―今回もまた独特なジャケ写ですね。ジャケ写の裏テーマで前作が浦島太郎、前々作が桃太郎。これは鶴の恩返しですか?
なつ(Vo、写真左下):その通りです。
―そこはなんとなくわかったんですが折り鶴とロールケーキというすごい組み合わせだなぁと。
えみ(Gt、写真左上):今回のジャケ写は茄子川がめっちゃこだわってたよね。
茄子川(Dr、右下):鶴の恩返しで機を織るじゃないですか。それがロールケーキの生地部分みたいなイメージが浮かんだんですよ。でもこのロールケーキもよく見たらロールケーキってわかるようにはしたくて。
―ポタリのジャケ写がどんどん楽しみなっている自分がいます(笑)。そして今回は前作のアルバムからは間にシングルを1枚リリースしただけで、1年で次のフルアルバムということで結構短めの制作スパンという印象がありました。
なつ:楽曲制作はずっとライブと平行しながらやってはいましたね。レコーディングやりながら次の楽曲も作って。
―フルアルバムという構想を当初からあったのですか?
なつ:そうですね。2018年3月にワンマンライブをやってもっとやりたいことが増えて。そのためにはこんな曲があったらいいなという欲が沸いてきて、1年に1回フルアルバムをリリースしてツアーをしてその集大成でワンマンライブをやるというのが恒例になったらいいなって思っています。
―これだけ新曲が増えたらワンマンライブの構成はガラリと変わりそうですね。
なつ:バンドとしての理想をもっと追い求めていきたいですよね。
あいこ(Ba、写真右上):今までのセットリストのパターンみたいなのを良い意味で裏切って崩していけたらとも思っています。
なつ:あとは去年くらいからポタリの音楽を聴いてくれる方々の近くに寄り添いたいなという気持ちは強くなりましたね。温かみとか。ライブでも音源でも。
―その印象はありますね。バンドとして良いモードなのかなと感じています。
なつ:もっともっと一緒に楽しみたい、もっと巻き込んでいきたいという意識は強くなったと思います。
―『ポタリの2』を経ての今作というところでバンドとしての成熟度が増しているんじゃないですか?
なつ:2のときはロックを追求していたかなとは思います。そこは今作ではよりブラッシュアップして、そこの部分以外もいろいろと詰め込むことができた作品にはできたんじゃないかなと思います。
―そんな今作のテーマはどういったものだったのでしょうか?
なつ:今回は“日常”とか“生活”というようなテーマでした。今回初めてメンバー全員それぞれで曲を出し合ったんですよ。だからそれぞれの感性で一つのテーマを作っているのでどのメンバーが原案の曲かなとか考えながら聴いてもらえると面白いかもしれないですね。レコーディングでもあの子のこの感性はこういった表現かなとか1曲1曲ボーカリストとして真っ正面から挑んだのでそういったところにも注目してもらえると嬉しいです。
―その中で作詞作曲のクレジットは一貫してポタリという表記でずっとやっていますよね。
なつ:そこはもう私たちのスタンスですね。曲の元を誰が作ってきても全員で最終的に作り上げているから。
―ポタリのバンドとしてのそのこだわり結構好きです。一つのテーマで作った作品としてはジャンルの幅が広いなと思いました。
なつ:そうですね。そこに私たち4人の個性があるかなと思います。
えみ:メンバーそれぞれの個性がこうやって形になったのはバンドとして大きかったかなと思います。私となつはずっと一緒にやってきているのでなつが作る楽曲に関してはなんとなく想像がつく部分とかもあるのですが、あいこが作る楽曲に関しては毎回驚きますし、すごく新鮮でわくわくしますし、ドキドキします。
―なるほどですね。今作の収録曲の中で1曲ずつそれぞれのお気に入りを挙げてもらえたらと思います。
茄子川:私は自分が作った曲を推そうと思います笑。2曲目の「bestie」です。この曲は2018年の3月にツアーファイナル東名阪ワンマンシリーズをやった後に、1ヶ月くらい自分の時間を作ったんですよ。そこでバンド生活の中で優先順位を下げていたことをやってみようって思って。例えば好きなバンドのライブに行くとか。バンド中心の生活だと自分のライブが入っていて物理的に行けないこととかも多かったから、そこに時間とお金を惜しまず使ってみようって思ったらやっぱライブ・バンドが好きでポタリってバンドやってるんだなっていう自分の純粋な気持ちに改めて気づくことができたんです。あとはそのバンドのライブを初めて観てもみんなで歌えてみんなで騒げてってなんて素晴らしいんだって思って。だからこの曲はそういう要素を盛り込んでメンバーに相談して作り上げていきました。既にライブでもやっているんですがこれからもポタリのライブにおいてすごく大事な曲になっていくんじゃないかなって思っています。フェスでやりたいんですよ。実はこの曲をフェスでやるっていう夢を見たんです。
えみ:めっちゃ天才みたいじゃん笑
茄子川:フェスなのにセットリストは決まってなくてでもなぜか自信がめっちゃあって、この曲を始めたらみんなが歌ってくれて。それが忘れられずこの曲になっているんです。いつか現実にしたくて。
なつ:そのときはセットリストちゃんと決めような笑
茄子川:それはさすがにね笑
あいこ:私も自分の作った曲を推させてもらいますね笑。4曲目の「あじさい」です。自転車に乗っている時に思い浮かんだ曲で、まさに今作のテーマである“日常”とか“生活”という言葉が合う曲にできたなと思っています。先ほどもお話しましたがポタリの曲ってライブを中心に考えているんですが、この曲に関しては家でCDで聴いてもらいたいなって。聴いた人それぞれの感性でこの曲を受け止めてほしいです。だからこの曲を聴いた感想をいろいろな人に聞きたくて。失恋に触れた曲ではあるんですが悲しさにどっぷりというわけでもないし、かといって楽しいわけでもないし、それぞれの感じ方があるのかなと。あとは逆にこの曲をどうやってライブでやろうかなというのが楽しみです。
なつ:私は1曲目の「途切れた呼吸」がお気に入りです。曲を作るときいつも映像を思い浮かべるんですが、この曲は女の子が部屋にいる様子で、前作の「MUSIC」という曲と似たイメージであるのですが、でもその女の子よりちょっと年上な感じで。等身大というのは意識しましたね。私はなにか悩むときって過去を引っ張り出してしまう癖があるんですが、昔も含めて今の私だし、今の私を肯定できたらっていう気持ちとみんなの背中を押せたらという想いでした。この曲をメンバーみんなで作り上げてみんなに聴いてもらえる機会が作れたことがすごく嬉しいです。
えみ:たくさんあって悩んだんですが、私には書けないなって思うのは10曲目の「サタデーナイト」ですかね。なつからデモが送られてきた時から歌い出しの“涙を許そう”というワードがすごく突き刺さって。その瞬間からこの曲は良い形で作品にしたいという気持ちが強くて、結果的にこの曲だけほかの曲と違った雰囲気で作ることができたし、でもちゃんとポタリっぽさもあって、アルバムにとって良い差し色的な存在になっているかなと思っています。
―今こうやって話を伺っているとバンドとしてすごく良い状態なんだなって感じました。2019年も応援できたらと思っていますので今年もよろしくお願いします!
ポタリ:こちらこそよろしくお願いします!