ー eggmanのライブハウスへは2022年の初ツアーが初出演かと思いますが、当時から個性的な楽曲とビジュアルで印象的でした。どんな経緯で結成されたバンドなんですか?
井上直也(Vo./Gt.):同じ高校の軽音部の先輩後輩で組んだバンドです。部活の頃は全然関わりなかったんですけど、僕が高校卒業してから「バンドやりたい!」ってなって、その時に唯一後輩で仲良かったおか (おかともき/Ba)を誘って。で、おかがじゃあギター連れてくるわって言って、同じ代の大成 (横山大成/Gt)を連れてきてくれて。で、俺は同い年の石坂(石坂圭介/Dr)を連れてきて、この4人が集まりました。
―「猫背のネイビーセゾン」というバンド名の由来は?
おかともき(Ba.):まずバンド名に漢字、ひらがな、カタカナを全部入れたかったんですよね。で、僕と井上が結構猫背気味というところから始まって。「セゾン」は「季節」、ネイビーは「藍色」みたいな意味で。今となってはちょっと照れくさいんですけど、当時は大人の恋愛の曲を作りたくて(笑)青春だと”青い春”だから、”藍色の季節”で深いところを曲にしていこうという意味合いでつけました。でも、今の感覚としては、シンプルに”語呂がいいし可愛いから”このバンド名だと思ってます(笑)
― 「ネオンロック」というバンドのコンセプト的なところは初めから決まってたんですか?
おか:やっていく中で徐々に定まっていきましたね。自分たちの曲ってキラキラしてるというか、ネオン管とかそういうイメージが近かったんですよね。「ネオンロックバンド」って響きもいいし唯一無二だなとも思えたので、キャッチコピーとして今の形になりました。
― そして先日、地元神戸太陽と虎でのワンマンの日に、murffin discsへの所属が発表されましたね。僕もこの発表を楽しみにしてました!
おか:この前メンバーとの過去のLINEを見返してたら、まだツアーもやってないしeggmanにも出演したことない頃から「murffin discいいやん」「オーディション受けようや」みたいな会話をしてました。
横山大成(Gt.):2021年とかだったね。
おか:そうそう。2023年頃からいろんな方にお声がけをいただくようになって、その中にmurffin discsがあったんです。みんなでどんな事務所がいいんだろうって何回もミーティングして、メンバーの理想像と近いのと、憧れの存在がたくさん所属していたのもあって、今回の発表に辿り着きました、奇跡的な出会いだったなと思います。
― 今回の発表で何かみなさんの中で状況や心境の変化はありましたか?
おか:めちゃくちゃ嬉しいですよね。4年間どこからも声をかけられずに活動してきて、ある時から周りのバンドが、どんどん事務所とかに入っていくじゃないですか。で、「うわ、俺らどうなるんやろ。大丈夫かな。」とか思っていて。
横山:余裕のあるふりをずっとしてたよね(笑)
石坂圭介(Dr.):「自分たちでやります」みたいな(笑)実際そう思われてたりもして。
おか:その時も周りに置いてかれるような焦りはあったんですけど、今度は入ったら入ったでやっぱり焦りはありますね。今、頑張らないといけないなと。
井上:すごい漠然としてますけど、改めて本気で結果を意識して行かなきゃいけないなと感じています。今までは音楽の輪郭を整えていくような感覚で活動してきたんですけど、これからは自分たちの音楽をどれだけ世の中に拡めていくかっていうことを、より突き詰めていかなきゃいけないし、そう考えるターンに入ったんだなと。
― 気を引き締めて新たなスタートですね。そしてミニアルバム「NEON EYES」がリリースされます。タイトルもジャケットも猫セゾらしさ全開な作品ですね。
おか:ライブをやっていく中で、お客さんにとってもアーティストにとっても、目からの情報って本当に大事だなと思って。目で訴えかける、目で聴かせるというか。輝きとかきらめきとか、今後の可能性を感じさせるような意味で「NEON EYES」というタイトルをつけました。ジャケットも曲のコンセプトを意識して、キラキラした目になってたりちょっとコラージュチックな絵なんですけど、今作にぴったりな仕上がりだと思います。
―「Mazer」(M-1)は猫セゾらしさがありつつ、よりオルタナ感というか”カッコ良さ”に突き進んだ楽曲ですね。
おか:自分の中の課題を表現できた曲だと思います。1つのリフをひたすら繰り返して依存させる、それだけでどれだけ乗らせるかって、やっぱ僕らの技量次第だと思うし、そこが結構面白い曲だなと。で、サビは”超歌モノ”みたいなイメージで、過去になかった曲だと思うし、新たな挑戦でした。
―「ごく身近な監獄」(M-2)はライブではずっとやってきた曲ですよね?
横山:2年前ぐらいからやってますね。ライブでも人気の曲だったんで、いつか入れたいなと思ってて、やっと音源化することができました。
― 神戸のバンド、というか太陽と虎まわりのみんな、やってるイベントとかも監獄とか監禁とかのフレーズ好きですよね…?(笑)
一同:(爆笑)
井上:それは関係ないし、もはや風評被害ですね(笑)
―「偽り切ないな」(M-3)は再録でより煌びやかになった印象です。
おか:”今の猫背のネイビーセゾン”、 ”murffin discsに入った猫背のネイビーセゾン”、 ”お客さんから見た猫背のネイビーセゾン”を、どう表現するかっていうのを意識しました。ネオンロックっていうものを自分たちも探っていた時期があったんですけど、今は結構明確に分かってきたので、それをどれだけ表現するかっていうことに集中して、音色や編曲もこだわって形にすることができました。
―「バトルサマーIII 」(M-4)昨年のリリースから印象的な曲でしたが、なぜ「III」なんでしょうか?
おか:これは受験生応援ソングというか、受験生の気持ちになった曲なんです。中3高3の夏って大事じゃないですか。なので、”戦う夏、3年生”みたいな意味でこのタイトルになりました。
― ファンもその世代が多そうですよね。
おか:多いですね。まさしく猫背のネイビーセゾンを聴いてくれてるみんなの中にも、これから受験を控えているような人が多かったんで、その人たちに伝わればいいなと思って作りました。
―「DANDANDANCE」(M-5)はここ最近の猫セゾを象徴するような曲ですね。
おか:この曲は作る段階からフェスとかライブを意識した曲だったので、いい反響がたくさんあってめちゃくちゃ嬉しかったですね。「意識したらできるんや」って。自信に繋がりました。
横山:デモを聴いた時から「これこそネオンロックだ!」って感覚でした。
― 意外とこれまで、ここまでエンターテイメントに振り切った曲もなかったですよね。
おか:そうですね、これは思いっきり振り切って作りました。とはいえ歌詞も大事にしていて、僕が結構、憧れ意識が強くて。バンド始めたての頃は”尊敬してる人にどう追いつくか”みたいな感覚だったんですけど、最近はそうじゃなくてどう超えていくかってことを考えていて、それを歌詞に入れられたのでそういう部分も感じてもらえたら嬉しいです。
― 他に今作のレコーディングでのエピソードなどあれば教えてください!
石坂圭介(Dr.):「Mazer」で最後のサビ前で、”カチャッ”って音を入れるか入れないかみたいなことを色々試して結果的にやっぱり入れないことになったんですけど、そういう細かいところまでこだわる感覚は、今回のレコーディングから変わってきたなと。
おか:正に考え方が変わったレコーディングでした。今まで以上にライブやフェスを意識して曲作りもするようになって、みんなでガヤを入れたりクラップを入れたり、それが楽しかったですね。
石坂:全員の声が入ってる曲って、今までなかったもんね。
おか:これまではなんていうか、もうちょっとクールな感じのスタンスでやってたから、照れくさい部分が正直あったんです。でもやっぱりお客さんが喜んでくれるし、もっともっとライブでみんなと楽しめたらいいなと思って。そういうテクニックというか、遊び心みたいな部分を今回はたくさん増やしました。
横山:初めてレコーディングを深夜までやったよね。
井上:もう朝でしたね。宿戻ってまたすぐ行く、みたいな(笑)
― そして春には東名阪ツアーが開催されます。「閃閃舞踊巡廻 (読み_センセンブヨウジュンカイ)」というタイトルも強烈ですね。これにはどんな意味が?
おか:閃きながら舞って踊って、、、
井上:巡廻する!
おか:murffin discsと組んで1回目のツアーなので、これぞ猫セゾっていうタイトルをつけたくて、漢字がいいなぁと思っていて、語呂がいい言葉を探して、このタイトルに辿り着きました。
― ロゴにもこだわりがありそうですね。
おか:「閃」がクラップになってたり、「廻」が目になってたり、細かくデザインしました。特に巡回の「巡」が「く」みたいな線が4本あるんですよね。本来3本なんですけど、”道を行く4人”というイメージでここをあえて4本にしているので、細かい部分まで見てもらえたら嬉しいです。
― どんなツアーになりそうでしょうか?
井上:全箇所スリーマンで内容の濃い対バン相手というのもあって、もはや全部ツアーファイナルぐらいのつもりで考えてます。murffin discsに入って1発目のツアーにもなるので、今の自分たちのネオンロックというものをひたすら届けていくツアーにしていきたいですね。
おか:対バンみんなこれまでの活動で出会ってきたバンドなんですけど、東名阪それぞれコンセプトが全然違うラインナップになっているので、僕らもセットリストどうしようかなって思ってますし、三日間全部来ても楽しめるツアーになると思ってます。
― 最後に猫背のネイビーセゾンのこれからの野望を教えてください!
井上:僕は猫背のネイビーセゾンっていう”渦”をずっと作りたくて。「売れる」って言っちゃうと漠然としてるんですけど、お客さんも周りのバンドマンも、僕らの”渦”にどんどん飲み込んでって、いつかとんでもないでかい”渦”にしたいです。これをmurffin discsと組んで大きくしていくっていうのが今後の自分たちの目標であり野望です!
おか:あと、もっと地元の神戸にみんなに来てもらえるように頑張りたいです。神戸でフェスをやる。それも野望の1つですね!