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RENO interview
- SPECIAL -

RENO interview

「ギターインストの、ギターという楽器の可能性を知って欲しくて」そう語るRENOの最新作、「IMAGE(イマージュ)」完成!

「歌う」ことにこだわりぬいたギターインストアルバム。

あなたはこの旋律を聴いて何をIMAGEしますか?

Talking Partner : TATSUKI

—リリースおめでとうございます!早速聴かせていただきました!

RENO(以下:R):ありがとうございます!

—今回10曲入りのアルバムですね!インストのアルバムとしては大作だと思うんですが、構想はいつから練ってたんですか?

R:アルバムを作ろうと思ったのは去年の暮れ頃からですね。曲は作ってもいたし年末からも作り続けてはいたんですが、実は今年の2月くらいになって、収録予定だった楽曲6曲を捨ててもう一度1から作り直したんです。レコーディングは4月からだったので1カ月あるかないかのぎりぎりの時期からの試みでしたね。

—ギリギリですね!何かきっかけがあったんですか?

R:1作目を作らせてもらった時に収録したのが、自分から自然と出てくる初期衝動でかいた曲たちだったんですよね。
それを経て今回2作目を作るにあたって、ギタリストとしてのテクニックの部分を出そうとしていたんです。それってギタリストのインストの作品としては本当にごく自然なことだと思うんですが、なんだかしっくりこなかったんですよね。「自分っていうギタリストってなんなんだろう」って思い始めたんです。このまま作品にすると後悔するかもしれないって思って、「ギターが歌う」というところに特化した作品を作りました。

—「ギターが歌う」っていう言葉が本当にぴったりな作品ですよね。息遣いまでギターで表現してるんじゃないかって思いました。

R:強弱やニュアンスはとても意識して演奏しました。ずっと全開で弾くと飽きちゃうと思うし、AメロBメロがあって徐々にサビに向かっていく感じや、2番のAメロは歌い回しが違ったりというような歌モノにある要素をやっぱりしっかり表現したかったし。だから、速いフレーズもそんなに多くないし難しくないように聞こえるんですけど、ニュアンスの方に特化して逆に難しいプレイなんですよね。ギターでメロディーを考えるんじゃなくて、演奏を流して自分でメロディーを口ずさんでからギターで清書する感じだったので、結果的に自分らしさも出せましたね。

—そうなんですね!だからより歌モノっぽさがあるんですね。ギターを弾かないイントロがちゃんとありますもんね(笑)

R:そうなんです(笑)弾かないかっこよさもあると思うし、敢えてイントロを弾かないことで、メロディーを弾き始めた瞬間に聞き入ってもらえるものをもあると思いますしね。あとは、ちゃんとギターソロセクションも設けているんです。全部ギターソロじゃんって思われるかもしれないですけど(笑)。

ー今回の「IMAGE(イマージュ)」というタイトルはどういう意図があってつけたんですか?

R:「イメージ」という単語を僕自身よく使うんですよ。曲を作る時とか、誰かと何かを進めていく時に繰り返して。曲を聴いた時に何を思ってくれるんだろうなって考えた時に、すうっとこの「IMAGE」という言葉が出てきました。
ただ、曲のタイトルに関しては少し悩みもありましたね。もちろん情景を思い浮かべながら作るんですが、タイトルをつけることで聴く人のイメージを固定させてしまうんじゃないかなって。でもこういう風に聴いて欲しいんだよなっていう作り手の思いとの絶妙なバランスが難しかったです。決めつけたくもないし、それぞれの自由な思いで聴いて欲しいアルバムなので。

—今回の収録曲についても聴かせてください。リード曲的な立ち位置になる「Flowing」。

R:リード曲というつもりで作ったわけではないんですが、この「Flowing」を書いたことによって今回のアルバムの基準がしっかり作れたなっていう思いはありますね。春らしい壮大なイメージを伝えられたらなって。この曲は他の楽器を入れることなく、ドラムとベースとギターだけで作った曲なんですよね。この最低限の楽器でどこまで表現できるかってチャレンジしたかったんです。メロディーの大切さも更に伝えることができるんじゃないかなって思っています。

—「M.P.B」は楽しい楽曲ですよね。

R:そうですね、これはアメリカのパーティー系バンドのイメージで作りました。単純に楽しい感じを伝えられたらなって思って作った曲ですね。それに対して次の「The Ugly Kings」は対照的な感じですね。自己中な王様がどんどん転落していくっていうストーリーがあるんです。それをロックで表現したら面白いかなって。

—続く「Stardust」も綺麗な曲ですね・

R:これはもうタイトルのままの通りの曲ですね。今回の収録曲の中でこの曲が一番歌に近い表現をしたと思います。一番自分らしい曲ですかね。ボーカルのために曲を書くってなったら、きっとこういう風にロックでありながら切なさも疾走感もある曲を書くんだと思うんです。

—そんな余韻を一度いい意味でリセットしてくれる「Oblivion」。

R:この曲はギターの入っていないSEなんですが、これは次の曲の「罪と罰」に入る前に一呼吸おいて欲しかったんですよね。「Stardust」の後にそのまま「罪と罰」にいくんじゃなくて一度この曲でモードを切り替えたかったんです。このアルバムを流れで聴いて欲しいので、ギターは入ってないんですけどこの曲とても大切なんですよね。そのくらい「罪と罰」は本当に自分の中の色んな気持ちが入って深い曲なんです。今聴いても鳥肌立ちます。なんとも言い表せない感覚を曲にしたかったんですよね。

—「Distant Memory」についても聴かせてください。

R:父がエリッククラプトンやジェフベックが大好きだったんですよ。彼らは世界的にも有名なギタリストで、彼らのもっている大人なギタリストの部分を表現したかったんです。だからタッチやニュアンスを表現するのがとても難しかった。「Distant Memory」っていうタイトルは、自分がまだ小さい頃に親父の隣でなんとなく聴いていた遠い記憶をたどって書いたって意味ではあるんですが、「大人の恋愛」というテーマもこの曲にはあるので聴く方は「大人の恋愛感」を思い出しながら聴いてもらってもいいかなって思ってます。

—そして続く「Amethyst」は本当に景色の浮かぶ曲ですね。

R:純粋に幸せな感じを出した曲なんですが、完成したのが2月だったので、2月の誕生石をタイトルにしました。さっき言葉が浮かぶって言ってくれてましたけど、インストの自由度の高さってそういうところにありますよね。場所も時も選ばないし。好きな時に聴いてもらえる曲かなと思います。
この曲からの「Chemical ROCK」って流れが面白いですけどね(笑)ただコールアンドレスポンスをやりたくて作った曲なのでここもまた対照的な曲が並んでますね。
ライブで楽しめる曲が欲しくて作ったので、このアルバムの中では少し色が違う感じもありますけど、「歌う」というところから「声を出す」というところに意味があって入れることにしました。この曲がアルバムの最後っていうのもなかなか変ですよね(笑)

—なるほど、ありがとうございます。
6月3日の渋谷MT.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのワンマンライブで会場販売開始。そして、7月の全国リリースの後、このアルバムを引っさげて東名阪ツアーが始まりますね。意気込みを聞かせてください!

R:今回の「IMAGEイマージュ」」を出すにあたってのこの期間は自分を見つめ直す時間でした。今まではギターインストを自分がやりたくて自分がやりたくて作ってきたんですけど、今回は色んな人に伝えたくて、聴いて欲しくて、届けたくて作ったので、初めて来た方でも楽しめるようなライブにできると思います。色んな曲で色んなイメージを膨らませられるような時間にしたいと思っています。

—それでは最後に、今回の作品を漢字1文字で表現するとしたらなんですか?

R:「想」ですね。ギターインストやギターの可能性をもっと色んな人に知って欲しいっていう「想い」でこのアルバムを作りました。

—ありがとうございました!