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SAKANAMON interview
- SPECIAL -

SAKANAMON interview

12年目を迎えるSAKANAMONの2020年最初の作品「LANDER」
「今までで一番すんなりと完成したアルバム」と語るほど、今のSAKANAMONがなにも着飾ることなく表現された1枚。
常に新しいSAKANAMONを求め続ける彼らの、今回の作品に込められた思いを語ってもらいました。

Talking Partner : TATSUKI

—2020年1作品目となります、2月26日「LANDER」リリースおめでとうございます!

藤森元生(以下:藤森):ありがとうございます。

—毎回言っている気がしますが、今作もまた新しいSAKANAMONが目白押しな作品ができましたね!

藤森:そう思ってもらえるのは嬉しいですね!幅はまたさらに広がったかと思います。

—そうですよね、楽曲の幅が今回も今までとはまた違う線上での幅ですね。バキバキのロックバンド感を出しつつも、おしゃれにもメロウにも行くし。すごいアルバムですね!SAKANAMON的にはどんなアルバムですか?

藤森:前作をリリースした時に一つ自信がついたところがあって、迷っていたものを吹っ切ることができたのもあって、そういう気持ちを一から作って表現できたかなとお思います。だからなんというか、とても健康的なアルバムができたんじゃ無いかなって思いますね。とても明るいというか、綺麗なアルバムになったと思います。

—1曲目「FINE MAN ART」からインパクト大で来てますよね!今までのSAKANAMONといきなり違うというか。

藤森:この曲はもともと、自分がソロでオープニングアクトとして出演することになった時に、ただSAKANAMONの曲を弾き語りするだけじゃつまらないなと思って作った曲なんです。チャレンジではあったんですけどね。
それ以来ずっとこの曲を演奏する機会はなかったんですが、前回のツアーからSEとして使ったりはしていて、このタイミングで収録されることになりました。

—それが深夜ドラマ「ハイポジ」の主題歌に決定してるんですよね。ものすごいストーリーですね!オープニングアクト用に作った曲がバンドの SEになり、ドラマの主題歌になるって。

藤森:いつもと違うきっかけやプロセスで作ったからSAKANAMONの毛色と違ったんですよね。でも、今作に収録されることになったのも結果的にとてもいいタイミングでもあったのかなと思っています。

—頭からこの曲来たら、「あれ?かけるCD間違えたかな?」って思っちゃいましたね。とっても新しかったですね。

藤森:前回のツアーに来てくれてる方は、すでに聴いてはいるんですが、その時はこの曲なんだろうっていうくらいのリアクションだったので(笑)

—でもとてもエモーショナルな要素もあっていいですよね。

藤森:これからどんどんこの曲の印象は変わってくれると思いますね。

—そして過去曲も収録されていますが、、、今回のリード曲は「HOME」!毎回アルバムのリード曲のチョイスに驚かされている僕です。。。

藤森:前作リード曲は「矢文」でしたしね。確かにそうかもしれませんね。ただ、悪い意味じゃなくて、どの曲がリード曲でも行けるかなって思えるようになったんですよね。11年続けて来たが故にだと思いますが。

—「HOME」はどんな思いで書いた曲ですか?

藤森:この曲はノスタルジーな感じを出しつつ、且つ楽しい感じを出したくて書いた曲ですね。ストーリーはフィクションです。地元にこんな友達はいないですね(笑)

—それは聞きたくなかった(笑)でもこういう暖かさを感じるきっかけがあったんですよね?

藤森:どちらかというとこういう楽曲に憧れがあって書いてみたかったというのが本音かもしれないですね。ジブリ感を出したかったのかな。トトロのさつきとメイが森の中の新居に向かって行く途中で車の窓から顔を出してる感じですかね。

—歌詞にもそういう物語が確実に表現されてますもんね!

藤森:僕地元が宮崎なので、こういう田舎に帰って行くような感覚っていうのは潜在的にありますね。

—そんな感覚から生まれたのがこの「HOME」ということですね。今回この曲あたりから後半へ向けてどんどん柔らかくなって行く印象をうけた曲順だったんですが、何か狙いがあったんですか?

藤森:一曲目が「FINE MAN ART」で、この曲ってすごく焦らすじゃないですか。そこから勢いを落としたくなかったというか、買ってくれた人に「このCD当たりだ!」って早い段階で思わせたかったんですよね。そこからいろんなものを見せて行くっていう順番ですかね。ディープになって行くところもありつつ、最後は「コウシン」で締めるという感じですね。

—なるほどですね!今回、初の全打ち込み楽曲がありますよね!これはまた新しいですね!

藤森:元々僕は中田ヤスタカさん大好きでPerfumeみたいな打ち込みの曲をよく作るんです。今回そんな雰囲気で曲を作っていたんですが、生楽器が入ることで世界観が中和されてしまうのであれば、生ドラムにせずに打ち込みのままでいいんじゃないかって話がドラムのキムさんからありまして。「これ俺叩かなくていいんじゃない?完全打ち込みでいいんじゃないかな」って。あ、そういう感覚ってありなんだなってその時思ったんですよね。じゃあ面白いからそうしようってなりました。俺が叩かないなら俺たちの曲じゃない!っていう感覚はなかったみたいで、無限の自由を手に入れたような感覚でしたね。もちろんバンドでやることが不自由な制限とは思っていないんですが(笑)

—この幅もありなんだなって印象ですよね!

藤森:もちろんこればっかりではバンドとして成り立たなくなってしまうんですが、こういうこともSAKANAMONはできるぞ!っていうところが見せられたかなと思います。

—キムさんはどういう心境だったんですかね?

藤森:素直にそのままだと思いますよ。元々あの人もダンスミュージックが好きなので、そういう音楽への理解も深かったのかもしれないですね。

—「少年Dの精神構造」。これタイトル的にとても気になっていたんですが、Dはどなたですか?

藤森:Dは具体的にはいないんです。よく少年Aって表現されるじゃないですか。Aってだいたい主人公で。で、そのストーリーを成り立たせる中で、少年Bや少年Cが出てくるんですが、この曲の主人公はたぶんDくらいな人なんですよね。そのくらいの立ち位置の人を主人公にした曲です。あとは「童貞」の「D」です。目立つこともなくおそらく童貞であろうポジションの人間の物語ですね(笑)

—なるほど。さすがTENGAコラボアーティストSAKANAMONですね!!(笑)

藤森:そうですね、この悶々とした思春期の妄想感を表現しました。

—今回の作品で他に、変わったことしたよ、新しいことしたよ、これ聴きどころだよっていう曲はありますか?

藤森:そうですねー、「YOKYO」は友人の結婚式で歌った曲なんです。冒頭部分はその時に実際に録音した音を入れているんです。
あとは、「夏の行方」は森野さんと一緒に作詞作曲した曲ですね。両方に両者が絡んだのは初めてなんじゃないかなと思います。
今回アルバムができるの本当に早かったんですよね。歌詞も曲も。もちろんこだわりもありますし考えるのは大変でしたけど、それでもいっぱいいっぱいになったり行き詰まるということはなく、本当に安産できたなって感じでしたね。

—本当にいつもと違う爽快な出し切った感なんですね。そんなアルバムを持ってリリースツアーが始まりますね!今回はどんなツアーにしていきたいですか?

藤森:前回のツアーかなり手ごたえがあったんです。今回は新しい曲もたくさん解放していきますし、どうなるんですかねー。変な意味合いではなくハッピーすぎるのも嫌だなって思っているんです。どうなるかなー。なるようになるんですかね!

—今回のツアーファイナルはTSUTAYA O-EASTですね!久しぶりのEASTですか?

藤森:そうですね、3年ぶりくらいになると思います。

—今回のツアーで行く土地、特に思い入れのある場所はありますか?

藤森:もちろんどこもそうなんですが、地元である宮崎ですかね。いつも宮崎はSRホールに行っていたんですが、今回は高校時代にお世話になっていた方達がやっているライブハウスなんです。規模は小さめではあるんですが、そういう方達に今の自分を見てもらえるっていうのはとても楽しみですね。ここでやりたいなってずっと思っていたので、今回それが叶って嬉しいですね!

—地元凱旋ライブ、本当に楽しみですね!今のSAKANAMONなら残せるものがきっとありますもんね!

藤森:そうですねー、、、人は入るのかなー。最悪、親戚いっぱい呼ばなきゃかなー(笑)

—いやいや、そんなことはないでしょう!!!(笑)今のSAKANAMONなら!

藤森:そうですね、そうなると信じて頑張ろうと思います!

—今回のツアーに来てくれる方々にメッセージをお願いいたします!

藤森:早くアルバムを聴いて、ツアーを楽しみにしていて欲しいです!
今回も一緒に楽しめる曲もありますから、ぜひ予習してきてもらいたいですね、ややこしい曲もいっぱいありますからね(笑)

—毎回ですけど、今回もいい意味でセットリスト組むのが大変そうですよね。

藤森:そうですね、これはもう本当に毎回の課題ですね。僕らも毎度悩まされてます。幅が広すぎて収集つかないですよね。

—なんか現段階でイメージはあるんですか?

藤森:そうですねー、「FINE MAN ART」はやっぱりイメージ通り最初になるのかなー?あとは「HOME」がエンディングの方がグッとくるのかなーって思っていますが、ここは要検討ですね。

—きっとツアー中に回を重ねて行くことで、曲の届き方も見えてくるでしょうし、ファイナルのEASTの時にはいろんなしっくりくる形が見えてきそうですよね。どんなツアーファイナルになりそうですか?

藤森:今回結構多幸感のある1枚だからこそ、多幸感のあるライブにできるんじゃないかな?ただ楽しい、踊って楽しい、だけじゃなくて、笑いや感動も今までよりもっとパラメーターが高くなると思うので。泣かせようと思います!

—心の揺れ幅はきっとすごいでしょうね。満足度の高いツアーを楽しみにしています!この冊子を見てくれている方へメッセージをお願いします。

藤森:今回も新しいチャレンジがたくさん組み込まれているので、歌詞も含めて隅々まで覗き込んで欲しいですね。楽しめると思います。原点回帰的な歌詞もあるので、そういうところをいろんなことを想像しながら歌詞カードを持って聴いて欲しいです。

—最後になります!今回のアルバムを漢字1文字で表現すると何でしょうか?

藤森:「繋」ですかね。未だ音が届いていない遠くの人たちに届いて欲しいという願いを込めています。それが一番ですね。
それから我々もいきて行く繋ぎでもあり、今と未来への繋ぎでもありますので、そういう意味合いを込めています。

—ありがとうございます。