このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

浪漫派マシュマロ interview
- SPECIAL -

浪漫派マシュマロ interview

唯一無二なハスキーな歌声とどこまでも恋愛に特化した世界観で、10代を中心に注目を集めている北海道釧路市出身のスリーピースロックバンド、浪漫派マシュマロ。最新MV「君に夢中!!」は20万回再生を突破し、全国4カ所で開催されるツアーは全公演ソールドアウト。地道な活動を経ていよいよシーンの波に乗り始めた彼らに、eggmanマガジン初インタビュー!

Interview&Text:渡邊直人

ー どんな経緯で結成されたバンドなんですか?

椎崎楓馬(Dr):僕とユイくん(万結/Vocal&Gt)が高校の同級生なんですけど、元々軽音部でコピーバンドをやってたんです。卒業のタイミングでユイくんは進学で上京するってなっていて僕はフリーターの予定だったんですけど、高校3年間で1番頑張ったのが軽音だったので「いっちょバンドやりますか!」みたいなところで組んだのがきっかけですね。

万結(Vocal/Gt):バンドをやるっていうだけじゃ東京に出ることが許されなかったのもあって、僕の中で大学進学はあくまで親への交渉材料みたいな感覚でした。とにかく地元を飛び出したい、音楽がやりたいって気持ちで、2人とも東京に出て来ました。

― なぜ上京して活動しようと思ったんでしょうか?

椎崎:地元が北海道の釧路なんですけどお世辞にも都会とは言えない街で、そこに残ってしまうと音楽は趣味になってしまう気がしたんです。それこそDTMとかで1人でやるような形だったらどこに住んでいてもできると思うんですけど、メンバーを集めてバンド組んで本気で活動していこうってなったら、同世代もどんどん就職していく中では難しくて。やっぱり東京に出て勝負するべきだと思って上京しました。

― そこから東京ではスムーズに活動スタートできたんでしょうか?

椎崎:それがちょうどコロナ禍と重なってしまって、上京する目処が全然立たなくて。最初は結局地元のスーパーでバイトしていて、ユイくんもリモート授業みたいな形で、結局2人とも釧路から脱出できずにいたんです。なので結成ししたものの、しばらくは地元で曲作りをひたすらやって、その年の夏ぐらいにやっと上京して、少しずつ東京での活動が始まったような感じでした。

結:まだサブスクに載せたりする手段もなかったので、ひたすら曲を作って、SNSにアップしたり、フリーで曲をアップできるサイトを探して載せたりしてました。

― そこから地道なライブ活動を重ねてきたんですね。ふうま(椎崎楓馬/Dr)
が初めてeggmanに来た時…フロア最前でやたら盛り上がってたことはめちゃくちゃ覚えてます(笑)

椎崎:確か2022年の春先ぐらいに先輩のバンドを見に来たんですけど、そんんなにお客さんもいるわけじゃないからずっと最前が僕だったんですよね(笑)ただ、対バンが全然知らないバンドだったんですけどみんなかっこよくて、これがeggmanか…!って衝撃を受けてました。

― そして毎夜くん(雨月毎夜/Bass)が昨年加入して、現在の編成になったんですね。

雨月毎夜(Bass):なんだかんだまだ加入して1年たってないことにびっくりです。

万:信じられないですね。毎夜が入ってからトピックがありすぎたというか、バンドが急激に進み始めた感じがします。

―「浪漫派マシュマロ」というバンド名の由来は?

椎崎:いまいちパッとしたのが思いつかなくて、Instagramの質問箱って機能で、地元の友達とか先輩に「なんかかっこいい言葉俺にくれ!」って募集してみたんです。そこで出てきた中で「浪漫」って言葉がピンときて。元々2つの言葉がくっついた名前にしたかったので、浪漫にくっつけるなら「マシュマロ」かなって…

一同:???

椎崎:「浪漫」っていうのがちょっと真面目というかお堅い感じなんで、「マシュマロ」で相殺しとくか、みたいな感じです!

万:僕も最初にその字面送られてきた時には、「なんだこれ?」って思ったんですけど、よくわからない言葉でインパクトがあるし、何より略した時の「ロママロ」がすごい可愛しおもしろいなと思って。それが決め手だった気がします。

― 10代のファンが多いイメージですが、浪漫派マシュマロの他のバンドには無い強みや魅力ってなんだと思いますか?

椎崎:僕が曲と歌詞を書いてユイくんが歌うっていうのがこのバンドの基本的な作曲スタイルなんですけど、この一連の作業でバンド内で1回曲の受け渡しが起こってるからこそ、客観的な色を含んで表現できると思うんです。だからこそ角が取れて共感してもらいやすくなるのかなと思ってます。そして何より他にはないユイくんの声質が、このバンドの強みだと思ってます。

― 最近SNSでも本当によく見かけるようになりました。ライブに来るファンの方もSNSキッカケが多いですか?

椎崎:めちゃくちゃ多いですね。それに対していろんな意見があるとは思うんですけど、僕らはポジティブなものだと受け止めています。時代の流れと共に、情報を掴むプラットフォームも変わっているというか。きっと昔はテレビやラジオだったものが今はSNSが多くを占めるようになってきていて、そういう部分で探して見つけてもらえてるんだから、嬉しいことだなと思ってます。

― キッカケは何であれしっかり掴めているのは、ここまでの地道な活動があったからだと思います。

椎崎:本当にそれですね。ありがとうございます!

― 昨年秋にリリースされた最新EP「燦燦」メンバーそれぞれのオススメの曲を教えてください。

万:僕は「ラグーナ・・ヴィーナスビーナス」(M-3)ですね。シンプルに歌っていて気持ちいいですし、最近の浪漫派マシュマロとしては異例というか、いわゆる歌もの的なジャンルからは離れつつも、僕たちのルーツと共に流れてきた血や匂いを感じる曲になっていると思うんです。新しいチャレンジでもあるし、僕らを昔から好きでいてくれた人に愛してもらいたい曲でもあって、僕の中で大切な曲になりました。

椎崎:僕は「アメジスト」(M-4)ですね。バラードを作ることは今までもあったんですけど、”ロックバンドはギターがメインのバンドサウンドじゃないと”みたいな部分から外れて、もっと素直にいいものを作る方向へ向かっていけた曲だと思うんです。ピアノが入って、アコギが入って、広がりのあるコーラスがついて、”バンドだからこれやっちゃダメだよね”っていうところから、”バンドでもこれやっていいんじゃないか”みたいな。自分の中で、曲を作る中でのターニングポイントになった曲で気に入ってます。

雨月:僕は「バイ・マイ・サイ・グッナイ」(M-6)ですかね。今作の中ではショートチューンというか、今まで僕たちがやってきた熱い部分を表現してる曲だと思うし、歌詞も「燦燦」EPを象徴していて、めちゃくちゃ好きな曲なんです。

万:あとメンバー総意で、「君に夢中!!」も忘れちゃいけないですね。

― MVも先日20万回再生を突破してましたね、おめでとうございます!

椎崎:いやもうほんとに僕たちからしたら聴いてくれる方に感謝としか言いようがないです。広告やプロモーションも無しで2ヶ月で20万回再生っていうのは、自分たちの中でも結構な数字だったのでびっくりしました。ショート動画が主流の時代になっても、僕らは小学生の頃からフル尺のMVをYOUTUBEで見ていたような世代なので、やっぱり嬉しいし感慨深いものがありますね。

― この曲はデモをSNSで公開したところから火がついたとも伺いました。

椎崎:リリースとか全く決まってなかったんですけど、いい曲できたから早く聴いてもらいたくて、事務所側もやってみようよって背中を押してくれて。そうしたら結構反響があったので、じゃあレコーディングしようかっていう。順序が逆みたいな感覚もあったんですけど、こうしてMVでも反響があったので曲作りの中での新しい可能性を感じることもできました。

万:それこそ去年の夏、eggmanでの自主企画で初披露して、その時の動画がキッカケで拡がっていったんです。

― そして昨年11月「燦燦」リリース直後にTOKIO TOKYOで開催されたワンマンがソールドアウト。フロアもパンパンでしたね。

椎崎:下北沢を拠点に活動していた僕らからすると、渋谷ってちょっとスケールが大きいような感覚があって、それがしかもワンマンでソールドできたのはめちゃくちゃ嬉しかったですね。本当に来てくれた、見つけてくれたみなさんのおかげです。

万:これからの未来が見えたような瞬間でした。あの景色を見て希望が持てるというか、やっていることが間違ってないんだって実感することができました。

― そして更に、2月に全国4カ所で開催される”燦燦と輝いてツアー”も全公演ソールドアウト!快挙ですね。

万:このスピード感は予想してなかったですね。

椎崎:キャパシティ的にも決して守りに入った数字ではなかったので、粘ってチケットを地道に売って、ソールドはしたいなとは思っていたんですけど、まさかの一般発売したとたんにソールドという…本当にありがたいし、嬉しかったです。

― 僕もブッキングライブでガラガラのフロアでライブをしていた頃から見ていたので、感慨深いです。

椎崎:本当に今だから言えるけど、これ多分今日の売り上げより会場の人件費の方が高いぞ?みたいな日があったと思うんですけど…未来を見据えてステージに立たせてくれた時間があったからこそ、今があると僕らも思ってます!

― ファイナルは地元北海道。今までに北海道でのライブはあったんですか?

椎崎:あったはあったんですけど、ここまでの反応はこれまでなかったですね。東京のお客さんとかも行くよって言ってくれたり、このタイミングで北海道で知ってくれてたお客さんから”初めてツアーで行きます!”みたいな反応ももらえて、とにかく嬉しいとしか言えないですね、やっぱり。

― この4本、どんなツアーにしたいですか?

椎崎:東京編はeggman、ファイナルは札幌っていう、今までの自分たちにとっては挑戦とも言えるツアーを実際ソールドすることもできたんですけど、ここをいい意味で通過点と言えるツアーにしたいですね。やっぱりそこで終わりじゃなくて、もっと次へ次へ進んでいきたいいし、その途中で出会ってくれたお客さんにここまで来てくれてありがとうを伝えるツアーにしたいと思います。

― 浪漫派マシュマロのこれからの目標を教えてください!

万:シンプルにまず、いい曲を生み出すという使命があるなと。もちろんミュージシャンみんなそうだと思うんですけど、何よりもまずいい曲を書く、いい歌詞を書く、いいメロディを作る。何よりそこに尽きると思ってます!

椎崎:結成してすぐメジャーデビューしたり、二十歳で武道館に立ったり、僕らはきっとそういう天才の類ではないと感じていて。だからこそ僕らは、今好きだって言ってくれるお客さんやこれから好きになってくれるお客さんと、一緒に進んでいきたいです!リアルタイムで成長を追いかけてもらえるようなバンドでいたいと思います。

万:僕たち自身もこの過程を楽しみたいですし、1曲1曲大切に作っていきたいですね。

― ありがとうございます!毎夜くんはいかがですか?

雨月:コーラスを上手くなるのと、あとは健康第一でいきます!