―先月リリースの「イヤヨイヤヨモスキノウチ!」がかなり話題になっていますね。
幹葉(Vo,写真中央 以下…幹):寺西君からこの曲が送られてきた時今までとはちょっと違う印象を受けたところから始まり、それがこうやってみなさんにも好きになってもらえて嬉しいですね。You Tubeで観てライブに来ました!という方とかもいて。
―一度聴いたら耳から離れないキャッチャーさがありますもんね。そして初回盤CDに付属しているMVの幹葉オーディオコメンタリーを収録したDVDの内容がさらにすごくて。幹葉さんは天才だなと。
幹:あれを許してくれるスタッフさんがおかしいんですよ(笑)。いつかeggman用に別で収録して、受付のTVモニターで放映してもらえるように頑張ります(笑)。
―楽しみにしています(笑)。そしてそんな作品に続いて早くも5枚目のシングルリリースも発表になりました。とんでもないハイペースでリリースを重ねていますね。
幹:私たち自身も驚いてます(笑)。でもこうやって立て続けに新作をリリースさせてもらえる環境にとても感謝していますし、すごく嬉しいことだなと思っています。
―先ほどのお話にもありましたが、スピラ・スピカの音楽が徐々に世の中に広まっているというのは実感できているんじゃないですか?
幹:少しずつですが実感しています。今まではライブハウスでの活動がメインだったところから、アニメのタイアップをいくつかやらせていただいて、今まで私たちを知らなかった方とかにも知っていただけたし、それこそまだライブにも行くことがほとんどないような子供たちがいたり、応援してくださるジャンルも年齢層も幅はとても広くなったなと思いますね。バンド内のテーマとしてスピスピ旋風を巻き起こそうっていうのがあって、少しずつその風がいろいろなところに届いているのかなと思えるのがとても嬉しいですね。
―“Animelo Summer Live 2019 -STORY-”や“NUMBER SHOT 2019”など大きなイベント・フェスなどの出演も増えてきましたし、さらに大きな旋風が起きそうですね。
幹:アニメ界隈のイベント、そしてロックフェス両方に出演させてもらえるのはとてもありがたいことですね。
―スピスピならではですよね。それでは次に10/23にリリースされる『Re:RISE -e.p.-』についても伺っていきたいと思います。
幹:実は今作についてのインタビューを受けるのは今日が初なんですよ。
―おっ、それは嬉しいですね。表題曲「リライズ」は“ガンダムビルドダイバーズRe:RISE”のオープニングテーマということで、メジャーデビュー作の「スタートダッシュ」に続いて2回目の起用ですね。
幹:それがとても嬉しいですね。帰ってくることができました。リリース発表をしたときにおめでとうと一緒におかえりって言ってもらえたんですよ。
寺:あれはめっちゃ嬉しかったなぁ。
ますだ(Ba,写真左 以下…ま):ツアーファイナルとか地元でのライブとかでならまだしも、新作リリースでおかえりって言ってもらえることなんてなかなかないですからね。
幹:きっとこうやって帰ってくることができたのは「スタートダッシュ」を気に入ってくれた方々がいたおかげだと思いますし、またスピラ・スピカにテーマ曲を任せようって思ってくれた方々など、本当にたくさん方のおかげだなと思います。メジャーデビューから1年と少し経ちますが、今までの活動が改めてこういった形に繋がってとてもとても嬉しいです。
―この「リライズ」の作詞は幹葉さんが担当されていますが、歌詞のテーマなど聞かせてもらいたいです。
幹:【たとえ弱くたって、怖くたって、それでも掴みたい明日がある!もう一度立ち上がろう!(ガッツポーズ)】というのが一つのテーマでした。前作「ガンダムビルドダイバーズ」の続きではなく、主人公も変わって何年か経った時のお話しだったのでまずは改めて作品の世界観をしっかりと自分なりにかみ砕くことから始めましたね。かけがえのない人を失ってしまった少年が主人公のお話なんですが、私たちも前身バンドから数えたらもう6年以上活動していて、その中でやっぱりいろいろな別れがあって、寂しい気持ちになったり凹んだりすることもあるんです。でも新たな出会いもたくさんあって、過去の出会いも別れも今の出会いもきっとすべて繋がっているんだなと思うことがあって、少しずつですが前に進んでいます。そんな自分たちスピラ・スピカというバンドともリンクする心情があったので、それを歌詞にしていきました。
―この曲の楽器陣のお二人目線での聴きどころ的なものも聞かせてもらいたいです。
寺:歌のメロディは儚さとか優しさがあるものなんですが、感情の動きや胸を締め付けられるような気持ちをリフとかフレーズの動きで表現していて、アレンジ面での挑戦が結構多い作品ですね。だから歌詞とか歌のメロディだけでなく、ギターやベースのフレーズも全部セットで細かい部分も聴いてもらえたら嬉しいですね。
幹:サビで鳴っているギターの音いいよな。
寺:急にメンバーからお褒めいただきました(笑)。
幹:あそこの部分歌っていても気持ち良いんよ。切ないけど前を向くという心情と上手くリンクする気がする。
寺:ギターで表現する一種の叫びのように聴こえるかもね。
ま:ベースもそうなんですけど、フレーズは結構注目して聴いてほしいですね。ギターとユニゾンしているような部分もあって。
幹:この曲のベースめっちゃ大変そうよな。
ま:めちゃくちゃ動くからね。頭からずっと。
―そこがこの曲の面白さですよね。メロディーラインとアレンジのギャップというか
寺:アレンジが非常に面白い楽曲ですね。複雑だけど聴きにくくはなくて。
幹:このアニメのストーリーも人間模様が結構複雑に絡み合っているのでそんなところもリンクしているかもしれないですね。
―そしてそのあとに収録されている楽曲はガンダム関連の過去の名曲をカバーするという新しい試みですね。
幹:今までの制作とは全然違いましたし、正直プレッシャーはありました。楽曲の持つ元々の世界観があるし、その曲に対する想いがある方ももちろんいるだろうし、受け入れてもらえるかなとか。でも完成したのを聴いて、スピラ・スピカとしての良さも入れた作品にできたと思いますし、自信を持てる作品になったと思います。レコーディングもとても緊張したので終わった時とてもお腹が空きましたね(笑)。
―それほどカロリーを消費したんですね(笑)。この2曲がリリースされたときはまだメンバーみなさん生まれていないから、こういったカバーをする機会があるというのはまた一つ面白い体験だったのかなと思いました。
寺:ガンダムという一つのきっかけで繋がった曲が時代を超えてまた形になるってこういった機会がないとなかなかできないことですもんね。
幹:2曲目の「STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜」は歌詞の内容とかもスピラ・スピカの楽曲に近い印象があって、ライブでやっているイメージができましたね。
―この曲は資料を見る前に聴いたんですが、普通にスピラ・スピカの新曲だと思いましたもん。そこから資料を見たらカバーなんだ!って。
ま:そう言ってもらえるのは嬉しいですね。
―反対に3曲目の「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」はバラード曲でスピラ・スピカの新たな世界観かなと感じました。
幹:そうですね。スピラ・スピカはバラード曲が少なくて、この曲は歌うのが難しかったですね。レコーディングで少し苦戦してしまいました。この曲が主題歌の映画を音を出さずに携帯で観ながら集中力を高めて雰囲気を作って挑みました。今回こうやってカバー曲を2曲チャレンジできたことはバンドにとっても大きな経験でしたね。
―そして今作発売の前日にはTSUTAYA O-WESTでのワンマンライブがありますね。こんなに早くソールドアウトするとは。
幹:前回の東京でのワンマンライブは当日にソールドアウトがわかって喜んだんですが、当日より2ヶ月前にソールドアウトしたのはとても嬉しいですね。冒頭でもお話しさせてもらいましたが徐々にスピラ・スピカというバンドが広まってきているのかなと実感できる一つです。きっと初めてスピラ・スピカのライブを観るという方も多いと思うので、どんなライブにしようかなとワクワクしています。ライブがあるから普段も頑張れるというか、ライブが楽しくてしかたなくて、人生のご褒美的なイメージなんです。全力で楽しみたいし、楽しんでもらいたいなと思います。
寺:楽曲も増えたのでセトリの幅も広がりましたしね。
ま:そうだね。今までは曲数が少ないからセトリに悩んだ部分もあったけど、今は逆に曲数が増えたからこそ悩む感じだもんね。
―そしてその先には12月~1月にはさらにワンマンツアーがありますね。
幹:ご褒美だらけですね(笑)。私の地元徳島や初めてワンマンライブをやる横浜もありますし、今回の東京ワンマンライブのソールドアウトの勢いのまま、全箇所ソールドアウトという形にできたら最高だなと思います。
―楽しみにしています。最後にこの先の展望的なものも聞かせてもらえたら。
幹:先ほどお話しした12月からのワンマンツアーの全箇所ソールドアウトは目指したいですね。あとはアニメ好きとバンド好きそれぞれの方々の架け橋的な存在になりたいなと思っています。今年は特にそれを強く感じました。そしていつかそのコンセプトでのフェスをスピスピ主催でやれたらと思っています。
―スピスピにしかできないことかもしれないですね。
幹:その一歩としてもワンマンツアーのソールドアウト目指したいです。
―期待していますね。