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SPYAIR interview
- SPECIAL -

SPYAIR interview

インディーズ時代から、”shibuya eggman”には何度も出演している”SPYAIR”が昨年末の武道館公演を終え、4人となってのリスタート。
世界規模で活動している彼らから聞けた”等身大の言葉”による4000文字インタビュー。

interviewer:森村敏夫

–早速ですが、NEWシングル『サクラミツツキ』リリースおめでとうございます。

一同:ありがとうございます。

–今作のタイトルの『サクラミツツキ』とはどういった意味があるんですか?

● MOMIKEN(モミケン Ba):タイトルの『サクラミツツキ』は”サクラ”と”満月”を合わせた造語です。テーマは”出会いと別れ”を主軸にしています。自分の中に足りないモノや欠けているモノがあるという状況を打破して、もっと今より良いモノを目指していこうという前向きなメッセージを歌詞に書きました。

–歌詞に”僕らは あの欠けた月の半分を探して”や”いつかはサクラの花咲く 満月の元へと”というフレーズがありますが、そこから”何かを探している””どこかに向かっている”ような心情を感じました。

● MOMIKEN:自分達の”未完成感”や今やっている事への”疑問”を、どんな場面でも感じていて”いつまでも満ち足りない”気持ちがあります。でも目指していけば、いつか”満たされる場所”が見つける事ができるんじゃないかっていう前向きな気持ちを歌詞に表現しています。その気持ちが”月”と重なっている部分もありますね。

–「サクラミツツキ」のMVは”月をイメージさせる白”と”闇をイメージさせるかの様な黒”とのコントラストがすごく綺麗ですね。

● KENTA(ケンタ Dr.):ありがとうございます。曲の世界観をすごく意識して創りましたね。

● MOMIKEN:月のイメージを、より表現できるようにバルーンライトを使ったりと、照明にもこだわっています。

–MVの最後、IKEさんの体の中に何かがスッと入り込むシーンがありますが、そこがすごく印象的です。

● UZ(ユージ Gt.&Pro):ここは撮影後に加えた部分なんですが、”探していたモノ”が見つかったかの様な表現をしているシーンでもあります。

–「サクラミツツキ」はアニメ”銀魂”のオープニングテーマにも決まっています。”銀魂”の世界観は意識しましたか?

● MOMIKEN:”銀魂”の世界観にインスピレーションを受けている部分はあると思います。曲のストーリー自体は実際の自分達の生きる世界の事ですが、言葉の選び方だったり、『サクラミツツキ』というタイトルであったり、言葉での表現の仕方として意識した部分はありますね。

–「サクラミツツキ」は浮遊感を感じる、すごく雰囲気のある曲ですが、この曲を創っていく中で意識した事はありますか?

● UZ:浮遊感のあるロックナンバーは個人的にすごく好きで、この曲以外にも今までやってきていたけど、今回はそれの集大成となるモノを創りたいっていう思いで作曲したって感じですね。何かにインスピレーションを受けたっていうよりも、自分の中にある武器を更に研ぎ澄まして創りました。もちろん一曲ずつ本気だから、シングルだからといって手抜きする様な事はもちろんしないし。アルバムを買ってくれればいいんだよって訳ではなくて、シングルはシングルでジャケットとかMVとかみんなで力合わせて創ってきたから、みんなに聴いて欲しいし、届いて欲しいし。

● KENTA:この曲を演奏するにあたって、ドラムとしては”何もしない”って事を意識しましたね。音数をただ入れる訳じゃなくて、ギターフレーズや歌の雰囲気がすごく良い分、それをより良く出す為にドラムは下で支えるっていう事を念頭に置いてやりましたね。それは僕としてはすごく怖い事で難しい事でした。

● IKE(イケ Vo.):この楽曲は、”SPYAIR”が今までいろんな楽曲を出してきた中で、特別新しい事をやっている訳ではなく、今までやって来た事の積み重ねとなる曲だと思います。ベーシックのテーマに今までやって来た事を消化させて表現していこうというのはありました。サビの中で”僕らは 僕らは”と二回繰り返す部分があるんですが、ここですごく孤独に歌っている自分が居て、”他の自分ではない誰かの言葉を、誰かと一緒に歌っているような感覚”がありました。そしてその感覚はすごくバンドらしいと思います。こういう曲がみんなが歌ってくれるような曲になってくれたり、ライブで体感してくれる事によって、みんなの新しい一歩を踏み出せるようになってくれればと思います。

–カップリングとして入っている「Turning Point」に関しても聞かせて下さい。「サクラミツツキ」からガラリと雰囲気変わり、パンチのある激しい曲となっていますね。

● UZ:心情としてはダブルA面と言っても良いと思います。この曲をこのシングルに選んだのは、気持ち的にここから更に攻めていきたいって気持ちが大きかったので、自分達の根っこにある”ヘビーグルーヴ”・”ヘビーリフ”というモノをうち出した楽曲を持ってきたって感じですね。

–タイトルの「Turning Point」ですが、昨年末に武道館公演を終えて、4人でリスタートしたという”SPYAIR”自身の立場も表しているんでしょうか?

● MOMIKEN:実際、全くそこは関係なくて、この曲ができてタイトルを付けた後に初めて気付いたって感じですね。

● KENTA:いろんな方からそう聞かれますけどね。(笑)

● MOMIKEN:この曲の歌詞を書いた時の”Turning Point”っていうのは、過去の自分が”何か吐き出したい””ここから抜け出したい””訳もわからない何かに怒りを爆発させたい”と思っていた時に”この状況を変えたい”という心情を書いたものです。ただ、聴いてくれる人達にとっては、今の僕達の状況にリンクさせることもできますし、そう聴いてくれるのは全然問題無いです。

● IKE:歌詞を書いているのはMOMIKENで、歌っているのが僕。曲を書いているのはUZで、リズムを叩いているのはKENTA。みんなバラバラの思想や考え方を持っている僕らが1つの作品を創ると、やっぱり答えは1つに固定されてないと思うんですよ。僕もこの歌詞を歌う中で”何か吐き出したい”と思ったのは間違いないですし、でもそれは明確な答えではなかったんです。でも今何か変えないと、この現状一生変わらない。だからこの”Turning Point”という言葉にすごく共感できたし、この曲から感じた事を自分なりに歌う事ができました。聴く側も固定せずに自由に感じてほしいです。
ライブですごく盛り上がる曲だと思うし、ライブハウスでも野外でもきっと似合う曲だと思うので、どんどんライブで披露していきたいです。
これから始まるツアーでも、この2曲は必ず披露するので、是非ともこのCDを手に取ってライブに遊びに来て頂けたらと思います。

–同日に、昨年末に行われた初の武道館公演を収録した『SPYAIR LIVE at 武道館 2012』もリリースされますね。

● KENTA:ライブはすごく気持ちよかったですね。去年一年かけて、この場所を目指してきて良かったなと思いました。規模感で言えば、全くやった事ない場所ですからね。フロント3人は全く緊張していなかったんですが、いつも緊張しない俺が一番緊張していました。

● IKE:良いステージでした。デッカいライブハウス。
ファンのみんなとの距離感をそんなに感じなかったので、ホールという感覚もあまりなく、すごく良い空間でした。DVDを観てもらえたらその雰囲気も伝わると思います。

● UZ:すごく良い音ですよ。あの時の音は鮮明に記録されていると思うから、来ていない人には観て欲しいなって思う。

–この映像を観て、今まで”SPYAIR”のライブに来たこともない人にも、来てもらえるキッカケになってもらいたいですね。

● KENTA:それはすごくあります。

● IKE:そうですね。是非ライブに足を運んでほしいですね。ライブDVDって、きっとリアルなライブに繋がっていくと思っています。すごくライブを体感できる作品になっているので、”SPYAIRのライブってこんな楽しいものなんだ”って伝わって、実際にライブに足を運んでもらえたら良いなと思います。

–そして、そのままリリースツアーも始まりますね。

● KENTA:武道館公演の時にすごく良いモチベーションで挑めていたので、これからのツアーでもしっかり前準備してやりたいですね。観てくれる人達からすると、4人でのリスタートというのも大きいと思うので、パワーダウンしたと思われない様なライブにはしていきたいですね。

–4人でのリスタートですが、自分達で感じる変化はありましたか?

● UZ:良くも悪くも変わってないですね。俺らとしては変わってないですけど、周りからの見え方はまた違うと思うので、その人達がどう思うかですよね。

● IKE:やる事は変わっていないので、しっかりと自分達のライブをやるだけですね。ただ、4人でのリスタートという事にドキドキ感はありますし、4人でチャレンジし続けていきます。

–韓国でのフェス出演や武道館公演など、すごい勢いでどんどんと新たなステージに進んでいる”SPYAIR”ですが、次に見据えているステージはどういったものなんでしょうか?

● IKE:武道館公演という大きなステージを終えて、また次にもっと大きいステージを狙っていくという選択肢もあると思いますが、今年は自分達が今できる事をやっていきたいと考えています。

● MOMIKEN:デビューしてからこれまで、地を固める作業を走りまくってきたので、ツアーもアルバムの制作も、今年一年そこを固める作業を大事にしていきたいです。

● UZ:”当たり前にバンドマンがやることを全力でやる。”っていうのが今年の1つの目標ですね。