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ドラマストア interview
- SPECIAL -

ドラマストア interview

新世代のポップミュージックとして、今の時代を切り取る確かな感覚で今注目される関西発正統派ポップバンド “ドラマストア”。 バンド名がそのまま形容されたような若者の等身大の気持ちを描いた楽曲が支持され、近年では数々のサーキットイベントなどに出演を果たし、ミニアルバムのリリースを重ねてきた中、今回発表された『ラストダイアリー』。 中でも表題曲の「ラストダイアリー」は、バンドのネクストステップでの活躍の期待値を煽る、これまでで最もドラマチックな楽曲だ。 今号ではVo.長谷川海の視点で切り取るバンドの実情と今作についてを話してもらった。

Interview & Text : 鞘師 至

ー 今作の『ラストダイアリー』は会場限定盤以外では初のシングルですが、このタイミングでシングルを切ろうと思ったのは何かきっかけがあったんですか?

■長谷川海 ( Vo./Gt. 以下“海” )ドラムの和也くんが、耳の手術で入院が決まってたんですけど、手術を前にして、やっぱり少しバンド内がざわついてたんですね。その中で必要なことは、しっかり後ろを振り向くことかなって思いました。
前作「白紙台本」ではほんとに進化を見てくれ!っていう前衛的なものだったので…。
かつ、僕らシングルの流通はしたことなかったんですね。それもあって、3曲だからこそ、がっつり踏み込んで過去の自分と向き合えるんじゃないかなあというところから、シングルに着地しましたね!

ー 去年のアコースティックでの東名阪ワンマンを決めたのはその和也さんの入院から?

■海: ですね。 僕らとしては、彼の手術ってあんまり一大事!災難!みたいな感じじゃなかったんですよ。 周りからは、おいおいドラマストア踏んだり蹴ったりやなって見られることもあったんですけど、全部「居場所」のためのしゃあないことやったし、和也くん自身も軽めのノリやったんです。もちろん僕らを気遣ってってところもあったんでしょうけど。 なので、ちょっとネタにするくらいで、むしろだからこそあいつおらへん間に、みんなで秘密の遊び、しちゃおうぜ!みたいな感覚でしたね。それに、これこそ「今しかできない」ことでしたしね!

ー それを経ての今年はどんな年でした?

■海: 自分たちの選択は間違ってない。合ってるぞ。って確かめたり、言い聞かせたりする年、かなあ…。 やっぱり踏んだり蹴ったりとか、苦難を超えた先に…って言われ方をするんですね。いや、全然間違ってないんですけど。笑 ただ僕は、その中だからこそ知れたことが多かったと思ってて。再確認って言った方がいいんかな。ファンの方の笑顔や声援、関係者、先輩後輩からの言葉、そんな一つ一つが、今のドラマストアは確実に前に進んでるぞ!って言ってくれてるように聞こえました。

ー 今作リード曲「ラストダイアリー」はどんな状況で書いた曲ですか?

■海: 制作自体は難産を極めましたね。 オケの段階から、いつも通り和也くんの先導でリード感を目指して作ってったんですけど、ただのいい曲で終わらないように、ちょっとトリッキーなアレンジにしてみたり、転調してみたり、そんなギミックがまたまた歌詞の邪魔をするんですよね笑 でも、しっかりドラマストアらしさを孕ませた、前向くぞ、行こうぜっていう力強い曲として着地したので一安心です。笑

ー キャッチフレーズには “君を主人公にする”、とありますが、今作の歌詞は実体験?

■海: 僕ね、実はあんまり実体験を曲にしたりしない派なんですよ!こだわりとかじゃないんですけど。 僕は妄想家なので、結構イメージで描いたりすることが多いです。そのイメージの中で僕が「最初の主人公」になっちゃうんです。

ー 「あさきゆめみし」は報われない恋愛の歌ですが、海さん自体も実際そういう恋愛が多いんですか?

■海: まず、あさきゆめみしは、不倫がテーマのコメディ漫画がきっかけで、「身を滅ぼしかねないとわかっていても好奇心に動かされてしまう」図を書きました。布団の上で足伸ばして、楽器も何も持たず、2時間壁を見つめながら考えたんですよ。頭の中で、歌詞もメロディもコードも全部ファーンって降ってきて。笑 で、肝心の恋愛ですね、僕は…そうですね、叶わぬ恋に思いを馳せてしまうタイプです。笑 でも報われなくていい、あなたを好きでいた時間はすばらしかったーって、思い出を美化しちゃう気色悪いタイプのプラス思考です。笑 こういうのを俗に恋愛妖怪と呼んでます。笑

ー 「ハロー彗星」はバンドの夢を描いた曲?

■海: これは18歳の頃、バンドに魅入られてバンドという夢を追い始めた自分の曲です。 こんな地元でくすぶってる場合じゃないっていう。

ー 結成当初、そもそもバンドをやるきっかけってどんなものでした?

■海: このバンドの当時のメンバーは、みんな別のバンドをやっていたんですね。僕の学生時代のバンドの解散をきっかけに、僕が集めました。 その時のみんなは、「海くんとバンドやれるなら、今すぐ今のバンドやめる」とまで言ってくれて。

ー 結成からもうドラマチックですね…! その後鳥山くんが入る前と今、出来上がってくる曲はどう違いますか?

■海: 純粋にサウンド面では、ピアノの存在感ですよね。 今作の「あさきゆめみし」ではオルガンだったり、そういう音の幅がまず一つ。 あとは圧倒的に耳がいいんですよ。 あいつ知ってる曲ならなんでも弾けるんです! 転調も一瞬! そういう無限のコード感には助けられてますね。 あ、褒めすぎた。 やめとこ。笑

— 今のドラマストアの楽曲は今のメンバーならではの個性で出来上がってるって事ですね。 ちなみにライブの面では今、リリースツアーが始まってますが、どんなツアーになってますか?

■海: 前作「白紙台本」で初めて行ったところに、短いスパンで行けるのが嬉しいんですよ、なので、また会いに来たよ、って言える人が少しでもいることが楽しいですね。 はじめましても嬉しいんですけど、二度目まして、三度めましてってちょっとずつ近づいてくの、素敵じゃないですか。

ー 今回のリリースとツアーを経ての今後の目標は何ですか?

■海: バンドとしては、もちろんより前に、前に!なんですけど、個人的には「貯金」の一年です。 どうやら手相芸人の島田秀平さんの占いによると、僕そういうのめっちゃ好きなんですけど、自分のことは後回しにしがちな一年やけど、ここで人にあげたものが、2年後何倍にもなって返ってくるらしいんですよ!!!笑 なので、貯金のつもりで、しっかり求められたこと以上のものを発信し続けられるような年にしたいです。