第3回「瀬戸際回遊」
こちら東京を拠点に活動する都市型ミュージック集団EmeraldのVo.中野です。
「ライブがしたい!」
「どんな風にやってたっけ??」
いまやそんな心境。
緊急事態宣言があけても、ライブハウスは今までと違う形態でのライブを余儀なくされている。
配信サービスを使ってのライブも盛んに行われている。
僕らは閉店を決めた渋谷のLounge Neoのラスト2デイズの1日目に演奏させてもらった。入口で検温し、Googleフォームに住所氏名年齢を記載し、入場。立ち並ぶ数台のカメラの前で3密を避けた3人体制でのライブとなった。
独特な空間の中に響く高木のドラムフィル。優しくうねる藤井のベースライン。一瞬一瞬を抱きしめるように歌った。
悲しみ、寂しさ、やるせなさ。
そうした感情を発露することより、明るく楽しくできるかぎりかっこよくを重視してきたが。こうした事態の最中、自分に正直でいたいなら、悲しむ。寂しむ。という感情も大事に表現したいと切に思った。久々のバンドの音の中で、自分の中で狂った調律が正されていくのを感じていた。なるほど音楽、生音にはそうした効能があったのかと、深く納得した。音楽の中にある和音やスケールの中で鳴り響く様々な音の磁場に身を置くことで身体をあらゆる角度から調律する働きがあるのだ。マインド整骨院的な?
音楽関係者のみんなが様々な場所で前人未到の奮闘をしている。アーティストは皆、当事者意識を持ってのイベント参戦を強いられてる。何故歌うのか。何を歌うのか。何故バンドなのか。そうした問いを繰り返しながら、「今」と「自分」の軸を定めて挑み続ける。今まで以上に様々な物事の本質があからさまに炙り出されてくる世相の中、改めて音楽が求められていると感じます。
何の保証も安全もない大海にバンドという歪なイカダで漕ぎ出してもう9年が経とうとしている。誰から急かされるわけでもないが、いつも余裕なくオールを漕ぎ続けている。
常に瀬戸際に立ちながらも、これから自分たちがどんなグルーヴを手にするのか、変わらず楽しみに思っている。
Emeraldは新曲を鋭意製作中。
(記事が掲載時には終わってるけど、eggman再開1発目ライブに主演も実現した)
これからEmeraldがやっていくことなどはTwitterなどでチェックしてね。
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Emerald Vo.中野陽介