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SUPER BEAVER interview
- SPECIAL -

SUPER BEAVER interview

あなたたちじゃない、あなたに歌ってんだ

vo.渋谷のこんな言葉が印象的な東京出身のロックバンド、” SUPER BEAVER ” が新たにフルアルバムをリリースする。期待せずにはいられない彼等の作品に対して eggman マンスリーマガジンでは、2ヶ月連続インタビューを敢行!

interviewer:難波

―2月に発売されるニューアルバムの、『361°』というタイトルに込められた意味は何でしょう?

柳沢亮太(Guitar/以下=柳沢):原点の”人に対して歌いたい”とか”あなたに対して歌いたい”というところに戻ってきて、且つ、新しい仲間たちとそこからまた新たな一歩目を踏み出すという意味での『361°』です。

渋谷龍太(Vocal/以下=渋谷):俺たちが節目だと感じられたから付けることが出来たタイトル。原点から考えると本当は何周もまわってるはずなんだけど、ようやく1周まわっていろいろ見てきたなって思えたのがこのタイミングでした。

-なるほど。今回[NOiD]という新しいレーベルとタッグを組んだ理由というのを教えてください。

柳沢:自分たちで出来ることは全部自分たちでやろうと自主レーベルを立ち上げたんですが、いまのSUPER BEAVERをもっともっといろんな人に聴いてほしいと思った時に、自分たちだけでは手の届かないものも見えてきた。そんなときに[NOiD]のYUMAが「事務的なことは俺がやるから、もっと良い曲を作ってもっと良いライブをすることだけに集中してほしい。だから一緒にやろう」と言ってくれた。また純粋にSUPER BEAVERを好きだと言ってくれる誰かと一緒にやりたいと思っていたから、そういうタイミングで声をかけてくれたYUMAと一緒にやろう、と。

-このアルバムを出すにあたっていままでのSUPER BEAVERと変わった部分はありますか?

柳沢:渋谷の「あなたたちじゃない、あなたに歌ってるんだ」という、目の前の一人に対する言葉が今回のキーワードになりました。
渋谷:僕はいままで対象をそんなに大きく考えたことが無かった。例え100人お客さんが居ても、あくまでも1対1だとずっと考えていたから。そういうことをライブ中に口にすることが割と多かったんですよ。

柳沢:それを俺たちもすごく自然なことだとは思っていて。その渋谷の言葉を聞いたエンジニアさんが、いま歌うべきなのはこういうことだと明確な指針として提示してくれた。そこから『あなた』という曲が生まれたんですよ。この曲が出来た時点で今回のアルバムの着地点が見えた。具体的に言うと、いままでのSUPER BEAVERの曲は歌詞の中でずっと”君”って歌っていたのに、今回は全部”あなた”に変わっている。”あなた”って”君”より対象の範囲が広い気がしますよね。それによってもう一歩向こうの人たちに届きやすい言葉になっているんじゃないかと思っています。

-『あなた』のMVがスタジオでのレコーディング風景+歌詞というシンプルな構図ですが、どういった想いがあってそういうシンプルなMVになったのでしょう?

渋谷:スタジオでMVを撮ることは元々決まっていて、そこに歌詞を入れたら良いんじゃないかというのがうまく合致したんですよ。映像を作り込んだものよりも、俺たちが曲を作り上げた場所と、歌詞というシンプルな構図だからこそ、より歌詞が入ってくると思う。

柳沢:そしていまのSUPER BEAVERがどういう風に音源を作っているのか、どういう空気感でやっているのかというのも見せられる。最後にYUMAが映ってるのも、俺たちの良いと思うものを良いと言ってくれる人たちと肩を組んで歩んでる、というのが伝わったら良いな、と。

-シンプルの向こうにいろいろな意図があるんですね。今回のアルバムの制作中での秘話などありますか?

柳沢:『ありがとう』と『約束』という曲の、渋谷の歌録りがすごく良かったことですかね。エンジニアさんが録っている最中に笑いながら泣いたんです。普段そんな人じゃないんですけど(笑)。録ってるときに自分たちが感動できる作品ってなかなか無い。非常に良い空気感でした。

-渋谷さんは歌っていて何か感じるものはありました?

渋谷:自分のMCから始まっている作品というのもあるかもしれないですが、曲と自分がリンクする瞬間というのが今回は多かった。すごくわかりやすいんですよ。”あなた”という対象に伝わっていく導線が見える。

-そういった部分が明確だったんですね。

渋谷:俺たちはチームで輪っかを作っている。もちろんお互いの良いところも悪いところも知っているけど、それなのにその中で感動できるというのはすごく大きい。そこからもう1つ大きく輪が広がって、また広がって、という風に伝わっていくんだな、と。中心となる部分で感動という波紋が広がっているのが第一歩。これが無ければ始まらないんだと改めて思いましたね。

-ひと言でどういうアルバムになりました?

柳沢:すごく良いアルバムになりました(笑)。どの曲も良い曲です、ということではなくて、今回のアルバムのどの部分を切ってもいまのSUPER BEAVERの一番見せたい部分なんですよ。どれがリード曲になっても構わない。

-これから何を伝えていきたいと思いますか?

柳沢:誰に何を言われようと、あなたの特別はあなただけのものであれば良いということ。そう思えるキッカケは与えられるんじゃないかな。

渋谷:音楽でもファッションでも料理でも、あの人が良いって言ったから良い、という情報がいまはすごく多いと思うんですよね。そんな中で自分で見極めて自分から感動してほしいな、と。伝わる人にだけ伝われば良い、というのはすごく排他的に見えるけど、1周まわってそれこそ全てだと思うようになった。そういうものを自信持ってやっていきたい。

-最後に2月のアルバム発売を楽しみに待っている皆さんにひと言お願いします!

渋谷:絶対その人にとっての特別になるような1曲があると思うから、それを楽しみに待っていてほしいな、と思います。

柳沢:発売までの間にツアーの情報など、SUPER BEAVERからのお知らせが怒濤のようにあると思うので、そういうのも楽しみながら待っていてください!

-発売日が待ち遠しいですね!今日はありがとうございました!