Stone in the “You” #2
音楽という、確かに此処にあったものがひとつひとつ減っていって、自分がひとり此処に立っているのだと気づくと目の前にあるものが全て、虚しく思えてくる。
誰もいないステージで、こんなにも早いスピードで時が流れて、自分だけが此処にいるなんて、驚きだ。何故こんなことになってしまったんだろう。未だにわからない。
涙があまり出ない飽和した悲しみ、それにともなう柔らかな眠気の中で、相変わらず淡々と時は過ぎていく。ああ、わかった。きっと自分の力で取り戻さないといけないんだな、続けたいと願うなら。息苦しい暗闇の中で、ゆっくりと深呼吸を繰り返した。
動き出すのになかなか時間がかかってしまったけれど、僕らは今こそ、希望を歌うことにした。ロックバンドはいつだって前に進むことを肯定し続ける。こんな時代だからこそ声を上げ続ける。今なら確信を持って言える、それは、必要なことだ。
この曲を抱えて、全てを取り戻しにいこう。
「You e.p.」収録曲 “You”より