——「東京カランコロン01」リリースおめでとうございます!
いちろー、せんせい:ありがとうございます!
いちろー:マンスリーマガジン発行された数日後のリリースですね!
——そうですね!このインタビューを見てくれる方には期待度をふくれあがらせる内容になりそうですね!
今回は1年9ヶ月ぶりのフルアルバムということで!TALTO移籍後初のフルアルバムになりますね。1年9ヶ月ぶりと聞いて実際どうですか?
せんせい:長いなーともちろん思うけど、実際になってみたらそんなに経っとったんやーっていう感じも凄くしますね。
いちろー:おそらく自分達の立ち位置が確立されて、自分達のペースでやっていく環境が出来上がってきたアーティストさんとかが皆2年に1枚とかのペースになっていくんだと思うんですよね。それを考えると今の自分達にとってはこの期間が空いたことは長いのかなって思いますね。
——実際、その期間に「長いよ待ちきれないよ」って感覚はありました?
せんせい:作品を早く出したい気持ちはもちろんいつでもあるんですけど、実際そんなになかったですね。
いちろー:1年に1枚出すことってこの業界では普通になっている感覚はあるんですけど、そのペースで自分達もリスナーも満足出来るものをコンスタントにリリースし続けていくというのは恐らく誰かが無理して頑張ってくれているっていうことだと思うんです。じゃなきゃ、本来人がそれぞれに持っているフラットなペースでやるとやっぱり2年に1枚のペースなんだろうなとは思っています。
——とは言え、東京カランコロンはその間にもかなりスケジュール的にも動いてましたもんね。
いちろー:そうですね。レーベルの移籍等ありましたけど、リリースやツアーもコンスタントにやらせてもらっていたので。
——そうですよね。そして今回のアルバム聴かせていただいて、印象としてはとても幅があるアルバムだなという感じだったんですが、今回意識されたところはどこですか?
いちろー:すごく大きい意味で言うと、ツインボーカルであるということを押し出すことが第一にありました。二人が両方歌っている曲って多そうで実はそんなに多くなかったので、そうではなく二人で歌っている曲を限りなくメインにしていくことを考えました。
せんせい:シングルでリリースした「トーキョーダイブ」「ビビディバビディ」と今回の「東京カランコロン01」の3つで1つのプロジェクトというか、今年一年のまとめみたいなアルバムです。ツインボーカルであるということを大事にしていくということは今年始まってからメンバー全員で共有し合えた意識ではあるので、それをどうやったら大切に出来るのかっていうのを考えました。3作とも同じプロデューサーさんに入ってもらったんですが、アレンジに関してもツインボーカルの話をし続けていましたね。色んな顔を見せようというよりは、そこに照準を絞った作品になっていると思います。
——なるほど。東京カランコロンの作品は常に音楽偏差値が高いなーって思わされるんですよね。
せんせい:それぞれが持ってるものが5人とも本当に違うので、どちらかというと「器用貧乏」っていう言葉がハマるんですかね(笑)
——そうなんですかね(笑)僕は特にアウトロや曲の終わり方にものすごく意識を感じるんです。何となくは終わらせないというか、最後まで作り込んでる感じがあるんですよね。
いちろー:ライブを意識しながら作ったっていうのはあるかもしれないですね。ライブで適当なアウトロをやってると冷めちゃうじゃないですか。きっとライブではこういうテンションでやるんだろうなって想像しながら作ったからなのかなって思います。
——本当に個人的な話と好みになるんですが、M6〜M8のこの3曲の繋ぎとその次曲の選曲の部分が本当に他のアルバムとは違うなって感じたところではあるんです。フルアルバム聴いてて少しマンネリしてきちゃいそうなところでカランコロンは全然飽きさせないなーって。
せんせい:あ、それ嬉しいです!
いちろー:そこはライブのセットリストみたいな気持ちで組みましたね!
せんせい:その部分ってマスタリングするギリギリのところまで悩んで悩んで、やっと決めた箇所なので、そこ気づいてもらえたのはすっごく嬉しいです。
いちろー:そこ本当に時間かけて凄く練ったところなので!
——わ、そうなんですね!やった(笑)!何度もワクワク出来ました!そしてリード曲「どういたしまして」に関しても聞かせてください!
いちろー:この曲は最初に僕がメロディーを作っていって、そこから肉付けしていきました。シンプルにポップな曲を作りたかったので、肉付けしていく段階でどこまで引き算出来るかっていうところに執着しましたね。いままでは印象的なフレーズが目白押しだったりしていたんですが、この曲に関しては今までらしさも残しつつもちゃんと歌だけを聴かせてもっていけるような曲にしました。歌詞に関しては「どういたしまして」というフレーズだけは最初からあったんです。メロディーを作った段階で最後のこの部分はしっくりきていて、それが結果的にそのまま採用された感じですね。あんまり深いこと考えずに響きではめ込んでいたんですけどね。
適当な英語で仮歌とか入れたりするのも、昔は何かそいういうの恥ずかしくてわざわざ「ラララ」に歌い直してメンバーに聴かせたりしてる時期もあったんですよ(笑)でもその適当な英語だったり意味もなく並べた言葉が最終的にメロディーや歌詞のないようにいい意味で大きく影響してくることがわかったので、なるべくありのままのイメージをもっていくようにしたんです。「どういたしまして」のフレーズ、変える話も少しあったんですが…。最終的には、「東京再起動」というプロジェクトを始めた中で、お客さんとこういうことがしたい、こういう風にしたい、こう繋がっていたい、というストーリーの最後に「身勝手にやらせてください!」って想いをこめてます。
「トーキョーダイブ」は、苦しみながらも前に進むよってメッセージがあって、「ビビディバビディ」はもう一歩先の想いを込めていて、「どういたしまして」はもう少し余裕を持って好き勝手歌わせてもらいます!って気持ちで、それに対してどういうリアクションがあったとしても「どういたしまして」って気持ちで身勝手に進んでいくイメージですね。
少し話が変わるんですが、家にいる時とか電車の中でもそうなんですが、ヘッドフォンをして爆音で音楽を聴くんですよ。で、音楽に合わせて一人で踊ってたりもするんです。ストレス発散というか(笑)。電車の中でも踊り出しちゃったりするときもあるんですよね。
——ええ、そうなんですか!?
いちろー:え、ないですか??電車とか乗ってても、なんか、、、(クネクネ)、こう、、、(くねくね)、、、なっちゃう感じ!
せんせい:うふふふふふ(笑)
——僕それ恥ずかしさが先にきちゃいますね(笑)でも車の中だったらもうこうやって、、、(ヘドバン)、、こうですね!
いちろー:悪い感じだなー(笑)
——すいません、話戻しましょう(笑)
いちろー:ですね(笑)
ただ自分達のことだけを歌うのでは伝わりづらいかなとも思ったので、主人公を作り上げたんです。その主人公は女の子だったんですが、自分がそういうタイプだから、その子に対して「もう踊っちゃえよ!」みたいなメッセージがあります。
そこに、プラスして今の自分のバンドの状況とかをストーリーに組み込めたらいいなって思って書きました。
——なるほど。せんせいはこのデモを聴いた時にどういう印象でした?
せんせい:すっごく印象的なのが、スタジオで皆で合わせながら歌っていた時に、なんか泣きそうになって、これは絶対いい曲になるなって確信出来たんですよね。演奏してる自分が感動出来るって凄いことやなーって思って。絶対良くなる、もそうだし、絶対よくしたい!って言う気持ちもかなり大きかったですね。
——今までそういう感覚になったことは?
せんせい:もちろん何度かあるんですが、今回もそれと同じように感じましたね。そういう感覚になる時って、メロディーとアレンジと空気感がもうできあがってて、理屈抜きに肌で感じる感じなんですよね。頭で組み立てるのではなくて。
ここ最近自分がそういうモードに入ってるなっていうのもあるんですが、リハーサルでも「もっとテンション上げて!」とか「もっと光が射すような感じで!」とか、そういう精神面での提案が凄く多くなってて。
この曲はそれを言う前からただただ身体でそのいい感覚を感じることができたので、間違いない作品になったなーって思えてます。
——この曲は早い段階でリード曲として決定していたんですか?
いちろー:あくまで候補曲でしたね。他にも何曲かある中の1つでした。
——スタジオで合わせたら「これだ!」って印象だったんですかね?
せんせい:みんなでリード曲の話になった時、皆それぞれに想いがあったようなんですが、わたしはもうとにかくこの曲がいいんじゃないかって「どういたしまして」を推しましたね。
——なるほど。今回のPVも見させていただいたんですが、佐藤全部さんいじりが少なかったですね(笑)
いちろー:確かに(笑)
せんせい:なんか色々カットされとったよな(笑)
——佐藤さんのオチをただひたすらに探し続けたんですが(笑)
せんせい:最初の編集段階ではわりとふざけたカットもあったんですが、色々修正を重ねていったら確かになくなっていってましたね(笑)
いちろー:たしかになー(笑)
ちなみに、今回のアルバムだとどの曲が好きですか?結構インタビュワーさんに聞くのが好きなんですよね(笑)
せんせい:あー、気になる!トーキョーダイブとビビディバビディ以外で聞きたいです!
——僕もう決まってます!「かさぶた」です!
いちろー、せんせい:えー!!意外!
——僕、まずそもそもバラード大好きっていうのもあるんですが、この曲は言葉の一つ一つが凄く好きで。
いちろー:あー、やっぱこの世代の男の人にはこの曲響くんですよね(笑)
——いや、確かに世代ですね!(笑)
某同世代マネージャー:僕も「かさぶた」と「アンサンブル」が、、、
せんせい:あー、やっぱりそうなんだ(笑)
いちろー:世代がやっぱりそうなんだ(笑)
——感動させようと思って感動させる音楽が最近凄く多いなーって思ってたんです。無理にオーケストラを入れたり、言葉やMCでまずリスナーの不幸を引っ張り出したりとか。もちろん否定派ではないんですが、東京カランコロンのこの曲を聴いたら、「純粋に音楽だけで感動するってこういうことなんじゃないかな」ってやっぱり思えたんですよね。
いちろー:正直、バリエーションが欲しくなることもあるし、今回ツインボーカルの曲に比重を置いていたのは事実だから、せんせいのパーソナルな部分と俺のパーソナルな部分を一つ一つ出したいって言う気持ちもあって「かさぶた」と「アンサンブル」の2曲を入れたんですよね。確かにいつもだと方向性を少し変える曲ってネタっぽくなっちゃうなっていうのはあるんですけど、今回に関してはそこが純粋に勝負してる感じはありますね。味付けを無理矢理するんじゃなくてとても素だなって。それがバンドのアクセントとして無理しない感じなんですかね。
——なるほど!そして3部作感も勝手に感じてました(笑)スタートからカランコロンらしい楽しさをしっかり出してもらって、そこから山があって、しいかり最後は締めにかかるという。
いちろー:お、ならライブのセットリスト感をしっかり感じてもらえたってことなんですかね?
——そうです!そしてアンコールが「中華そば」!
いちろー:そうですね(笑)アンコールというかアンコールで出てきた時のMCですね、どっちかというと(笑)
——最後まで楽しませていただきました、このアルバム!
そしてそんなアルバムを引っさげてリリースツアーがありますね!仙台に始まって東京ファイナル。
いちろー:おいたんの実家が宮城っていうのもあって、ツアーは仙台で始まることが多いんですよね!
——そうなんですね!どんなツアーにしたいですか?
いちろー:先日大阪と東京で、アルバム全曲披露フリーライブをやったんですよ。それが凄くありがたいことにご好評頂きまして。お客さんがまだ曲を知らない段階で聴いてもらう訳じゃないですか。その中で自分達でもしっかり手応えを感じられるライブができたっていうのがあったので、アルバムを聴いてもらってから演奏するとどうなるんだろうっていう楽しみがありますね。あとは、大阪と東京以外の箇所で初めて聴くお客さんはどんなリアクションをしてくれるんだろう、とか。それを踏まえてどう楽しんでもらおうかなって考えながらいいライブにしていきたいですね!
せんせい:久しぶりやから、自分達が持ってる今までの概念とか全部捨てていきたいなって思ってます。初めましてのつもりでいきたいんですよね。変わってなくてもいいけど、気持ちの上で0から進んでいくつもりで臨んでいきたいと思ってます。
——ファイナルは渋谷WWWXですね。初めてのハコですよね。いかがですか?
いちろー:先日レーベルメイトのSAKANAMONのライブを見にいかせてもらったんですが、綺麗なハコでしたね!
個人的に思ってることなんですが、そのファイナルで新曲をやれたらいいなと思っています。今回のアルバムで「東京再起動」というプロジェクトが完遂するので、自分達的にもお客さん的にも燃え尽きないようにしたいんです。これは、それだけ今の自分達が燃えている状況なので、次のフェーズをそこでしっかりと見せられるようにしたいです。ライブはもう絶対いいものが見せられるのは間違いないと思っているので、その先をしっかり提示したいなと思います。
——ありがとうございます!最後になりますが、今回の作品を漢字一文字で表すとなんでしょうか!?
いちろー:純粋の「純」!純度が高いかなと。無理した飾りっけはない感じですね。
せんせい:いいと思う!私は「青」です。とてもクリアな感じ。
いちろー:あー、「青」もわからないでもない!
せんせい:いらないものを全部取っ払って削ぎ落とした感じなので。
——なるほど!ありがとうございます!ツアーの大成功お祈りしております!
いちろー、せんせい:ありがとうございました!