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the quiet room interview
- SPECIAL -

the quiet room interview

平均年齢21歳の4人があくまで力まず自然体で描写する、自分達の世代のリアルな音楽。 共感は同性だけでなく女子にも広がり、ティーンの気持ちの代弁者となっているthe quiet roomのニューシングルは、フロントマン菊池 遼の背伸びしない今の感覚で一番ビビットな部分を綴ったユースミュージックの最新事情だ。 過去、歌謡と呼ばれたこの国の時代のPOPミュージックはリロードを繰り返して、世代ごとの独自の音楽としてどんどん形を変えているが、本作『Instant Girl』もそのひとつ。 バンドマンの今が詰まった心の揺れ動きが素直で純粋でぐっとくる。

Interview & Text : 鞘師 至

その時の自分に忠実な音楽をやっていく。

ー今作の表題曲「Instant Girl」、タイトルからしていきなり尖ってますね(笑)。 「意味のない歌ばかり聴かせないでよ」という歌詞も。 あの穏やかに生きたいと言っていた菊池くんが… 意外でした。

• 菊池 遼(Vo/Gt “以下 K”): あ、本当ですか(笑)? この曲、僕的にはあまりアンチテーゼみたいな想いが強い訳ではないんですよ、自然に自分の思った事を綴っただけというか。 誰かに対して攻撃的な歌詞を書いたつもりはなくて、僕が今生活していて思った事の断片を書いてみたんです。 曲と歌詞が自分らしく書ければ、どういう内容のものを作っても、自分のどの側面を切り取っても、自分達らしい作品に出来ると思っていて、この曲もごく自然な気持ちで作った曲です。

ーそっか、サジ投げてなくて良かった(笑)。 対比で曲は超ノリノリっていうのがおもしろい。

• K: シングルを出すのが決まってからメンバーにどういう曲やりたい?って訊いたらドラムのコビキが「俺、四つ打ちビートやりたい!」って発案したんでそれでいこう、ということで作った曲なんですよ。 メンバーは結構そういう要望を持ってて「BPM90ぐらいの曲がやりたい」とか細かいリクエストしてくるんですよ(笑)。 それでメトロノームでBPM90でクリック鳴らしてそれに合わせて弾き語りしながら僕が曲を作る、みたいな。 今までは四つ打ちビートっていってもテンポの遅いものしかやってきてなかったから、こういう早いBPMでの四つ打ちは新鮮だな、と思って。

ー確かに。 ライブで盛り上がりそうですね。 2曲目の「ラストシーン」も曲はポップですが、こっちの歌詞はなんとも切ないですね。 フラれた男子の情けなさ、みたいな。 この2曲、双方に靴が登場して「Instant Girl」では使い古したシューズ、「ラストシーン」では綺麗なままのスニーカー、ストーリーが繋がってるのかな、と思ったんですが。

• K: そう、これは繋げました。 彼女がいた頃に持ってたスニーカーを履き潰して、新しく買った時にはフラれて、っていう物語。 「ラストシーン」はけっこう前にある程度形にしてあったんですけど、今回「Instant Girl」を作ってから少し手直しをして完成させて曲で、歌詞もその時に繋げました。 これ、以前リリースしたアルバムの「雨上がりの午後に」(1st. EP 「Life is wonder」M5)の歌詞から続いてるストーリーなんですよ。 その曲では彼女は外へ遊びに出たがってるけど彼氏はこのまま家に引きこもってるのも悪くないと思ってる、っていう内容なんですけど、今回の「ラストシーン」では結果的にフラれてまた家に引きこもって「土砂降りの雨だったとしても、あの時出かけておけば良かったなぁ」って後悔してる、っていう。

ーこういうストーリーは普段どんなものからインスピレーションを受けて書いてるんですか?

• K: 普段の生活の中で出来るだけ色んなものからインプットするようにしていて、音楽以外でもよく映画を見たり、漫画を読んだり、小説を読んだりしてますね。 これまでの曲のタイトルなんかは自分が読んだ小説に出てくる文から抜粋してるものもあるし、読んだ小説の感想を自分なりに書いて歌詞にしてる曲もあります。 内容的には特に女性が主人公のストーリーのものが多いかな。 やっぱり男性と女性で物事の感じ取り方が違って感受性がそれぞれなんで、女性目線の感覚っていうのが新鮮なんですよね。

ーそれ、バンドの歌詞にちゃんと投映されてますね。

• K: そうですね、僕は男性だけど女性にも共感してもらえるものを作っていきたいって思ってるんで、必然的にそうなるんだと思います。

ーちなみにノンフィクションの菊池くん自身の経験を歌詞にする事は?

• K: 全部自分の感受性で書いてるんで、そういう意味ではノンフィクションですけどね。 僕昔から、感情の起伏があんまり無くて自分には心が無いんだと思ってたんですけど、どうやらそんな事もないみたいで、ここ最近で結構心が揺れ動くようになってきたんですよ。 だからこれからは完全ノンフィクションの歌詞とかも書いていけるかもしれないですね。 最近他のアーティストの曲にも、昔より遥かに共感するようになってきたんですよ。 昔はラブソング然としたラブソングってあんまりしっくり来なくて、クドいと思う事が多かったんですけど、今はめちゃくちゃ感動するんですよ。 だからそういう感受性の部分は次回作には活きるかもしれないです。 何にせよその時の自分の感受性に実直な音楽をやっていきたいって思っているんで、次作、またその先の作品では歌ってる内容も曲調も変わるかもしれないですね。  今回の2曲なんかは、自分でも歌詞が青春っぽいっなー、と思ってるんですけど、それでいいんです。 今頭の中にある自分の理想の音楽としてはもう少し大人っぽいっていうか、自分の心の問題とかよりもっと大きな、壮大な事を歌った音楽なんですけど、それはもう少し経験と時間を重ねていって、自分がそういう表現に見合うようになった時にやればいいと思っていて、今は青臭くてもいいから今の感覚で一番リアルなもの、歌っていて気持ちのいいものをやって行きたいと思ってます。 今回の2曲も、そういう意味では今歌いたいことをちゃんと詰め込めた曲なんで、このタイミングで出せて嬉しいし、今聴いて欲しい今のこのバンドの音楽ですね。


【リリース情報】
数量限定ワンコインシングル
「Instant Girl」
2016.2.3 ON SALE!!!
MDMR-2034
¥500+TAX
【ライブ情報】
『Instant Girl Release Tour 2016』
2/10(火)@茨城・水戸ライトハウス
2/19(金)@福岡・graf
2/21(日)@広島・CAVE BE
2/28(日)@栃木・HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
3/29(火)@宮城・LIVE HOUSE enn 3rd
3/31(木)@愛知・池下CLUB UPSET
4/1(金)@大阪・心斎橋Live House Pangea
4/3(日)@東京・shibuya eggman ※ワンマン公演
詳しくはthe quiet room official homepageへ
→http://www.thequietroom.biz