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マカロニえんぴつ interview
- SPECIAL -

マカロニえんぴつ interview

フルアルバムとしては2年半ぶりのリリースとなる「hope」をリリースするマカロニえんぴつ。
収録曲を見ればいかに贅沢なアルバムかが一目瞭然ではあるが、一番にその贅沢さを感じられるのは「メンバー全員で作り上げることができたアルバム」であるとVo/Gtのはっとりが言い切る1枚であること。
今や街中で彼らの音楽を耳する機会が多いこの状況で、今彼らが一番大切にしているものがなんなのかを語ってもらえました。

Talking Partner : TATSUKI

—お久しぶりです!

はっとり(以下:は):前回インタビュー以来ですね!

—すごい勢いで爆進してますね、マカロニえんぴつ!

は:おかげさまです!

—4月1日には2nd Full Album「hope」リリースですね!おめでとうございます!

は:ありがとうございます!

—フルアルバムリリースは2年半ぶりなんですね!意外!

は:フルアルバムとしてはそうですね。ずっと何かしらはリリースし続けてきたのでそんな感じはしないですけど。2年半ぶりってことは、所属レーベルのTALTOにそんなに長くいるってことですね。早いなー。

—早いものですね。アルバムの楽曲並び見させていただきましたが、贅沢!贅沢ってまさにことのことですね。

は:嬉しいです。

ー収録曲の半分がタイアップ曲となっているというのも、今のマカロニえんぴつの強さを出しているなという印象です。2年半ぶりのフルアルバム完成してみて今のお気持ちはどうですか?

は:確実に達成感はあるんですけど、今まだリリースができてないので、1番の気持ち良さは味わえないまま我慢してる状態ですね(笑)

ーお客さんの感想やリアクションを体感してこその喜びや達成感も大きいですもんね。

は:そうですね。ただ、すでに聴いてくださった媒体や関係者の方達からは「いい」という評価をいただいているので、そこでの安心感は少しあります。割と好きなことをやれたのでだからこそですね。バンドが面白がってやりたいことをバンドとして面白がってやれたし、メンバー全員がいいものを作れたという満足感を感じられてるのでそれが嬉しいですね。

ーみんなで作っていけたアルバムってことですね?

は:アレンジもみんなで作り上げて行ったし、今回もそれぞれが作曲もしましたし、みんなの個性がしっかり形になって色濃く自信満々に出ています。

ーそれこそ2年半前との違いを感じますか?

は:2年半前もメンバーの作曲した楽曲はあったんですが、今ほど暴発はしていなかったので、このくらいはみ出して歯止めが効かなくなる感じがいいですよね!

ー今回、「hope」というアルバムの収録曲で「hope」という曲がありますが、こちらがリード曲という解釈でいい、、、

は:あ!言ってませんでしたっけ?…。全曲リード曲です!(キメ気味)

ーおおおお(笑)

は:俺はもうそういう概念捨てたんで!(キメ気味)。いいじゃないですか、どれがリード曲かどうかなんて!(キメ気味)

ーなるほど。…。ということで、「hope」がリード曲でいいんでしたっけ?

は:えーと、そうですね、リード曲です!

全員:(笑)

ーそんな「hope」ですが、イントロからもう意外性抜群でした。マカロニえんぴつはなんでもやってくるなーって。あれはどんなイメージで作ってるんですか?

は:…。あれは雨の降る日でしたね。(キメ気味)

ー今日そのバージョン多いですね、、、。

は:(笑)。この曲のイントロは自宅で何気なく鍵盤を触りながら出てきたフレーズなんですよね。その時から完成系のまんまの感じで。元々は「ヤングアダルト」の感じをシンセでやるとどうなるんだろうっていうのがあったんです。そんなのもあってか、すごく楽しみながらデモを作っていけたんですよ。そんな流れでサビ前まで作ってメンバーに聴かせたら、やっぱり意外性も感じながらも可能性も見出してくれて、こういう曲をリード曲にできるバンドってかっこいいよねって話になって、一気にリード曲に上がってきた曲ですね。
続きをみんなで作るためにスタジオに入ったんですが、僕は完全に無の状態で行ったんです。みんなで考えたかったからなんのアイデアも持たずに。そうしたら意外にもすっと完成したんですよね。一気に作り上げられた、その勢いが曲にも表れてるんじゃないかなって思います。

ー名曲あるあるですよね。ものの数十分でできた曲こそっていう。

は:時間かけない方がいい場合も多いなっていうのもありますよね。勢いをしっかりパッケージできたし。歌のレコーディングが10分で終わったんですよ。音量チェックで歌ったテイクがほとんどそのまま使われているんです。その粗さがこの曲に合っていてかっこいいんじゃないかなって。10分で録り終わってブースから出て行ったときにメンバーにも「かっこいいい!」って言われたら、そりゃあもう気分は矢沢永吉さんでしたね(笑)

ー瞬間芸術の塊ですね。とっても素敵な曲でした。そして今回は新曲も盛りだくさんで、かなり楽しみな1枚ですよね。新曲について色々聞かせてください。「この度の恥は掻き捨て」はどんな楽曲でしょうか。

は:この曲はベースの賢也が作った曲ですね。デモの段階で同じフレーズを繰り返していくループ的な音楽だったんですが、もう少し何か仕掛けが欲しいよなって話になって、テンポがどんどん上がっていくのはどうかなってアイデアが出て、それをやってみたんですよ。スタジオでやってみてみんなで「はえー!!」って騒ぎながら合わせて(笑)本当に早かった(笑)。
音源はドラムはそのままあえて打ち込み音源を使ってみて、ギターソロに関してはベースの賢也がデモ段階で弾いたギターソロをそのまま使っています。ベーシストが弾くあの感じはギタリストが弾いても出ないので。
とにかく楽しかったですね、この曲を作っていく過程もレコーディングも。ぽっと出のアイデアもたくさん詰め込めたし。
冒頭のセクションは、去年のクリスマスにメンバーみんなで集まった時に作ったものです。男4人でイブに一緒にいるもんだからちょっと気がおかしくなっていたんでしょうね、その時に作ったセクションがあの冒頭にくっついたんですがもう謎ですよね(笑)とにかくはちゃめちゃに遊んでます!

ーそんな曲が「hope」の次の曲っていうのもマカロニえんぴつらしさですかね。

は:そうですね、照れ隠しみたいなもんです。余韻に浸らせないっていう。

ーそして「嘘なき」

は:これは本当に個人的な曲ですね。僕個人的な感情のウェイトが大きいというか、それでしかないものです。他の曲は客観的に登場人物を立てて自分と切り離していることも多いのですが、この曲は渡せなかった手紙のような曲です。2年前くらいかな、家で録音した音源そのままなんですよ。リリースするつもりもなくて自分用というか忘れないためのリマインダーみたいな曲だったんですが、今回弾き語りの曲入れたいねって話になった時に思い出してこの曲を聴き返したら、今だったらリリースしてもいいのかなって気持ちになったんです。自分の内側が出ているので少し恥ずかしさもあるなって思ってはいますがリリースできて良かったです。
「嘘なき」というタイトルも個人的に気に入っていて、「嘘無き」と「嘘泣き」のダブルミーニング(ネイティブ風発音)になっているんです。

ーなるほど。ダボーミーニングですね。

は:そうです。ダボーミーニング(ネイティブ風発音)です。

ーそして次曲の「Mr.ウォーター」。

は:「Mr.ウォーター」ですね。これは鍵盤の長谷川作曲です。彼の曲は彼にしか作れないんですよね。なので、なるべくしてこの曲になりましたって感じです(笑)

ーアレンジが満腹感がありますよね。

は:冒頭のアコーディオンのフレーズもリズムもデモ段階からあの感じが出ていて、とっても多国籍なイメージですよね。彼がジャズやフュージョン畑の人だからナチュラルにああいうのが出てくるんです。アコースティックメインのセクションがあったりもして。あとはとにかくあの人の曲はメロディーが難しいんですよ。でも僕には作れないメロディーだから歌ってて楽しかったです。
この曲もちゃんとしたクオリティーでどれだけ遊べるかってところだったかなーと。でもいやらしさが出るのは嫌だなって。全体的ないい意味での不思議感もありながら、でも突然流れてきた速弾きのギターソロは純粋にすごいなって思えるような(笑)

ー確かに(笑)

は:あのセクションは彼のロックギタリストとしての血が騒ぐところですよね。全体的にあんまりアカデミックになりすぎずなバランス感を出したいなって思ってます。

ーなるほど。そして「たしかなことは」

は:これは、今話したロックギタリストが、今度はこんなにギターの主張のない曲を出してくるんだなーっていう驚きの曲ですね。もうむしろ彼が歌ってもいいんじゃないかなって思えるくらい彼の歌心が流れている優しさで溢れた曲だなって。制作会議の時に、この曲は絶対入れたいなって思いました。優しいメロディーが映えるように優しいアレンジにしたら、やさしいコンタクトレンズのタイアップのお話が来たので、ご縁だなーって思いましたね!この曲がこのアルバムのクーリングな役割を担っていてくれていい流れになりましたよね。

ーそして「青春と一瞬」のストリングスバージョン。こちらも素敵な仕上がりですね。

は:これはCMのための書き下ろし曲なんですが、CMで流れてる弾き語りバージョンっていうのがあって、それをそのまま冒頭にくっつけたんですよね。あえて歌い直すのもちょっと違うかなって思ったのでその時に録ったものを大切にしたいっていう意味も込めて。
フェスなんかでもそうなんですが、弾き語りで曲を始めるというのが好きで、それを今回新しいバージョンとして音源にしようっていう感じです。
ストリングスも僕が考えても良かったんですが、今回は別の人にお願いしました。これは今作のテーマの一個でもある「僕のエゴをあまり出しすぎない」というところがあったからなんです。僕が指揮をとって僕の要望も伝えながらすすめていくので完全にエゴを消すことはできないけど、一瞬でも悩んだら周りに振ってみようとか頼ってみようとか、そういうことをしてたんです。そういうのがあった上で、さらに今回はバンドメンバーでもない人に頼んでみようって話になったので、学生時代の音楽仲間にオファーを出してみました。そうしたらまた今までとは雰囲気の違ういいストリングスを入れてくれて、とってもJ-POPになったなって思っています。任せたからこそ自分が考え付かないアプローチをしてくれたと思うので結果本当に良かったですね。

ーいい意味での青春感や若さが出たんですかね。

は:それはそうでしたね。僕がストリングスを考えたら、ビートルズやユニコーンみたいなテイストが入ってくると思うので、とっても爽やかな一曲になりましたね。

ー新曲を中心にインタビューして来ましたが、渾身のフルアルバムが完成しましたね。昨年はタイアップにも引っ張りだこでものすごいペースで楽曲を書いていましたよね。各方面で活躍した楽曲たちが、今ここに一同に会したということなんですが、アルバムの一曲として楽曲たちを聴いてみてどうでしょうか?シングルとして聴いたらこんなイメージだったけど、アルバムの中に収録されると違う景色が見えた曲ってありましたか?

は:それでいうと「Supernova」ですかね。このアルバムの真ん中にいてくれたからこそよくなったなって印象もあります。優しい曲、優しいアルバムを作っていきたいっていう気持ちが最近は今までに増してあるんですが、「優しさを返していく、後悔や絶望にまみれた青春ですが、取り返せないものはしょうがないから優しさで返していく」っていうメッセージが、しっかり伝わって来ますね。
シングルで聴くとタイアップさせてもらったドラマの印象が強いんですが、アルバムで聴くとしっかり超えて来てくれるなって。時間をおくことでイメージがしっかり変わってくれました。

ーそして、4/18より「マカロックツアーvol.10 〜わずかな希望を探し求める者たちよ篇〜」がスタートしますね。全14箇所、追加公演を含むと18公演ですね。ツアーファイナルは豊洲PIT!!

は:キャパシティーがぐっと上がって来ましたね。先日のマイナビBLITZ赤坂もやっぱりとても広く感じましたが、それを超えてくる規模感で楽しみです。

ー今は誰もがマカロニのライブへの期待感がすごいですよね。お客さんもとっても楽しみにしていると思います。どんなツアーになりそうですか?

は:いつもそうなんですけど、ツアーはやっぱり「リリースした曲たちはどうでしたか?どう伝わりましたか?」って確認し合う大事な答え合わせみたいなものだと思っています。ライブの雰囲気に関しては、規模も上がって来ているのでどうなるのかなってまだイメージしきれない部分もありますが、こうきたか、っていう意外性も楽しみたいと思っています。セットリストは毎回悩むところですが、どういう作り方をしていこうかなってところですね。今回楽曲のアレンジを遊びまくった分、ライブでの再現が難しかったりもするので、準備はしっかりしていきたいですね。

ー今回のツアーでどこか思い入れのある場所はありますか?

は:本拠地横浜はしっかりと盛り上げてエンジンかけていきたいですね。

ー今回のアルバムを聴いてくれる方々にメッセージをお願いします。

は:「hope」というタイトルにして、どの曲でもどこかに希望の光がそれぞれの光の強さで差し込んでるので、自分なりの解釈で好きなように受け取ってほしいです。そして、結果的にさっきまでの絶望感がふっと軽くなるようなそんな役割でいられたら僕らは本望なので、沈んだ時に聴いて人生も捨てたもんじゃないなと思ってもらえたら嬉しいですね。

ー最後になりますが、今回の作品を漢字1文字で表現するとしたらなんでしょうか?

は:「望」ですね。希望の望、絶望の望。「望」の方に賭けてくださいねって。その前にくっついている1文字にはあまり囚われないでねって意味も込めて。

ーありがとうございました!