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恩田快人(ZAMZA, ex.JUDY AND MARY) インタビュー vol.2
- SPECIAL -

恩田快人(ZAMZA, ex.JUDY AND MARY) インタビュー vol.2

エッグマン開店直後から数々のバンドで出演している恩田快人(ZAMZA, ex.JUDY AND MARY)に行った突撃インタビュー後編!!バンド成功の秘訣や楽曲制作のコツなどプレーヤーとプロデューサーの両方の視点から語っていただきました。

※インタビュアー:井上秀隆/shibuya eggman

●井上:それでは引き続き後半インタビュー行きます。
いきなりですが恩田さんが考えるバンド成功の秘訣みたいなものはありますか?

恩田:まずはバンドの世界観や詞と曲、各メンバーのキャラクターなどを確立させることだと思います。
JUDY AND MARYを結成した当時は解散したバンドのメンバー同士が一緒にバンドを始めてすぐにデビューみたいな形が多かったんですが、そういった形では無くバンドのアイディア一つで勝負したかったので、JUDY AND MARYを作った時に一切名前などは明かさずに1アマチュアのフリをしてデモCDを当時の事務所に送りました(笑)
すごくシンプルに洋楽好きの嗅覚の強い人たちが嗅ぎつけるようなものを目指しました。

●井上:それすごくわかります!!僕が初めてJUDY AND MARYを聞いたのがシンディローパーやマドンナを聞いてた頃でしたから。

恩田:そうそう!そういう嗅覚の持ち主が絶対に気に入ってくれると思ってました。
いきなりテレビでタイアップとかではなく、デビューシングルの「POWER OF LOVE」
の最初のドラムの部分でこれだ!って思うような人たちですね(笑)

●井上:納得です!!(笑)
ジュディマリは「そばかす」からじゃないんだぞ!と(笑)

恩田:そうですね(笑)
あとは僕がメンバーを説得して人生を預けてもらっている部分もあったので著作権印税の契約などは色々と調整したりしましたね。

●井上:すごいですね!!当時20代後半くらいですよね?

恩田:27歳ですね。
でも17歳からライブハウスに出て、22歳頃からメジャーで活動していたのでそういった知識もある程度あったのは大きかったです。
ただ、知識があったとは言え非常に難解なものなので煮るなり焼くなりどうされてもイイ!!もう任せた!ってくらい信用できる事務所としか契約しないつもりだったので。

●井上:完全に恩田さんが黒幕的な感じですね(笑)

恩田:黒幕的な人が居て、契約の時に出て来るんじゃないの。とは聞かれましたが(笑)僕が言いだしっぺですから。
JUDY AND MARYというバンドに納得して参加してもらいたかったんですよ。
このバンドをやって損したとか思われるのが一番辛いですからね。

●井上:やはりバンドメンバーのモチベーションをどうやって引き上げることができるかどうかが重要なんですね。

恩田:そうですね。
バンドって一人では絶対にできないし、足し算ではなく掛け算だと思ってるんです。
自分の閃きを他のメンバーの能力と掛け合わせていく感じですかね。
感覚の掛け算というか。
10の能力を持ったメンバー4人だとしたら足し算だと40にしかならないですけど、
掛け算なら10000になりますから。
だから自分以外のメンバーに対してどういったアプローチをするかで大分変ってくるかなと。男女の恋愛に近いものもあるかもしれません。

●井上:今の話にもあるように恩田さんはプレイヤーでありながら
プロデューサー的思考も強い方だと思うのですが、楽曲制作にもそういった思考が活かされているんでしょうか?

恩田:それはあると思います。
自分が持っているイメージを各メンバーに伝えたりはもちろんします。
ただ、それに固執はしませんね。
僕がイメージしているものよりメンバーの個性が活かされて良いものが生まれる可能性も
十分にありますから。
このメンバーでやると決めた以上は、あてにし過ぎず、期待するという感じで、
何かして欲しいと思う前に、自分が何が出来るか。と言う感じでしょうか。

●井上:楽曲はどのような楽器で制作しますか?

恩田:JUDY AND MARY時代の楽曲の半分以上は鍵盤で作ってますね。
最初に簡単なリズムパターンとピアノのコードとメロディを入れてみんなに聞かせる感じです。ガチガチに固めたものを聞かせるとそこがスタートになってしまい
破天荒なものができないんです(笑)
ゼロに近い部分から各メンバーで色々イメージを膨らませて作りたいので最初はいたってシンプルなものを作ります。
例えば「小さな頃から」という曲は最初作った時は8ビートでアップテンポの曲でしたからね(笑)

●井上:かなり意外ですねー(笑)

恩田:歌詞の内容によってもBPMを変えたりアレンジを変えたりはよくしましたね。
あとJUDY AND MARYはキーボードがいない編成なのでコード感をだすのに色々と工夫をしてますね。ギターとベースの二つでコード感をだすようにしてました。

●井上:ギターだけがだすわけじゃないんですね。

恩田:ギターがだした方が良い場合もあればベースがだしたほうが良い場合もありますね。その二つで足りない場合はコーラスでコード感をだしてました。
それでも足りない場合は少しキーボードを入れたり、タンバリンを入れたりという感じですね。スタジオでひたすら色々なパターンを試して作っていってました。
作ったときはプレーヤーなのですが1度持って帰って聞くとリスナーになれるので、
リスナー的にはこれだ!というアレンジを残してさらに詰めたりという作業を延々とやってました。

●井上:とりあえずやってみようってことですね。

恩田:そうですね。
やってみてわかることがたくさんありますから。
さっきもお話ししましたがこういった部分が感覚の掛け算なんだと思います。

●井上:確かにそうですねよね。
そこまで濃密に曲作りをしているとボツ曲も結構多かったんじゃないですか?

恩田:まさにその通りです(笑)
デモ曲はみんなで120曲以上はあったと思いますが、発表曲は80曲くらいですからね
1曲の濃さには相当こだわりましたから。
今の若いバンドの子たちにもこだわりは持ち続けてほしいですね。

●井上:バンド成功の秘訣から楽曲制作のコツなど
非常にタメになるお話しを色々とありがとうございました!!

恩田:ありがとうございました。