―最新作「What do I crave to see?」聴かせていただきました。めっちゃカッコいいです!こんなに良い作品を作ってくれてありがとうございます!!(笑)。
TAKE-C:ありがとうございます!!(笑)。
-まず、タイトルに込められた意味から聞いていきたいなと思います。
UKI:1曲目の『Hello World』という曲の歌詞から引用した「何が見たい?」という意味の言葉ですね。
-なにかコンセプトがあったのですか?
UKI:いや、コンセプトに基づいて決めたわけではなくて。7曲全部が出揃ってタイトルを考えたときにいろいろな案が思い浮かんだ中で、クエスチョンマークを付けた言葉にしたいなと思ったのと、この「何が見たい?」という言葉は自分にも投げかけているし、この作品を聴く人みんなに問いかけてみたいなと思ったんです。こういうタイトルをアルバム自体に今までつけたことなかったし、面白いかなと。
MAH:俺がこのタイトルいいなって思ったのは、満たされちゃダメだなって最近すごく思うようになってきていて、それはお金とか物理的なこともだし気持ちとか抽象的なことも。
渇望することってすごく大事だなって思うようになりましたね。これだけ長い間バンドやっているといろいろなことがあって、当然良いことばかりではなくて、腹が立つことだってあるわけですよ。でもそういうことがあった時って悔しくて、もがいて頑張るじゃないですか。それって美しいなって思えるようになったんです。それをこうして形にして残したいなって。
-それは今のSHAKALABBITSだからこそ表現できることなんでしょうか?
UKI:うーん。今まで出してきたすべての作品でその時にできることを最大限に真空パックして詰め込んでる感じですね。
MAH:自由なことってある意味すごく勝負だと思うんですよ。学校だったら決められたカリキュラムがあってそれに守られてるけど、俺らは音楽をやりたいからやっているわけで。そうやって自由にやらせてもらっている分、常に勝負をかけてはいます。レコーディングの部分で言ったら今回はクリック(音楽演奏時、テンポ維持のため鳴らされる音で、レコーディングの際にはそれを聞いて演奏をすることが一般的)を使っていないですしね。
-ということは一発録り(レコーディングの際には各楽器をそれぞれ別々に録音し、重ねるというの一般的で、それとは逆に複数の楽器を一気に録音することを一発録りという)ということですか?
MAH:別々に録音していくわけではないので成功しているときは楽ですけど、一回誰かが間違えたらそれで一旦ストップになるわけで、そこらへんが自由だけど勝負してるなって感じましたね。でもやり切った時にすげーいいものが出来上がるんだなという自信にも繋がりました。
YOSUKE:今回のレコーディングでリズム隊のグルーヴ感とか細かいニュアンスだったりとかすごく考えさせられて勉強になりましたね。
TAKE-C:出ている音が明らかに自分たちのほかの作品と違うよね。
MAH:UKIにも楽器隊のレコーディングの時に合わせて軽く歌ってもらったりして、歌に合わせる微妙な感覚みたいなものも含まれているしね。
-それは僕もすごく感じました。このインタビューを迎えるにあたって改めて前作の『BRACKISH』と比べて聴いたんですが全然違います。
UKI:今までも一発録りみたいなレコーディングはあったりしたけど、今回はなんか雰囲気からして全然違ったね。今回楽器隊のレコーディングに関してはエンジニアさんが新しかったのも影響していると思います。すごく細かく繊細に一つ一つの音を大事にしてくれる方でやりやすかったです。
MAH:きっちり環境を作り上げてからレコーディングに臨ませてくれたので、2曲くらいTake1で録れたんですよ。
TAKE-C:せっかく頑張ってマイクセッティングしたんだからもう少しやりましょうよって言われてたもんね(笑)。
MAH:でもやらなかった。絶対やらない!って言って。緊張感のあるテイクを優先したくて。レコーディングは何回でもやり直せるけど、それじゃ違うなって思うんですよ。それまでにしっかり練習して一発で決めるっていうのが一番良いと思ってます。
-1/13にeggmanにて行われたライブもリハーサルの時間が短いなと感じました。
TAKE-C:当日のリハが長いと緊張感薄れちゃいますからね。
YOSUKE:グルーヴ感が変わるよね。
-当日に2~3時間くらいリハーサルをとるバンドさんも多いイメージがあったので。
UKI:本当に!?
MAH:若いバンドは体力あるから…(笑)。
~一同爆笑~
UKI:本番1回きりしか歌いたくない感じってあるんですよ。それは先ほども話した緊張感という意味で。リハーサルで全部を確認しながら歌ってしまったら本番での濃度が薄れてしまう感覚があって。
MAH:通常のリハーサルスタジオでもそうだもんね。曲の繋ぎの確認とかその時に詰めて練習したりするけど、全部が全部演奏してということはほとんどやらないですね。
UKI:ライブで上手に演奏しようとか上手に歌おうとかっていう感覚でライブに挑んでないもんで。なにがパーフェクトかなんて誰にもわからないし。ライブ本番の瞬間瞬間を当日のリハで想定して細かく確認してしまったらなんか違うなって。でもこの辺の感覚は人それぞれでバンドによって全然違うと思いますけどね。
MAH:そうだね。別にこれが正解だとは思わないし別にそこに美学を持っているわけじゃなくて自分たちにはこのスタンスが合っているかなと思います。これは俺の感覚なんですが、SHAKALABBITSのライブを楽しみに来てくれる人たちって別に上手い演奏の俺らを楽しみに来てくれてるわけじゃないと思うんですよ。一生懸命本気でライブに挑んでいる俺らの熱量を楽しんでくれていると感じています。そりゃあこっちは必死ですよね。リハで確認してない曲が多いわけだから(笑)。
~一同爆笑~
YOSUKE:確かにずっと必死だわ(笑)。
-そういったSHAKALABBITSの緊張感や精神が今作のCDには詰まっている感じがしますね。
MAH:ただ、ライブで演るときは全く変わると思いますけどね。
TAKE-C:俺はあと3人くらいいなきゃ表現できないしね(笑)。
YOSUKE:確かに(笑)。
UKI:でもCDという形としてすごく楽しめる1枚になった自信はあるよね。
-個人的には最新作でありながら、SHAKALABBITSというバンドの時間を少し巻き戻した感覚を覚えたのですが、そこはなにか意識した部分はありますか?
MAH:特に意識はしてないですよ。でも螺旋階段みたいに上りながらも位置としては戻ってくるみたいな感覚はあります。
UKI:そういった感想は聴いた人それぞれの感覚で、私たちとしては時間を巻き戻したような作品を作ろうとかは一切考えてないですね。すべての作品でその時未来に残したい物を作ってます。
MAH:ただ、一つ思うのは昔の自分たちの曲に対しての感情は変わりました。ライブであれだけみんなが楽しんで盛り上がってくれるならもっともっと大事にしていきたいなと思うようになりましたね。
-今作も前作同様で25分未満ですぐ1周するCDですよね。以前のインタビューでもお聞きしましたが、やはりそこはコンセプトの一つなのでしょうか?
MAH:そうですね。やっぱり音楽をファーストフードに楽しんでほしいという感覚はすごく強いです。それは今回の作品にも現れてます。なんか音楽を神格化して崇高なものにする傾向があるけど、本来音楽ってタダだから。今回からチケットの値段を下げたのもそう言う事です。一番音楽に近い場所、ライブハウスやクラブが元気じゃなきゃいけないし、元気にするにはおこがましくも自分達に何が出来るだろうと考えて。音楽って本当はもっと純粋で楽器を鳴らすのが楽しくて歌うのが楽しくてという世界でやるものだと思うので。
-先日行ったエッグマンでのMade in Wというライブのことについても伺おうかなと思うのですがどんなライブでしたか?
UKI:まずは初エッグマンが無事に終了できたので、フリーペーパーの取材が堂々と受けられます(笑)。
-以前から取材のたびにエッグマン出てないのにすみません。って言ってましたもんね(笑)。
TAKE-C:ようやく実現できてよかった。
UKI:私は新しいことをこうやってはじめることができてすごくワクワクしましたね。
MAH:俺はドキドキしたかな(笑)。
TAKE-C:今まで出演する機会がなかったのが不思議なくらい違和感なかったですね。こういうタイミングでエッグマンでワンマンができてよかったなって思います。
-YOSUKEさんはどうでしょうか?
YOSUKE:いやー、もう楽しかったっていう記憶しかないです。やっぱライブハウスっていいなーって思いましたね。距離の近さが半端なかった。
MAH:ライブに来てくれてた人たちもそういう感想を書いてくれてたね。せっかくこうやってはじめられたからVol.2をやりたいよね。ライブハウスでしかできないことやりたいな。
UKI:アフターパーティーありのライブとか?
MAH:前に川崎でカウントダウンやったとき楽しかったもんね。
UKI:みんな泥酔だったけどね(笑)。
YOSUKE:俺、誕生日だったからフロアで胴上げされてたし(笑)。
TAKE-C:でもそういうのもエッグマンでやってみたいね。
-ぜひ作戦会議しましょう!!今後のSHAKALABBITSはどうなっていきますか?
YOSUKE:より楽しくよりグルーヴ感のあるバンド人生を送っていきたいですね。
TAKE-C:エッグマンと「Made in W」という面白い新企画を立ち上げることができたし、こうやってどんどん新しいこと、面白いことをやってきたいです。
UKI:うーん。。。柔らかい頭で、私らしく楽しんでいきたいです。
MAH:俺は今作のタイトルそのままですね。自分自身がなにを見たいのか。それをもがきながらも見つけていきたいです。きっと死ぬ間際までそれはわかんないと思うけど、追い求めていきたいですね。