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S.R.S interview
- SPECIAL -

S.R.S interview

11/23に待望のニューミニアルバム「Radiant Rainbow」をリリースした稀代のメロディーメーカーS.R.S。心に染み行く歌詞とサウンドから受け取れる彼らのぬくもりの所以を、リリースのエピソード、地元北九州から東京へ上京した際の話しなど、様々な面から感じられたインタビューの様子をお届けします。
interviewer:鞘師至
ライブ会場では今年、よく顔を合わせる機会があり、彼らの物腰やわらかく、とても純粋に音楽をたのしんでいる姿を見ていた筆者にとって、この青年達を形成する生い立ちや頭の中で鳴っている音、彼らが見ている未来をゆっくり知ることのできた今回のインタビューは、唯一の共通言語「音楽」で、普段会話できることの少ない世代の、育った場所も違う、アーティストという自分と違った生活スタイルを送るひとたちと会話できたとても貴重な時間となった。彼らはまっすぐであり、全力であり、ひとのあたたかさを体現してくれる希有な存在だ。

僕自称ポップキャラだし、性格はけっこうROCKしてます(笑)

–今作「Radiant Rainbow」、メロディーのやさしさと、時折歌詞から受け取れる強い意志の掛け合わせが、「山口卓也ってどんなひとだろう」と人となりへの興味心をくすぐられました。あのやさしい声のイメージとは裏腹に、実は意外と男っぽい?

■山口(Vo.):あぁ、うれしいですね。確かにいわゆる草食系男子ではないですね。今作の4曲目の「やさしい嘘」の歌詞の内容にもそういう節があるんですけど、僕ら生まれが九州やし、男っぽさというか、けっこうお祭り系ですね。ポップなんですよ。ほんわかしてそうとか、無口だろうなーとかよく言われるんですけど。地元はほとんど僕みたいなミュージシャンですよ(笑)。ライブやりはじめの頃の対バンとかは強そうなロックのひとたちばかりだったし。

■向尾(Gt.):ああぁ、怖かったな(笑)。

■上松(Ba):控え室とか僕らいれる場所じゃなかったな(笑)。ほんと部屋の隅っことかで固まって(笑)。

■山口:でもそういう環境で育ったからですかね、男っぽいのが当たり前でしたね。

あと、ギラギラしてなきゃだめだな、と今日ふと、リアルタイムで思いました。

■山口:よく先輩のミュージシャンの方とかが40歳くらいになって、当時の写真とか振り返って「うわ〜俺ギラギラしてたね」的なエピソードあるじゃないですか。あれが自分にもっともっと必要だなと思いましたね。本当にもっと自分にストイックにならないけんなって。この東京って街はもちろんピースに生きていかなきゃいけないと僕は思ってるんですけど、「あのバンドまじで今にも噛み付いてきそうやな!」くらいのギラギラも持っていないとね、僕が10年後まで音楽やって満足に振り返る為には。

–1曲目の「OVER」もそういう意思を歌った曲?

■山口:そう、まさにそうですね。「自分を超えてやろう」とか「今よりもっとストイックに」とか。 多分そういうタイプの人間なんですね、元々僕が。

–3曲目「遠くの街」は地元を描いた曲ですよね。

■山口:そうですね、東京に上京してきてすぐに、ふるさとのことを想って書いた曲で、当時ほんとにもうさみしくてさみしくて(笑)。やっぱり離れてみてはじめてわかる生まれた土地のあたたかさだったり、友達や家族がいる心強さだったりがあって。上京してそれがほんとの意味で分かったのは僕的にすごくよかった。

ちょっとした風景や自然とかに感動する瞬間っていうのが好きで、そういう景色を僕は歌に乗せたいんですよね。 

■山口:あとこっちに来てから、より小さな喜びでもそれを自分で拾って感動できるようになったのもよかったです。生まれ育ったド田舎から東京に出て来て、やっぱりこっちには地元と比べて自然の景色が少ないし、そういういい場所があまりないなーとか思ってたんですけど、例えば幸平(上松(Ba.))が今住んでる家のベランダに植物がけっこういっぱいあるんですよ。で、幸平が洗濯物干してたりするときにチラッとその草が見えただけで「あ、やっぱ草木っていいわ」みたいな。夜家に帰って来て窓空けてみても星も見えないし、とか思ってた時にキラッとひとつだけ星が見えたときの感動とか。

–ちなみに当時出会った時から山口さんのこの細やかさとお祭り系な性格は変わらず?

■畑中(Dr.):うん、変わってないですね。昔からそうです。あと出会った時の印象はとにかくこいつ歌上手いな!っていう感じでしたね。カラオケ行ったんですよ。で、高校1年生がカラオケで1発目Queen歌ってて(笑)。音楽あんまり詳しくない僕が聞いても一瞬で「歌うまい」って分かったというか。

■山口:僕からしたら「え! Queen知らんの!?」ってごく自然に思ってましたけどね(笑)。あと当時のバンドの編成とかめちゃくちゃだったよね。ドラムが3人いて(笑)。ライブで数曲ごとにドラムが交代するっていう。

■上松:叩いてないひと袖で待機してて(笑)。新しいスタイルだった(笑)。

■山口:でも思い返せばS.R.S組んで、ずっとこの4人でやってきてるってのはすごいかも。

–仲いいんですね。

目標。。。とりあえず武道館!

ーこれから先の目標は?

■山口:目標は武道館ですね。武道館立ったら心置きなく一段落できるかな。それからゆっくり次の目標考える。

■向尾:つい先日、この武道館の話しを家の近くのマクドナルドにメンバー集まって、夜23時ぐらいから夜が明けるまで語ったんですよ。

■山口:そう、だから夢はでっかくね。なすびがキュウリになりたいって言ってる訳じゃないから。「おいしい大きいなすびに育ちましたね」、ってみんなに言ってもらえるようになりたいから。キュウリになっちゃったら成長っていうか「変わったね」って言われちゃうと思うんですよ。この先どれだけいろいろなインプットをして、パンクみたいな音楽とか、もっとPOPな音楽とか、いろんな音楽にも影響を受けながら進化していくと思うんですけど、それでもアウトプットしてみたら「あ、やっぱりS.R.Sだね」って言ってもらえる曲をやり続けること、これに僕はこだわりたい。で、武道館。だからとりあえずは当面の目標に向かってがんばります。1月のワンマンツアーを成功させなきゃね。武道館やったら、次の週にはまたeggmanでやりたいですね(笑)。