンドをやっていたわけでもないし、星花の性格も知っていたので断ったんですよ。
星花:それだと私が怖い子みたいじゃない(笑)
一同爆笑
川合:まぁそれは冗談として、白黒はっきりした性格なのは知っていたので中途半端な答えが出せなかったんですよね。でも2回目に誘われた時に覚悟決めました。
窪田:バンド名がかなり特徴的ですが、なにか由来はあるんですか?
星花:Savannaっていう言葉をどうしても私が使いたかったんです。
窪田:なにか理由があるのですか?
星花:完全に直感です!(笑)色んな案を あげていった中に”Violent is Savanna”っていう言葉があって、”バイオレント”っていう言葉は”刺激的な”
っていう意味合いがあるので”音楽に対して常に刺激を与えていきたいし、私たちも与えられるような立場でずっと音楽と向き合っていたい”っていう想いを込めてこのバンド名になりました。覚えづらいバンド名なのでちょっと損かなとも思ったんですが、初対面の方々との会話のきっかけにもなるので今はこのバンド名にしてよかったと思います。
窪田:メジャーデビューしてそんなバンド名が世に広く出てから1年経ちましたが、なにか変化はありますか?
星花:変化したことは自分たちが出す音や表現にすごく責任感を持つようになりましたね。もちろん元々責任感はある程度持っていましたが、それがより強くなったと思います。やはり音で私たちのバンドを評価されたりイメージを持たれるので、当然妥協はできないですし、常に完璧なものを目指すようになりましたね。
川合:周りの人たちが支えてくれてはいるんですが、最終的には誰も助けてくれないので自分の意思や意識はすごく強く持つようになりました。
小野:僕も今までの二人同様意識が変わりましたね。自分たちのことを見てくれる人、自分たちの音を聞いてくれる人たちが増える中で、逆にその方たちのことを僕らは目に見えないことって多いじゃないですか。だからそういう中でも常に表現者として見せること聞かせることは意識するようになったと思います。
工藤:東京にでてきて沢山の人と出会って色々な繋がりができていったのが大きな変化かなと思います。そのおかげで技術面や精神面で成長できた部分も大きいと思うので。
窪田:そんな4人の今が詰まった今回のミニアルバムについて聞いていこうと思うのですが、まず一言で表すとどんな1枚ですかね?
星花:私たち”Violent is Savanna”はこういうバンドです!って自信を持って言えるような1枚ですかね。名刺代わりの様な。
窪田:どのようなコンセプトで制作したのでしょうか?
星花:テーマは『愛』です!元々私たちって愛を歌った曲が多かったんですけど、改めてそれをテーマに1枚のCDを作ったら面白いんじゃないかという気持ちになったのが始まりですね。『愛』って一番側にあって、一番大切にしなければいけない感情だと思うし、目に見えなくて不安定なものだけどきっと全員が感じたことのある感情だと思うのでそれをテーマにしました。
窪田:今作では自分の武器=担当パートの音以外は使用禁止で、さらにセルフプロデュースにも挑戦しているとのことですが、それはやはり難しかったですか?
工藤:セルフプロデュースということでドラムの音決めの部分でも色々と試行錯誤しましたね。
星花:今まで自分でコーラスを考えたこととかほとんどなかったですし、歌詞を活かすためにメロディを変える相談とかしたことなかったんですけど、今回は初めて川合に色々と相談して自分の武器=声を活かせるように工夫しましたね。今までは決めてもらっていた部分などもあったんですが、曲ごとのテーマにそって変えたりしました。
窪田:今作を聞いて、ギターの小野くんはかなり色々工夫したんだろーなーと思ったんですがどうですか?
小野:そうですね。いつもギターのフレーズなどを考えるときにキーボードの音などが浮かんだりするんですがそれをギターで表現したらどうなるだろうとかすごく色々と考えて音作りはしました。聞こえるか聞こえないかくらいの音量でオルガンっぽい音を入れていたりとか雨っぽい音をいれていたりとかすべてをギターで行ったので聞いた方々がこの音ってギターなの!?って思ってもらえたらすごく嬉しいですね。
窪田:川合くんは全曲作曲をしている立場なので、セルフプロデュースは大変でしたか?
川合:僕は曲を作っているだけなので意外に大丈夫でしたね(笑)ベーシストの僕としては今までの経験を駆使しても足りない部分もあったので今回はメンバーに相談して助言をもらって制作を進めました。
星花:今までに比べてメンバー同士での会話がすごく増えましたね。
川合:レコーディングの際にって意味なんで仲悪いわけじゃないですよ(笑)
窪田:今回のアルバムのもう一つの大きな特徴が、佐久間正英氏をプロデューサーに迎えてのJUDY AND MARYの「LOVER SOUL」のカヴァーだと思うのですが、この名曲のカヴァー、そして佐久間さんのプロデュースにプレッシャーはありましたか?
星花:まずカヴァーについては、意外にプレッシャーはなかったんですよね。もちろんアレンジとかは苦労しましたし難しかったですが、私たちなりにシンプルでロックな表現ができたかなと思います。なによりこの曲をカバーできたことが純粋に嬉しかったです。佐久間さんのプロデュースに関しても以前にプロデュースをしてくださったことがあったので今回は前よりリラックスして臨めました。
窪田:1曲目の「It’s Power of LOVE」は正に佐久間さんサウンド!!って感じですよね。ジュディマリっぽいなーって正直思いましたもん。
川合:正直そこは狙ってますね。以前にプロデュースしてもらった際に学んだことを踏まえて今回はフレーズなどは考えましたし、せっかく佐久間さんにプロデュースしてもらうならとことんやってやろうと(笑)
星花:ジュディマリっていうかっこいいバンドがいて、まだ遠く及ばないけどそこを目指してます。そして越えたいと思ってます。というメッセージを込めました。
窪田:「LOVER SOUL」のカヴァーをやることに決めた理由を教えてください。
星花:佐久間さんプロデュースでカヴァー曲をやるって決まった時にこの曲をやるのが満場一致で決まったんですよね。11月リリースなので冬の愛の歌といったら「LOVER SOUL」しかないでしょ!って感じでした。この曲・このアルバムで自分たちの強い意思表示をしています。先ほども言ったんですけど自分たちはこういうバンドです!って自信持って言えますね。
窪田:CDを聞くとその強い意思表示がすごく現れているなと思います。さらにライブではそんな強い意志が見える印象があるのですが、ライブへの想いを聞かせてもらえますか?
小野:CDでは出せない生のリアル感は意識してますね。目でも耳でもその臨場感・空気感を味わってほしいなと思います。
星花:私はとにかくかっこよければいいかなって思ってます。ミスしたりとかしてもかっこいいことが一番大事だと思います。演奏とかは必ずしもCDのように完璧にはできないじゃないですか。でもライブはその現場でしかできないかっこよさがあると思うのでそこは強く意識していますね。上手いバンドよりは下手でもかっこいいバンドを目指してます。
川合:僕って基本的にすごく弱気な人間なんですけど、ライブだけは強気なんですよね(笑)自分たちを見ている人たちに最高だなって思わせるためにはまず自分たちが最高って思えるものを見せないと絶対伝わらないと思うんですよね。
窪田:川合くんは本当にライブ中楽しそうですもんね(笑)リズム隊のパートナーである工藤くんはどうですか?
工藤:ドラムって飛んだり跳ねたりはできないですけど、一人だけ視点が違うのでそれはすごく楽しんでますね。僕の中での良いライブの定義が「終わってほしくないライブ」なんですよ。なので僕たちを見に来た人たちが少しでもそう思ってもらえるようなライブを目指してます。
窪田:4人のそういった魅せる意識などはライブを見ているとすごく伝わりますね。最後になるのですがバンドとしての目標を教えてもらえますか?
川合:ドームツアーをできるバンドになりたいです。
星花:これは北海道にいるときからずっと言っている目標ですね。
窪田:随分具体的ですね。
星花:ライブで一度にたくさんの人に自分たちの音楽を聞いてもらいたいんです。ドームツアーを回ってラストは地元の札幌ドームでやりたいです。
窪田:最終的な目標地点もやはりライブというか生の現場なんですね。
星花:そうですね。今はドームの1列目にすら届かないかもしれないですがいつかドームの一番後ろまで届くようなライブをしたいです。
窪田:Violent is Savannaをドームで見れるのを楽しみにしてます!今日はありがとうございましたー!!
4人:ありがとうございました!