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Milky Bunny interview
- SPECIAL -

Milky Bunny interview

ファッション界のカリスマが鳴らすロックサウンド。甘いだけじゃないリアルな益若つばさの思考回路とまっすぐな意思を感じる歌声がアクセントの音楽業界の異端児”Milky Bunny”の4th. Single「ねぇかまって?」は、人気アニメキャラクター”バッグス・バニー”との奇跡のコラボジャケットもインパクト大の、Milky Bunnyにしかできない”ビジュアル × サウンド”の総合エンターテインメント作品。POPアイコン益若つばさの音楽への堅実な側面が伺える本紙初登場インタビュー。

Milky Bunny interview

–まずはMilky Bunnyの音楽のバックグラウンドを聞かせて下さい。

Milky Bunny (以下M ) :基本はJ-POPSが好きなんですけど、根がすごくミーハーなんですよ。好きになるととことんハマるし、それがジャンルで選り好みしてるというより、感覚的に好きになっていった音楽が色々あったので、それこそ私の世代だとJUDY AND MARYやMr. Childrenなどのバンドミュージックだったり、globe, SPEEDなどダンスミュージック的な音楽だったり、どんな音楽でもハマったらとことん聴いてましたね。だから昔は自分が果たしてどんな音楽を好きなのか、なかなか特定できなかったんです。

–そんな中でMilky Bunnyの音がばっちりロックで一環しているのは、何かきっかけがあったんですか?

M:まず最初、さぁ音楽やるぞ!となった時には自分の好きな音楽って?という答え合わせから始めました。バンドのメンバー皆でいろんな曲をひたすら聞きまくって、「やっぱりこれ好きだな」っていう曲を絞っていったんです。そしたら結果的に選んだ曲が全部バンドアンサンブルのものだったんです、偶然なんですけどね。その時初めて自分で「私は楽器の音が好きなんだ」って認識できたというか。そこからはやりたい音も見えたんで、1st. albumを作る時も生の楽器の音にこだわって作ったし、「Milky Bunnyはバンドサウンド」というコンセプトは今もずっとあります。あとはね、レコーディングしてみて分かったのが、私、声がかわいくないな、っていう(笑)。でもロックを歌うに当たっては向いてる声質だ、って周囲の方々が言って下さったこともあって、バンドサウンドでロック、これがカチッとはまったんです。

–バンドを構成するミュージシャンもBACK DROP BOMBメンバーなど、非常に豪華なキャストですね。

M:そうなんです。それぞれ活躍されてる方々が集まってくださって。それにも関わらず、とても奇策に打ち解けてくれる人達なので、いつも助けられてます。今までの作品も、今回のシングルも、まず一曲一曲をキャッチーにしたいっていう狙いで作っていったんですけど、各バンドメンバーがさすがの腕を持ってるんでそれぞれの曲のカラーも出せたし、まずとにかく演奏していて楽しい。

–モデルの活動とは全く違った楽しみですか?

M:全然違いますね。Milky Bunnyの活動は私の今までやって来たモデルの要素も、新しい音楽の要素も、全部が詰め込める「総合部門」というか。

–確かに、ライブで人前に立てば容姿も立ち振る舞いも、音楽と一緒にそのアーティストの表現として一塊になって出ますからね。

M:そうなんですよね。ただひとつ決定的に違うのは、モデルの仕事はパッと見た一瞬の驚きとか感動を作る仕事なのに対して、音楽はバンドメンバー、お客さん達と一緒に作ったり楽しんだりすることができるっていうことですかね。モデルの仕事でももちろんスタッフさんであったり、共演するモデルさんとのショットだったり、共同作業もあるんですけど、音楽はもっとみんなと一緒にやっている感覚…一緒に運動会してる感じというか(笑)。

ー運動会(笑)

M:「一緒」感という意味でね(笑) 皆で汗かいて作り上げて感じがする。今までの仕事では全員でひとつになって楽しむ作業というのが少なかったから、音楽を作るに当たってメンバーと一緒に何回もスタジオにこもって練習したり、レコーディングでいろんなスタッフさんと試行錯誤したり、大人数でひとつの作品を作るっていうことが、大変だけど達成感があってすごく新鮮でした。

ー音楽は学生時代から好きだったんですか?

M:ずっと歌が好きで、中学生の頃はストリートライブとかやってましたね。その頃は本当にお遊び程度のノリで。私の地元の駅周辺に当時路上ミュージシャンがたくさんいたんです。それをいつも見てたんで、見様見真似で友達にギター弾いてもらって、私はタンバリン叩きながら歌ったりしてました。でも外はやっぱり寒くて、すぐ辞めちゃいました(笑)。それでもすごく楽しかったですね。歌っててもなかなか人が止まってくれない悔しさとか、たまに止まって聴いてくれるひとがいた時の嬉しさとか、子供なりに世間の過酷さを感じてました(笑)。

ーお話を聞いていると「音楽→モデル」という逆パターンのデビューもあり得たかもしれないですね。

M:う〜ん、順序はどちらが正解だったか分からないけど、結果的に今こうやってバンドをやれていることはすごくうれしいです。小さい頃から元々音楽がやりたかったんですけど、どこか心の中で「やっぱり無理だよなぁ」と諦めていた気持ちもあってなんとなくアルバイトしていて、その時たまたまでモデルとしての活動を始めたら、いつの間にかそっちで忙しくなってTVにも出演させていただけるようになって。自分では予想外の展開だったんですよね。それでもようやく歌ができるようになってこのバンドをやり始めた訳ですけど、世間からのイメージはどうしても片手間でやっているように映ってしまっていて、「モデルでちょっと売れたから」的なことも沢山言われたし、悔しかったですね。バンド名はそんな状況の中でもなめられたくない、という想いからモデルとしての名前を借りずにMilky Bunnyって名前をあえて付けたんですよ。 大変だけど、音楽はちゃんとゼロからやりたいと思ったので。

–実際大変でした?

M:大変でしたね、無名過ぎて。「Milky Bunnyです!」って紹介されると会場はシ〜ンとしちゃうけど、「益若つばささんです!」って紹介されたとたんにワアッと会場が湧く、ということがよくあったりで、バンドとしてやっている時はやっぱり音楽にフォーカスしてほしいし、という葛藤が常にありました。でもバンドで活動していたらモデルの私じゃなく、Milky Bunnyとして初めて知ってもらって好きになってもらえることもあるかもしれないから、そういう意味では、自分の表現の幅を広げられている事、あとはモデルとかバラエティーとか、プロデューサーとかで活動していたことが全部活かせた上で活動できていることに、やりがいを感じながら今、音楽ができてます。

–音楽が今の自分を表現するいい方法のひとつになっているんですね。

M:うん。モデルは服とかメイク用品とか、何か別の”モノ”ありきの仕事なのに対して、音楽は歌う私自身とか、演奏するバンド自体が主役っていうのがすごく新鮮なんですよね。服が映らなくても、髪で顔が隠れても気にしなくて良いっていうのが不思議だし、なんかすごく嬉しいんですよね。

–考えが非常にどっしりしてますね。モデルの益若さんのイメージはとってもPOPですが、ご自身はもっと冷静というか。

M:そうですね、「会話が40代」とか「悟り開いてるでしょ?」とかよく言われます(笑)。

— (笑)。言葉という意味では、ご自身で書かれている歌詞も同じく、益若さんの頭の中が垣間見える情景描写がとても興味深かったです。

M:歌詞っておもしろいですよね。モデルではちゃんとしてなきゃいけない、っていう意識が強くて、真面目にファッションのことやプロデュースしてるものを語ったり、しなければいけないのに対してMilky Bunnyの歌詞ではネガティブなことも書ける、というか。イヤなものはイヤとか、辛い、とか言ってもいいんだ!っていうのが驚きなんですよ。普段自分が周囲に言ってないようなネガティブなことすら、言ってしまうことが正解だったり、自分の気持ちに素直になることが正当とされるのがおもしろいですよね。そういうネガティブ要素も比喩とか、言い回しで組み込んで歌詞にしていく作業も楽しいし。元々私、国語大好きだったんですよ。だから歌詞を初めて書いた時も、もちろんプロじゃなかったんで、書き方なんで全く分からなかったですけど、最初に書いた「ずるいよ…」に関しては感覚で書き始めたら2時間くらいで出来たんですよね。今作の歌詞も3時間くらいかな(笑)。とにかく何か書くのが好きなんです。

–音楽のプロじゃない立ち位置から始まったが故の、感覚的な創造性が武器なのかもしれませんね。

M:無知に近いですからね(笑)。作曲でも「なんかギュイーン!って音入れて」って言ってyoutubeでいろいろ探して「これ!この音がいい!」とか言って伝えたり。メンバーにいつもいろいろ教えてもらいながら、なんとかやってます。

ーひとつの業界で昇り詰めた人が、こうやって新たなジャンルのことをゼロからやり始めるっていうのは、大きな事件ですね。

M:うん、たまに年末とか、ふと一人になった時に「何で音楽始めちゃったんだろ」とか思いますもん(笑)。何で私はまた一から修行をして、大変な思いをすることを選んだんだろう、って。なんか、ドラクエみたいですね。

–レベル上げの辛さですね(笑)。

M:ほんとそうです(笑)。モデルの仕事でもパッと売れた訳じゃなくいわゆる下積みの上成り立っていったので音楽も一緒だと思っていて、数年かけてしっかりレベル上げして、下地を作って地に足着いた状態で裾野を広げていきたいと思ってます。だからMilky Bunnyの活動も今はがんばる時期なんだと思います。ライブも楽しいし、もっとしたい。しっかり勉強しながら、楽しみながら、これからもバンドを続けていきたいですね。