― いよいよメジャーリリース。率直な今の気持ちを教えてください!
佐々木 直人(Vo & Ba):何よりもまずは嬉しかったですね。今までこういった話が出ては実現せず、みたいなことを繰り返してきたので、今このタイミングで出会えた人がいて力を貸してくれて話を進めていくことができて、正直「やっとか、、、」みたいな部分はあるんですけど(笑)素直に嬉しい気持ちでいっぱいで、改めて気合いが入りました。
木田健太郎(Guitar & Cho):ずっと僕らはメジャーでリリースするっていうところを目掛けてやってきたので、まず真っ先に、ホッとしました。発表してからは浮かれないようにじゃないですけど、「嬉しい!」「やった!」っていう気持ちに流されてふわふわしないように「引き締めなきゃ」ってなっています。
大野宏二朗(Drums):この話が来た時にはびっくりしました。ただ、急に「みんなに100万円ずつ入って、いい楽器を買う」みたいにあからさまに何かが変わるわけではなかったので(笑)自分なりに平常運行というか、練習してリハーサルやってライブやって。で、仲間と飲みに行って、みたいな感じで良い意味で変わらずやれています。
―メジャーリリースを発表して、周りの反応はいかがでしたか?
木田:発表をした渋谷CLUB QUATTROのライブ終了後に、CDの予約会でファンの方と直接お話しする機会があったんですけど、僕らが20代前半の頃からライブに来てくれていた人が目に涙を浮かべながら「おめでとう」って言ってくれて。嬉しかったですね。
佐々木:先日ライブで広島に行った時にも、10年前にライブに来てくれていたお客さんが見にきてくれて「おめでとう」を言ってもらえたりして。全国各地に「実はあの頃見てた」とか「10代の頃から知ってる」なんて言ってくれる方々がいてくれて、長く続けてきたことで、覚えていてくれたり応援し続けてくれている人がいることを実感できたので、今回良いお知らせができてよかったです。
― アルバムのことも聞いていきたいのですが、M-1「ドラマのあとで – retake」は再録にあたりどんな変化があったんでしょうか?
木田:基本的な3人の楽器やコーラスは、アレンジを変えずに新しいテイクを改めてレコーディングしました。大きく変わった部分としては、前の音源でピアノとオルガンが入っていたところが、今回はストリングスになりました。
佐々木:生のストリングスを入れるのは初めての体験だったんですけど、カルテットに来ていただいてレコーディングをして最高でしたね。やっぱり迫力が違うし、ソリッド感やメジャー感みたいなものを目指していたので、イメージしていた形にできたと思います。
― ストリングスアレンジはバンドとして1つステップアップした感じがありますよね。他に再録にあたり意識したこと、こだわった部分などあったら教えてください!
佐々木:歌ですかね。2017年にレコーディングした時は、歌うのが辛かった記憶があるんですけど、ずっとこの曲を歌ってきて声も成長して、今はちゃんとコントロールして歌えるようになった状態でのレコーディングだったので、自分の中で流れを持って歌えたと思っています。
― 2022年に「ドラマのあとで」がSNSで話題を呼んだことも記憶に新しいですが、今回の「retake」も早くもTikTokで話題になっているようですね。
佐々木:先行配信する更に前に、この曲の動画をTikTokにアップしたんですけど、5日間ぐらいで一気に100万回以上再生されてびっくりしました。コメント欄を見ると、「以前のバージョンを聴いてて懐かしい」って人から、「今回新しく出会えた」って人までいてくれて、改めて新鮮な形で届けることができてよかったです。
ー M-2「 恋を脱ぎ捨てて」は完全な新曲ですね。
佐々木:この曲は「ドラマのあとで」のアンサーソングで、「ドラマのあとで」の主人公と付き合っていた女性目線の曲ですね。別れた後、お互い1人になってどの様にその人との恋愛を振り返っているのか。そしてどのように前に進もうとしているのか。というところを描きたくて曲にしました。「ドラマのあとで」に出てくる「優しい嘘」が一体なんだったのか、こういう言葉を待っていたんだとか、なぜ別れることになってしまったのか、のような部分がこの曲で描かれているんです。タイトルにも表れているんですけど「振り返ることはあるけど後悔はしていない」みたいな、女性ならではの「次に進む強さ」のようなところを歌詞にしたくて、初めてここまで曲同士を絡めたアンサーソングを形にすることができました。
― なるほど。これは歌詞までしっかり聴いてほしいですね。
佐々木:「恋を脱ぎ捨てて」単体でも「ドラマのあとで」と合わせてでも、思い悩んだ時に聴いて、前に進むきっかけになってくれたら嬉しいです。
大野:アンサーソングとは言いつつ、「ドラマのあとで」→「恋を脱ぎ捨てて」の順番じゃなくてもいいなと思っていて。どちらから聴いても時系列的には同じなんで、聴く人それぞれの聴き方をしてほしいですね。
― そこからまさにベストアルバムに相応しい楽曲が収録されていますが、今作の収録曲はどのように選ばれたのでしょうか?
佐々木:まずメンバー・スタッフ全員がそれぞれ13曲を選ぶことにしたんです。そこから、最初に「REACTION THE BEST」を提案してくれたレーベルの方が出した曲と、僕が出した曲が1曲しか違わなくて、みんなもほとんど同じで1〜2曲違うぐらいで。そこで、ここまでチーム全員が同じ目線で考えていたんだと思って感動したんですよね。 だから決まるのは早かったです。歌詞の世界観やテンポ感で近いものは入れ替えたりして擦り合わせて、最終的には全員一致の形に決められたかなと思います。
― アルバムとしてもしっかり聴ける流れになっているように感じました。
大野:曲順に関しては、いつもライブのセットリストを決める時なんかもメンバー3人のLINEでやり取りをするんですけど、1つのアイデアを軸に何度かキャッチボールをして決まっていくようなことが多いんです。でも今回は、直人くん(佐々木)から、こういう曲順どうでしょうって送られてきた瞬間に、僕らメンバー2人いいなと思って、ほぼそのまま決まりました。すごい珍しい決まり方だなと思って、印象的な出来事でした。
― 「仮面」「君へ」(5th Mini Album「Fantastic Chaos」収録曲)は2015年リリースのこの中では一番の過去曲ですね。
佐々木:「仮面」は、当時ロックバンドとしてこういう曲をやりたい!って1つ方向を定めて挑戦して作った曲なんです。当時としては反応も大きく、やっていく中でバンドにとって重要な曲になっていったのもあって、今回入れることにしました。バンドとして転換期の象徴であり、ずっと僕らの定番曲であり続けてくれた曲ですね。「君へ」は収録曲の中で1番古い曲で、歌いたい相手に対して自分の思いをまっすぐ届けるっていう、リアクション ザ ブッタとしての軸であり根幹を歌った曲です。今歌っていても初心を思い出させてくれる曲なので、今回アルバムの1番最後に入れることになりました。
― 今作の中で、それぞれ思い入れの深い曲を教えてください。
木田:僕は「君へ」ですね。この曲で「RO69JACK 14/15」っていうコンテストに応募して優勝できて、COUNTDOWN JAPANに出演できたんです。それがきっかけでバンドで飯を食っていこうと決意を固めたので、この曲には特に思い入れがあります。
大野:「リード」ですかね。この曲を録るタイミングで、今の事務所の人や、今もレコーディングしてもらっているエンジニアさんを始め、たくさんの人に出会うタイミングの曲だったので。当時、新しく環境が変わってわからないことだらけだったけど、その時があって今があるという意味では、自分の中でターニングポイント的な曲かなと思います。
佐々木:eggmanでの思い出も含めてなんですけど「Seesaw」です。コロナ禍に書いた曲で、当時の沈んだ気持ちもあって最初はもうちょっとセンチメンタルな曲だったんです。でも作っていく中で、こういう時だからこそ明るい曲を聴きたいよなって思うようになって、コロナが明けた後にみんなで気持ちよく歌う景色をイメージするようになって。やっと完成して披露したライブが、eggmanでのコロナ禍以降初の有観客ライブの時だったと思います。その時からこの曲を一緒に歌える日が必ず来るからって言い続けて、徐々に世の中が元に戻ってきて、この曲が蓄えてきた力をやっと開放できて、最近やっと答え合わせができたみたいな、常にライブと共にあった曲で、今も特別な曲です。
― CD版のボーナストラックとして「ヤミクモ (2024.03.17@SHIBUYA CLUB QUATTRO)」が収録されています。どういった経緯で収録されることになったんですか?
佐々木:キッカケはスタッフからの提案だったんですけど、ライブ音源の収録って今までやっことがなかったのでやってみたいなと思って。この日、メジャーリリースを発表した後の曲が「君へ」、そして「ヤミクモ」という流れだったので、特別な瞬間を収めることができました。ライブ定番曲で一緒に声を上げることができる特別な曲なので、完成した音源を聴いた時にライブの景色を鮮明に思い出しました。リアクション ザ ブッタのライブってこういうライブなんだよっていうのを、これを聴いてもらえば分かってもらえると思うので、そのままライブも行きたいって思ってもらえたら嬉しいですね。逆に意外と激しいなとか煽り強いなみたいに思われるんじゃないかとも思ったんですけど、、、そこも含めて嘘がない音源なので、楽しんで聴いてもらえたら(笑)
― そして全国6カ所のワンマンツアーが始まります。
佐々木:今回1番大きな変化は、今まで東名阪だけだったところを倍に増やして、6ヶ所のワンマンツアーになったところですかね。ベストアルバムを引っ提げてのツアーなので、どこを切り取っても退屈がない、ずっと楽しめるライブにしたいと思っています。それぐらい自信のある曲をベストアルバムに込めたので、各地楽しみにしていて欲しいです!
― 最後に読者のみなさんへ一言お願いします!
木田:メジャーリリースはするんですけど、ライブで思いを伝えるっていう大事にしている部分は変わらず、ライブもガンガンやっていくので曲を聴いてぜひライブに来てください!
大野:今回のベストを手に取ってもらって、1曲でも好きな曲を見つけていただければもう本当に嬉しいです。そしてライブにもぜひ遊びに来ていただければ嬉しいです!
佐々木:「REACTION THE BEST」を聴いていただければ、僕らリアクション ザ ブッタがどういうバンドなのか1発でわかるアルバムができたと思っています。この中からお気に入りを見つけてもらって、そしてライブに足を運んでほしいなと思っています!
▪️リリース情報
BEST ALBUM
「REACTION THE BEST」
■発売日 2024年5月29日(水)
■商品形態
VVCL-2495 2,800円(税込)
■収録楽曲
M1:ドラマのあとで – retake
M2:恋を脱ぎ捨てて
M3:Loopy
M4:リード
M5:一目惚れかき消して
M6:You
M7:Colorful
M8:虹を呼ぶ
M9:仮面
M10:オンステージ
M11:Seesaw
M12:Voyage
M13:君へ
Bonus Track: ヤミクモ (2024.03.17@SHIBUYA CLUB QUATTRO) ※CDパッケージ限定収録
▪️ライブ情報
リアクション ザ ブッタ BEST ALBUM「REACTION THE BEST」
RELEASE ONE MAN TOUR “FROM NOW ON”
6/8(土) 埼玉 西川口Live House Hearts
6/14(金) 北海道 札幌PLANT
6/21(金) 大阪 梅田Shangri-La
6/28(金) 愛知 名古屋ell.FITS ALL
7/5(金) 福岡 LIVE HOUSE OP’s
7/15(月・祝) 東京 下北沢Shangri-La