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Thinking Dogs interview
- SPECIAL -

Thinking Dogs interview

メンバー全員が何度も口にした「1年2ヶ月」という期間。

彼等にとってそれは、数えきれないほどの不安や苦しみも入り交じった時間。その期間を経てリリースされた待望のシングルは、やはりその想いを裏切らない、彼等にとっての最高傑作。

誰よりも人間味を感じられるバンド「Thinking Dogs」に、今作への想いを語ってもらいました。

Talking Partner : TATSUKI

–1年2ヶ月ぶりのシングルリリースおめでとうございます。

全員:ありがとうございます!

–今回のシングル「Are you ready?」、制作を振り返ってみていかがですか?

TSUBASA : まず、真っ先に言いたいのが、レコーディング!メンバーそれぞれ色んな想いがあるとは思うんですが、これはただではかかっていけないって思って、最初からアクセル全開で臨みましたね!めちゃくちゃ苦労もありましたけど。
今までの曲って、ニュアンスの表現をするにあたって50〜100%の間で表現の幅を作っていたんですが、今回のは100〜150%位の間でニュアンスを出し続けるという感覚でした。魂込めてやりきれたなって思えてますね。

–今回のリード曲のアレンジは「大島こうすけ」さんが担当されてますね。シングル曲のキャッチーさの裏でこんなに攻められるんだなって印象だったんですが、これは楽器陣も演奏しがいがありますよね?

大輝:とてもありますね。

TSUBASA:最初のデモ段階では今の完成形と全然違うものだったんです。メロが綺麗な曲だなーって思ってたんです。アレンジの現場にメンバー全員でお邪魔して、作業を見させていただいたんですが、アレンジが進むに連れて楽器陣の表情が引きつっていくのが見えたんですよね(笑)

大輝:これ、大丈夫かな?とは正直思いましたね(笑)

わちゅ〜:今回久しぶりのリリースってなった時に、サウンドプロデューサーの大島さんとお話をした時に、「もっともっとメンバーの個々を引き出す」というところに焦点を置こうという話になって、バンドを楽しんでるっていうのをもっと表現しようってことになったんです。
その中でアレンジが進んでいって、もちろん「難しい」という印象は受けましたが、それよりも1から作り上げていくワクワク感や期待感が大きかったですね。

Jun:メンバー4人で12時間くらいの作業をずっと見てたんです。聴いてくれる人もビックリするだろうなっていう内容になってるんですが、その中で自分がギタリストとして、この曲だけじゃなくて音楽とどう向き合っていこうと考えるきっかけをもらえました。自分の技術が追いつけない悔しさも確かあったので。

TSUBASA:その日、家に帰ってJunがずっと練習してましたね。納得いくところまで突き詰めようとしてる彼を間近で見てて、やっぱこいつすげーなって改めて思えましたね。

–サビに入った瞬間だったりの細かなアレンジもとても印象的なんですが、Thinking Dogsだからそれを全て爽やかに感じさせてくれるなって印象があります。これだけテクニカルなことをキャッチーに聴かせられるのってThinking Dogsの強みですよね。既に「Asics Lady Worker メッセージ編」CMソングとしてOAされていますが、実際に完成した音源を聴いてみでどうでした?

TSUBASA:僕はもう100%出し切ったなっていう達成感が大きかったですね。個々のよさを詰め込んだっていう言葉が本当にその通りで、何度聴いてもニヤニヤできる曲ですね。

Jun:ライブでやる時の景色が想像出来ないなって思う部分もあったんですが…、手元見ないで弾く練習しなきゃなって思いました(笑)

わちゅ〜:爽快感と達成感しかなかったですね。アレンジが2016年末に完成して、その1週間後がレコーディングだったんですが、その期間は僕らにとって修行の日々だったんです。それを経ての完成だったので達成感が凄かったです。

大輝:パッと聴き、難しい曲ではあるんですが、Thinking Dogsの良さであるポップ感だったりキャッチーさだったりはしっかりと活きていますよね。ライブでやる時に、いかに難しい曲に聴かせないかというところも大事かなって思ってますね。お客さんがライブで楽しめる曲にしていきたいですね。

–2番のAメロは大輝が歌ってるんですよね?

大輝:前作から自分も歌で参加するようになったんですが、今回も歌う箇所があったんで頑張ってみました。

TSUBASA:僕の声との相性も凄くいいんですよね。

大輝:色んな関係者の方から、「歌い回しが似てるよね」って言われましたね。

TSUBASA:一番傍にいる歌い手の歌い方に自然と似て来るもんらしいんですよね。結果的にハモリにも一体感が生まれるから凄くいい効果だなとも思ってます。

–二曲目の「ユメハグ」についても聞かせて下さい。

TSUBASA:始めて聴いた時に、真っ先に歌詞に耳がいったんですけど、自分達を映した鏡みたいな曲だなと思いました。等身大というか、、、デビューしてから今までの自分達の生活や夢を追いかける姿を歌っているようで、自分の為の曲だなって。いつも新しい曲を自分のものにするのって時間がかかるんですが、この曲はすぐに入ってきましたね。

わちゅ〜:今回の3曲はそれぞれに違う作り方をしていて、この曲は一番「今まで通り」のやり方でやれた曲ですね。レコーディングに入ってみると、今まで自分達が培ってきたものを素直に出したものがしっくりハマった感じがあります。この1年2ヶ月くらいをライブ活動に費やしてきたからというのもあり、お互いの出したいものやクセをお互いに感じ合えていたんだと思います。

TSUBASA:特に聴いて欲しいところが、Aメロで僕が主旋律を歌っていて大輝がハモリを歌っていたのに、Bメロで入れ替わるところがあるんです。そういう細かいところにもこだわれています。

大輝:今までで一番歌う部分が多い曲ですね。

Jun:今回の三曲の中で唯一ギターソロがある曲なので、個々だけは好きに自分らしくやらせてもらっていますね。

TSUBASA:こういうマイナー調の曲って凄く好きなんですよ。メンバーみんなそうなんじゃないかな。悲しさや切なさを交えながらも、でもどこか楽しく歌えてる自分がいたりして、ありのままの自分で歌えてる気がしています。

–Thinking Dogsが余す事なく入ってるんですね。そして3曲目の「ハートビート」。メンバーが作詞作曲の楽曲ですね。

わちゅ〜:念願のですね。

TSUBASA:今回アレンジまでメンバーで行いました。

わちゅ〜:リリースが出来なかった期間にメンバーそれぞれが色んな想いを抱いていて、僕としても次のCDを出したい想いと、打開したい状況を織り交ぜながら色んなことを考えていたんです。その期間を自分にとってのチャンスに変えていこうという想いで作曲活動にも力を入れていました。2ヶ月に1度のペースで行っていたワンマンライブでも披露していたのですが、ファンへの感謝を伝えたいという想いでかいたのがこの「ハートビート」という楽曲なので、これが今回収録されることになった時は本当にガッツポーズでしたね。

大輝:メンバーでそれぞれ歌詞を持ち合って、その中で選ぶ形式だったんです。僕は歌詞を書くのが生まれて始めてだったので、どうしよう、、、ってなりました。その時期に、自分の周りにまさにこの歌詞のまんまの状況の知り合いがいて、それをストーリーにしていったって感じですね。

TSUBASA:この歌詞を最初に見た時に、「大輝、誰かに誑かされてるんだろう」って思いましたね(笑)

大輝:いやー、もう本当に恥ずかしかったですね(笑)メンバーに歌詞を見せるって(笑)

Jun:僕も歌詞を書いたんですけど、メロディーにのせていない言葉をメンバーにメールで送る時の恥ずかしさは本当に凄かったですね(笑)

TSUBASA:そんな中で満場一致で大輝の歌詞でいこうってなりましたね。

–これだけの想いのこもった楽曲だから、実際に歌入れをする時は感慨深かったんじゃないですか?

TSUBASA:そうですね。デモ段階で歌詞がまだ無い状態からどういう風に歌っていく思案していたんですが、実際に歌詞が入って歌を録るってなった時には、自分の引き出しを出し入れしながら細かいニュアンスの部分までメンバーと意識を共有させながら作っていきました。自分の中での100%のものをもっともっと上まで作って行きましたね。

–そんな細かい部分までメンバーでシェアしながらいつも作っていくんですか?

わちゅ〜:始めてでしたね。今までのオリジナル曲やカバー曲は、だいたい自分が大まかなアレンジを作って、それをメンバーがそれぞれに細かい部分を修正していくっていう方法をとっていたんです。今回これだけ全員でアレンジをしていくというのは初挑戦でしたね。みんなで何日も寝ずにアレンジに没頭したのを覚えています。初めてだったから、どういうやり方を全員でしていくのがいいのかがわかってなかったのでスタートの段階が一番苦労しましたね。とにかく楽曲に対する先入観を無くす為に、一度ボーカルトラックのみを残して、そのメロディーに対して大輝がドラムをまず作って、そこにJunがコード感を入れて、その後に僕のベースで基盤を作って、そして最後にストリングスだったりを装飾いていくっていう方法にしました。その間にTSUBASAにはコーラスワークを決めてもらって。こうやって作っていったから、メンバーの個性ややりたいことが沢山詰まっていますね。

–コード進行にもこだわりがかなり見えましたね。

わちゅ〜:僕のモットーみたいな部分なんですが、アコギ一本で演奏してもいい曲でありたいっていうのがあるんです。その中でメロディーを最大限に活かしたい。シンプルにしすぎるとやっぱりさらっとしすぎちゃってトゲがなくなっちゃうんで、そこでJunが色んなアイデアを出してくれたって感じですね。普通はベースが先なんですけど、今回はJunが出してくれたコード進行を活かしたかったので、ベースを後から入れるという珍しい方法でしたね。

Jun:楽器の数をどのくらい増やすのかとか、どのくらい豪華にするかとか、そういう完成形を想像しながらだったんですが、いかんせん初めてだったので、みんなでパソコンをリビングに持ち寄ってマスタールームを作って進めていきました。刑事ドラマの捜査本部みたいになってましたね(笑)そんなのもあってとにかく達成感が凄いです。

–なるほど(笑)。こうやって話を聞いてると、今回のシングルはThinking Dogsにとってとても特別な一枚になった印象を強く受けますね。

わちゅ〜:盛りだくさんですね。「Are you ready?」は僕らにとっても挑戦だったり新たな一歩という言葉がハマるし、2曲目の「ユメハグ」は今の僕らの等身大で今思ってることを全て重ねられた曲ですし、3曲目の「ハートビート」は僕らが培ってきたものを、オリジナリティーを持って表現できたものだなって思えるので、今の僕らの全部が詰まっていますね。

–今回のシングルを手に取ってクレルかたがたに、メッセージをお願いします。

TSUBASA:今僕らが出来ることを全部詰め込んで、僕らの「挑戦」と「勝負」がぎっしり詰まったシングルになっています。1曲目から3曲目までを流れで聴いて欲しいなって思いますね。そうするとストーリー性も感じて貰えると思うので。あとは、メンバー全員で試行錯誤して、苦労して、頑張ってつくった一枚なので、長い時間かけて愛されるシングルになって欲しいです。

Jun:1年2ヶ月ぶりのシングルで、それだけの期間の中にメンバーそれぞれ色んなことを考えたと思うんです。音楽のことも人生についても。でも最終的にこれだなって思えた1枚になってます。

わちゅ〜:この1年2ヶ月の間、自力をつけるために地道にライブ活動を続けていった中でやっと辿り着いたシングルなので思い入れも大きいです。さっきも話したように、曲それぞれに「挑戦」「等身大」「オリジナリティー」という想いが詰まっているので、とにかく聴きごたえのある一枚ですので、僕らの「今」を感じ取って欲しいです。また、「Are you ready?」のPVにちょっとした振り付けもあるので、それを覚えてライブで一緒に盛り上がれたらなって思います。

大輝:何度も言っていますが1年2ヶ月振りということで、メンバーが不安だったというのはもちろんあるんですが、何より、その期間待っててくれたファンの人たちにありがとうって言いたいです。だって、、、1年2ヶ月ですよ?(笑)よく待っていてくれたなって感謝しかないです。だからこそ、妥協せずにいい作品にしたかったし、いい作品にできたと思っているので、お待たせしました!って言いたいですね。また皆と一緒に進んでいきたいなと思っています。

–そしてリリースの翌日にはTSUBASA生誕祭、ワンマンライブが渋谷WWWで開催されますね。過去最大規模ですが、意気込みを聞かせて下さい。

TSUBASA:今までも僕らにしか出来ないことを沢山やってきたんです。メンバーそれぞれの生誕祭では各々の個性をかなり出してきているので、それの最大級を出していきたいと思います。僕らしさを。楽しくならないわけないです!皆の期待を遥かに上回っていきたいです!

Jun:TSUBASAの誕生日で、リリースがその前日にあってという奇跡はなかなか無いと思うので、その奇跡を目の当たりにしていただけたらと思います。

わちゅ〜:僕らがこの1年2ヶ月の間、このDog’s Partyというものに全力を注いできているので、思い出深いイベントなんです。ファンの方々に返せる場所がここだったので。今までの集大成を出していきたいと思っています。

大輝:Thinking Dogsのワンマンって何でもありだと思うんですよ。笑いもあり、カッコいいところもあり。来てくれた人に楽しんで帰ってもらう自信は絶対的にありますし、今回はTSUBASA君の生誕祭というのもあるので、最高に楽しんでもらえると思います。

–最後になりますが、今回の作品を漢字一文字で表すとしたらなんでしょうか?

TSUBASA:「挑」ですね。「闘」っていう字と悩んだんですが「挑」で!

2017年は、自分達の曲達を沢山リリースしていけるようにしていきたいです。それが僕らの一番の喜びでもあるので。「少しずつ」なんて言ってるとチャンスはどんどんなくなっていくと思うので、余す事なく出していきたいと思います。

–ありがとうございました!