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SHAKALABBITS interview
- SPECIAL -

SHAKALABBITS interview

SHAKALABBITS史上初のミニアルバムとなる「BRACKISH」を11/7にリリースする彼ら。
来年15周年目を迎える彼らがなぜここまでのキャリアを重ね続けられたのか。
今回のインタビューを通じて、彼らがシャカラビッツとして存在し続けられる理由を
垣間見ることができ、確信したことがある。
「SHAKALABBITSは一つのジャンルとして成立している」と。

インタビュアー:ブッキングマネージャー窪田

-まずは今作のタイトルの由来を教えてください。

MAH:”汽水域”っていう意味の言葉なんですけど、自分たちのバンドってすごく特異な性質を持ったバンドだなって思うんです。メジャーに行ったりインディーズに戻ったりとか、大きいホールとかフェスでライブやったり小さいライブハウスでやったりとかしているので。でもそれは自分たちの中ではすごく信念を持っていて、場所とか環境とかでどうこう言いたくないからなんです。なんかその姿が真水でも海水でもないすごく曖昧で独特な場所に暮らす魚みたいかなと。そんなことを昔から思っていて、今作ができたときにこの作品は本当に”汽水域”だなって思ったんです。

UKI:あとは何年か前に宇野亜喜良さんの個展に行ったときに「お互いこれからも適当な存在でいたいですね」って言われたことがあったんですけど、その言葉が今回のタイトルを考えているときにふと頭をよぎって、正にこれだなって思いましたね。

MAH:宇野さんに自分たちのバンド人生を肯定してもらった気がしてすごく嬉しかったんですよね。

TAKE-C:適当ってパッと聞くとネガティブな感じしますけど、適当なことを勝手にやるとかじゃなく、何にも縛られることなく自由に良い物は良いと捉えて真水とか海水とか選ばなくていいんだって思えましたね。

-先ほどMAHさんがおっしゃってましたが今作は非常に幅広い楽曲が詰まっている中でも、そのすべてがしっかりシャカラビッツと感じられる楽曲で、シャカラビッツって一つのジャンルなんだなって感じました。

UKI:先ほどMAHも言ってたけど真水でも海水でもない場所で生きているバンドなので一つのジャンルで括るのではなく、私たちが一つのジャンルって言えるようになりたいって昔から思っているので嬉しいですね。

-しかも6曲で17分って異例の短さですよね。

UKI:候補曲はもう少し多かったんですけど、絞った結果こういう形になりました。

MAH:雑念を捨てた結果ですかね。純粋に自分たちが良いと思ったりカッコイイと思ったものを詰め込んだ感じです。

UKI:こだわりは「ある」し「ない」し、「ない」し「ある」しみたいな。

TAKE-C:確かにそうだね。この曲にはこのフレーズとかこのコードが合うかとかそういった部分は突き詰めてはいますけどね。

-曲作りは全員で進めていくんですか?

MAH:僕が持ってくる曲ネタがどんどん雑になっているので全員でやらないと作れないです(笑)。昔はしっかり作ってきてたんですけど、最近は携帯にメロディだけ吹き込んだものを聞きながら作ったりもしてます。

TAKE-C:それ聞きながらキーとかコードを探ったりしてます。MAHが思い描いてるのはこの辺りだろうなとか感じ取りながらですね。

-長年のバンド経験が集約された阿吽の呼吸ですね。

MAH:かなり助かってます(笑)。

-YOSUKEさんはしっかりと作品づくりに携わるのは今作が初めてですよね。

YOSUKE:まったく違和感なかったですね。

MAH:ベースラインに関してはほとんど口出ししてないですからね。

YOSUKE:すでに阿吽の呼吸です(笑)。

MAH:途中加入のバンドでいきなりここまでやれちゃう彼は本当に天才だなって思いますね。

UKI:私たちの曲作りは会話と似ているかもしれないです。特に意識して順番だてて計画的に作っていくというわけでもないので、会話と一緒ですこし戻ったりとか違うところに飛んだりとかもしますしね。

-今作はシャカラビッツ初のミニアルバムとしてのリリースになるわけですが、この形態にした狙いや意図があれば教えてください。

MAH:特に深い狙いや意図があるわけではないんですけど、ミニアルバムという形態が好きなんですよね。すぐ1周するから。車に乗ってる少しの間とかでも最後の曲からまた1曲目に戻る感じも聴けますしね。

UKI:ちょうどよい長さかなと思います。

MAH:音楽をもっと簡単に味わってほしいという気持ちが昔からあるんですよ。ファーストフードみたいな感覚で。

YOSUKE:マクドナルドって何回も行っちゃいますしね。

TAKE-C:気軽にいろいろ楽しめるセットメニュー的な感じだよね。

UKI:あとはこの4人で作り上げる最初の作品だったので1stっていう響きもすごくいいなとも思いましたね。

-じゃあ今作はどんなアルバムですか?って聞かれたらファーストフード的なアルバムです。って感じですかね?

MAH:そうですね。でも今作に限らず僕らの過去の音楽も含めて、そういう楽しみ方をしてほしいと思ってます。UKIの歌詞ってすごく良いことを言ってるんですよ。それが正しい!って思うことがたくさん詰まってるんです。でもそれを街頭演説みたいな形で訴えかけたらみんななかなか聞いてくれないと思うんです。音楽があるから大事なこともスッと心に入ってくるんですよね。

UKI:今作の楽曲たちのように2~3分くらいで納めるのが私たちには合っているんだと思います。

-音楽って不思議ですよね。歌詞だけ見たら重い内容でも音楽に乗ったら全然捉え方とか変わりますもんね。

MAH:魔法が掛かるんですよ。音楽って本当に素晴らしいものだと思います。

TAKE-C:これだけ長くバンドやっていても、やべー!カッコイイものできちゃった!ワクワクする!!みたいな感覚は常にありますからね。音楽を始めたときの初期衝動というか。

-4人は本当に音楽が好きなんだなと感じます。シャカラビッツはライブバンドという印象も強いのですが、ライブに対する考え方や意識などを聞かせてもらいたいです。

MAH:そう言ってもらえるとすごい嬉しいんですけど、僕らってライブバンドなんですかね?(笑)。

UKI:自分たちのことをライブバンドってそこまで思ってないんですよね。ライブは本当に大好きですよ。曲を作る時も歌詞を書く時も常にライブを意識していますしね。大きいホールでのライブを考えながら作る時もあれば小さいライブハウスを想像して作る時もあって。迷っているフレーズがあれば私は何を言いたいんだろう。という疑問を自分にクイズ形式で投げかけてお客さんが目の前にいる状況を想像して書く時もあります。

MAH:バンドって生活の根底にライブは存在し続けてますよね。音源として成立していることも大事だとは思いますが、それをライブに置き換えたときにそれも成立しているというのはアーティストとして完成度が高いと思います。

-シャカラビッツのバンド活動においてライブは切っても切り離せないものなんですね。

MAH:ライブをやるからバンドなんだと思います。

TAKE-C:バンドをやる楽しみが半減しちゃうと思うなあ。

MAH:生で感じる音楽のパワーってすごいですからね。

TAKE-C:若い子や音楽が好き!という子たちにはもっともっとライブハウスに行ってほしいなと思います。

UKI:動画で見るライブ映像とは全然違いますからね。もちろんライブに直接行けない事情がいろいろあるとは思いますけど、やっぱライブは生で見ないと勿体ないです。

-シャカラビッツは常に新しいことを求めて攻め続けている印象があるのですが、そこになにか信念とかあったりするのですか?

MAH:なにもしなければ食いっぱぐれちゃいますからね(笑)。

※一同爆笑※

UKI:安定感はないなとは思うけどそれを敢えて選んでいたりとか求めている訳ではないです。たまたま自分たちが考えていることや実行していることがそういう方向なだけで。わりと感じるままに動いてますね。

MAH:すごい欲張りなんですよね。長いツアーもやりたいけどカッコイイ作品も作りたい。

TAKE-C:確かにそうだね。

MAH:でもやっぱ音楽なので、楽しんだ者勝ちですよ。バカ売れしたいっていう気持ちはもちろんあるけどそれはそれで制限が付いてしまう可能性もあるし。逆にバカ売れしたらやれることも増えるだろうし。そう考えると僕らは「BRACKISH=汽水域」出身なんですよね。

-このインタビューの冒頭の話に戻りますが、やはりそこはSHAKALABBITSの根底というか信念の一つなんですね。

TAKE-C:今自分たちが生きているフィールドで常に新しいこととか楽しいことを探し続けますね。

-その信念だから長い年月同じバンドを続けていられているのかもしれないですね。

UKI:あとは情熱ですね。自分たち自身がSHAKALABBITSというバンドに対して一番愛を持っていると思います。

MAH:えっ!?って思われるかもしれないですが、終わりを常に意識しています。最高だ!って思えるようなライブをしたとき、最高だ!って思える作品ができたときも、このライブで最後だったらとかこの作品が最後だったらとか考えたらまだ終われないな、もっともっと良いものできるなって思うんです。このガイコツのタトゥーもそういう意味があって、誰だって最後は死ぬわけだから生きているうちにやりたいことを精一杯やりたくて。

UKI:やりたいことや挑戦したいことがとにかくまだまだあるんです。

MAH:バンドに永遠なんてないので、シャカラビッツもいつかは絶対に終わるんです。ただ、それは決して悲観的なものではなくて、自分たちは絶対になにかをやり遂げることができるって信じてます。バンドが終わるその時までにやりたいことをすべて出し切るつもりでその日その日にやれることに全力で取り組んでますね。

UKI:自分の力に期待し続けること、信じ続けることは才能だと思います。

-しっかりと終わりを意識しているという考え方はすごく新鮮ですね。今の若手バンドたちに教えてあげたいです。

UKI:そんな私たちが明るい音楽をやるから面白いのかもしれない。死とか終わりとかを考えているからこそ、みんなと楽しみたい。踊りたい。とかハッピーに生きたいんで、そこのバランスが良いのかもしれないですね。

-そんなシャカラビッツは来年15周年目を迎えますが、今後の展望など教えてください。

MAH:今メンバーそれぞれがDJをやったりし始めているんですが、その活動がまだ点と点なんですよね。それが線で繋がってなにか大きなコミュニティになったらいいなと思います。

TAKE-C:すでに会員募集は始ってますが、今更ながらファンクラブが発足します。

YOSUKE:”SHAKA CITY ROCKERS”というファンクラブの名前なのでみんながシャカラビッツという街の住人になってほしいなと思いますね。

MAH:こういった今までの活動でやってこれなかったことをやって大きなシャカラビッツの輪を作りたいです。

UKI:住みやすいかどうかはわからないですけど、明るい街づくりをしたいですね。あとはまだまだ言えないお楽しみ企画をたくさん考えてます(笑)。

-めちゃめちゃ気になりますね(笑)。今後の活動も楽しみにしています!

UKI:eggman出たことないのに先に取材受けちゃってスミマセン(笑)。

-機会があれば是非出演もお願いします!(笑)。本日はありがとうございました!

SHAKALABBITS:ありがとうございました!!

◉‪Jammin