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テスラは泣かない。 1/f
- SPECIAL -

テスラは泣かない。 1/f

《1/fの揺らぎ、樹上のホワイトノイズ。羊水のなかで聞いていた、それ。》 吉牟田 直和[Bass] 

 6月になれば色々とまた動き始めるのだな、と思うと今までどんな具合に忙しい日々を過ごしていたのか心配になる。生きていればなにをしていなくても髪は伸びる、爪は伸びる、腹は減る、ご飯を食べれば眠くなる。ついでに家の中に居続けるのだからゴミはたまる。と、無精な日々に腰は重たくなってしまっているから、もはやバタバタと歩き回っていた時代が懐かしい。コロナがある程度終息したあとの世の中の様子は、たぶん今までとは違った様子になるのだろうけれども、とりあえず今はみんなで酒を飲みたい。あわよくば焼肉屋にいきたい。というのも、先ほど誕生日の後輩にラインギフトなるもので焼肉セットを送ったからでもある。脚を使ってプレゼントを探すだけの日々からしたならば、なんとも素早く、味気ないことだろうか。いや、味気ないといえども、素晴らしく便利な世の中だろうか。
 ところで近況といえば、この2ヶ月の間、DTMといってパソコンの音楽編集ソフトの習得に日々を費やしていた。あとはぼんやりと過ごしていた気もするが、気付けば2ヶ月も経っていたのだから驚きである。それなりにそれなりの日々を過ごした気もするし、もう少し何か出来たような気もするし。どうせ、みんなそんな気分だろう。時間というものはいくらあっても足りないし、バシバシと効率的に時間を乗り継いでいけるような人を羨ましく思うこともあっても、そんな人たちも結局のところ時間不足に悩まされるのだから、なんとも情緒がある。
 さて、新しいものにはやはり「利」というものがある。かたくなに古い機材を使って制作をしていた自分としては「あー、なぜもっと早くパソコンを勉強しなかったかなあ」と思ったりもするし、ラインギフトはとても便利である。あと、最近はコラムを携帯で書くようになった。そんなふうに、便利な新しいものというものは少しずつ古いものを生活から追いやっていくわけであるが、それでもどこかには前時代てきなものが残り続けてはいく。例えば炭火でじっくり焼肉を焼くことだったり、ライブハウスで音楽を聴くようなことだったりだ。
 まだ先のライブのめどはたってはいないけれど、いま自分が、炭火に油をジュジュっと落とす肉をゆっくりとひっくり返すあの幸福を求めるように、目の前で唾をまき散らしながら大音量で箱を震わせる音楽もまた求められてはいるのだろうと、そんなことを思うと、重い腰もあがるものだ。さて、ベース弾きますか。

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《1/fって何すか。》 村上 学[Vocal/Guitar] 

 いわゆる「習慣」というと、早寝早起きとか、玄関で脱いだ靴を揃えるとか、一杯目はとりあえずビールとか、様々なものがあります。タイムリーな話でいえば、外に出かける時にマスクをするとか、手洗いうがいがまさに世間に定着しつつある新しい習慣でしょう。しかし、ひとえに「習慣」と言っても、身につきやすいものから、すぐに忘れてしまう習慣もあります。この差は一体なんなのでしょう。
 「習慣」は大きく3つに分類されると言われています。それは①行動習慣、②身体習慣、そして③思考習慣です。行動習慣とは、玄関で脱いだ靴を揃えるとか、マスクの着用、家に帰ってきたときの手洗いうがいです。日記や家計簿をつけるのも、これに当たります。身体習慣は、体の変化を伴うもので、早寝早起きや、禁煙、ダイエットです。これが身につくと、鳥のさえずりとともにスッと目が覚めたり、逆に昼夜逆転なんかも起こります。最後に思考習慣。これは考え方の変化です。ネガティブ思考とか、ポジティブ思考とか。“一杯目はとりあえずビール”は、うーん、行動習慣でもあり、身体習慣でもありますね。もしかすると思考習慣も影響している可能性も。そして、これら3つの習慣は身につくのに要する時間が異なります。一般的に言われているのが①行動習慣は1ヶ月、②身体習慣は3ヶ月、③思考習慣は半年です。“半年”と聞いて、「半年もかかるのかよ、きつー」と思ったあなたはまだまだネガティブ思考の中にいるのかも。「おお、半年頑張れば変われるのか!」と思ったあなたは、新習慣定着が目前と言えるでしょう。
 さて、自粛やSTAY HOMEで私たちは生活様式の変化を余儀なくされたわけですが、もしかしたら良い変化もあるかもしれません。わたしは「note」を開設して強制的に文章を書く機会を増やし、なんとか更新しております。また、今のところ、昼夜逆転もしておりません。むしろ日をまたぐ前に眠くなる体になってしまいました。しかし、身体習慣は3ヶ月、思考習慣は半年かかりますから、まだまだ気を抜けません。もし今せっかく良い習慣がついたところであれば、これから自粛期間が明けても続けていきたいものです。
 最後に、皆様が、音楽を楽しむ習慣や、ライブハウスで踊れる習慣を、この先もずっと、体でしっかりと覚えていてくれることを祈っております。決して忘れないでいてください。それでは、また、お互いパワーアップして会いましょう。

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[テスラは泣かない。]
L→R
吉牟田直和(Bass)/飯野桃子(Piano&Chorus)/村上学(Vocal&Guitar)/實吉祐一(Drums)
印象的なピアノのリフレインを武器に、圧倒的なライブパフォーマンスで各方面から脚光を浴びる、鹿児島発4人組ピアノロックバンド。インテリジェンス溢れる音楽性と、エーモショナルなライブパフォーマンスを融合させた、他の追随を許さない孤高のロックバンドである。
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