―率直に聞きますが今この形で再始動をしようと思った理由から聞かせてもらいたいです。
キラナ(以下…キ):実はバンドが解散した後にキラナとしてソロ活動をし始めたときから心の片隅にはずーっと気持ちとしてはあったんです。でもなかなか口には出せていなかったんですね。というか今思えばソロ活動を始めたばかりの自分にはそれを実行するだけの行動力や説得力、実力もなかったからまずはソロ活動をしっかりやって行動力や説得力、実力をつけようと思って始めたのかなと思います。でもソロ活動でも壁にぶち当たることも多くてなかなか上手くいかないこともたくさんあって、正直限界を感じてしまった部分もあって、この先どうしようかなって悩んでいたのが今年の2月とか3月で。この先趣味的に音楽をやっていくことはできるだろうけど、ラストチャンスとして自分が最後に頑張りたい事ってなんだろうって考えたときに、やっぱりSILC set Heavenをやることだったんですよ。私の中でそこがどうしても消化できていなくて。覚悟を決めるなら今だなって。これをやらずして音楽を諦めることなんてできないから。でも誤解してほしくないのは当時解散したことを後悔はしていなくて、あの時はあの時で全力だったし、逆に今このタイミングだからこそ歌えるあの時の歌があるなって思えたのもあって今回の再始動に繋がっているので。そこでSILC set Heavenのギタリスト・コンポーザーのTATSUKIに相談して、そこから一気に進め始めました。
―進むってなってからのアクセルの入れ方がすごいですよね。
キ:のらりくらりやってもしょうがないですからね。このタイミングで全力で必死に取り組めなければそれこそ再始動した意味がないので。
―再始動してみて当時との変化など感じますか?
キ:振り切れ方ですかね。目標というか明確にやりたいことがあるからだと思います。当時はわからなかったことが今はわかるってことがたくさんあるし、今改めて歌という物にしっかりと向き合えていると思いますし、ごちゃごちゃ細かい事を考えずに今自分が出せる物を全部出すという感覚でいられているので、すごく自分の中で振り切れていると思います。
―それはライブを見ていてもすごく感じますね。振り切ってるなぁって。良いライブをしていると思います。そして再始動まだ間もないですが新譜発売のレコ発と誕生日を祝うイベントが7/16に開催されますね。まずは新曲について伺いたいと思います。「DIAMOND」はちょっと今までになかったタイプの曲ですね。
キ:ラウド寄りなサウンドですね。でもストレートなメロディーではあって、当時のSILC set Heavenにはなかったテイストなので楽しみにしてほしいです。あとはなによりも再出発に向けた固い意志を、ダイヤモンドに比喩した歌詞に注目してもらいたいです。きっとこの曲は今の活動にとって大きな1曲になるはずだし、きっとライブでメインになっていくはずなので。
―今作にはライブでは定番中の定番だった「バディア」、「DISTANCE」という二曲が収録されていますね。
キ:「バディア」は活動中期の曲で、「DISTANCE」は活動後期の曲でそれに新曲の「DIAMOND」という3つの時間軸がだせるのは過去曲のおかげかなと思います。この2曲は解散後にもよく聴いていた曲だし、やっぱり再始動のタイミングで必要な2曲だなと思います。
―改めて過去の曲を振り返ってみてどう?
キ:自分が歌っているんですが、ある意味客観的にこの曲たちを捉えることができていて、この曲の良さを自分というボーカルを通じてただ熱心に伝えたいという感覚があります。これは当時にはなかった感覚です。当時は歌うこと自体とか、ライブで表現することに注力していたし、そこにばっかり意識を持っていっていましたが、今はそうじゃなくただ単純にこの曲たちを届けたい、伝えたいというシンプルな考えになりました。今ライブをやると熱量がすごいって言ってくださる方が多いんですが、きっとシンプルに自分の中の熱を伝えているからそう思ってもらえているのかなと。ここはTATSUKIへの信頼の部分ですね。やっぱりずっと一緒にやってきているから。この部分で言うと先ほどお話しさせてもらった新曲の「DIAMOND」も私が歌詞を書いた方がいいのかなという考えもあったんですが、私の想いとTATSUKIの書く言葉が重なった瞬間の面白さみたいなものに自信があるんです。
―SILC set Heavenというバンドを語るのにTATSUKIの存在は欠かすことができないものですもんね。
キ:そうですね。彼が作り上げたバンドだし、その意思も背負って私が歌で伝えていくという感覚ですかね。ライブでのサポートメンバーもそういう私の意思に向き合ってくれる方々ばかりで、いろいろ提案もくれるし、本当に周りに恵まれているなって思いますし、とにかく今はこの形でライブをやれていることが本当に楽しいし、再始動できてよかったって思っています。
ーライブでいうと7/16は再始動後初の主催イベントですね。
キ:新曲ももちろんやりますし、BRANDNEW WORLDというタイトルにもある通り今だから踏み出す新しい一歩です。1本のイベントを主催するという意味の重さを十分わかっているつもりだし、そう思っているからこそ大事な再始動の大きな意味のある1日にしたいです。
―今だからこそたどり着けた考えという感じがしますね。
キ:そうですね。少し時間はかかってしまいましたが今の私だからこの今を全力で生きていきたいと思います。
―覚悟があって良い目をしていますね。ということか今後の活動はさらに加速度を増していく感じですか?
キ:もちろん覚悟決めて再始動したからにはもう全力ですよ。MCでも話させてもらっていますがもう1回1回全く無駄にはしたくないし、とにかく自分の音楽活動の集大成としてひたすら突き進みます。
ー楽しみにしています。